表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/50

Gray World Black Heart

「───ィ───!!」




「───シィ───!!」




「───きて、───シィ───!!」




「キャシィ、起きて───ッ!!!」




暗い意識の牢獄から解放され、目を覚ます


しかし、目の前に広がる光景は牢獄よりも悲惨なものであった


「……な、何があったんだ……?」


「キャシィ!良かった、生きてる!」


悲惨な中でも、フレイラとローレントはどうにか無事だったらしい


フレイラはキャシィの無事を喜び、ローレントは無表情でそれを見つめている


「だ……お前、抱きつくんじゃねー!

ここはどこだ、何があった、全て教えろ!」


「やられたんだ!

私たちは襲撃されたんだ!

目が覚めたら私、瓦礫の中にいて……

何とか脱出して、そしたらキャシィが倒れてて……!」


「ローレント、お前もそうなのか?」


「運良く瓦礫に埋もれずに済んだが、な……

襲撃したのは『ソーニャ』……ヤツに違いない」


「ソーニャ……昨日言ってたあの孤児のことか?」


「そうだ、昨日連絡があってな……

ジョンズの邸宅から『ソーニャ』が消えたらしい

まさかとは思っていたが、ジョンズのヤツならやりかねん」


「……どういうことだ?」


「死に際に『ソーニャ』の封印を解いたんだろう

どうせ死ぬなら全て道連れ……ということだ」


「チッ、何だそりゃ……反吐が出るぜ」


「さて、話はここまでにしておいた方が良いだろう

これ以上街を壊されるのはもう我慢出来ない

ケジメをつけるのが何より先だ……」


「……みたいだな」


キャシィとローレントがそれぞれ『武器』を構える


フレイラは武器を紛失したようで、狼狽えている


「……武器くらい私のを貸してやる

ヤツを仕留められたら返さなくて良い」


「……あなた、マフィアじゃなければ友達になれたかも知れないわ」


「たらればの話は無駄だ、ヤツを探して始末するぞ」




・・・




「おい、ローレントの姉貴!

こいつぁアンタの仕業か!?

うちの品物が全部ダメになっちまったぜ!」


「私ならもっと上品に壊すさ、こんな下品な街には相応しくないくらいにな」


「クソ、誰がやりやがった!

素っ裸で鞭打ちにしてやる!!」




街の建物のほとんどが破壊され、住民たちは混乱している


死体が転がり、炎が舞い、子は泣き叫び、大人は絶望し、


灰色と化した街を三人だけ


『殺意』を持って歩いている


「ここは私の街だ……

私以外が汚い手でこの街を汚すなら……殺してやる」


「このアタシに惨めな思いをさせやがって、クソッタレ!

問答無用で惨殺してやらァ!」


「この世界にとって良くないことが起こるのなら……

『ソーニャ』を殺さなきゃいけない……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ