思ったこと
「自尊欲求だよ、そんなの」
「…?なにそれ?」
スマホをいじっていた手を止め、きょとんとした顔を私に向ける。
「いわゆる承認欲求だよ」
「それがどうしたの?好評価って嬉しいよ。なのにさ、好評価貰えないとか…正直やだなぁ」
私はため息をつく。
友人である篠原は熱く語りだす。
「だってさ、好評価されないと悲しいじゃん!写真撮った意味なくない?絵だって描いた意味なくない?なえる、評価されないと!やる気なくなる、絵とかは描きたくなくなる」
確かに頑張ったのに評価されないのは悲しい。それはわかる。
だけど、やる気がなくなるという点に関しては、疑問だ。本当に絵を描くのが好きなら、続けるだろう。写真を撮るのが好きも同様にある。
評価されないから、やりたくない。それって、おかしい。”評価されたいからやる”というような形だ。もし、そうなのであれば”好きな事”とは言わない。
SNS系で評価されなくて悲しいのならコンペに応募する。そのような方法をとれ。
私は何より強く思うのは、”本当に好きなら評価されなくても続ける”。
なんてことは彼女には言わないでおこう。聞く耳を持たないから。いつもそうだ。私の話には反論して論点をずらす。うんざりだ。
そんな人といるのは窮屈だ。なら関係を断ち切れって話だが。どうにも断ち切れてないらしい。
「ほら、この写真見てよ!たくさんの好評価!!」
「…すごいね」
「ふふん!」
少しわからなくなってきたな。
私は好評価される人たちが羨ましくて、あのような考えが生まれた?だから、好評価される篠原と一緒にいる?私、篠原と友達なんだって言いたいから?そうだとしたら、私って最低。