異世界での1日
しばらくぶりの更新。
次の日の朝、目が覚めた僕は(何気に一人一部屋だった。凄い)日課の朝のランニングをして身体が思った以上に動かない事に驚いた。
これが無能かぁ…
そう思いながら途中で出会った兵士達可哀想な奴を見る目も思い出す。
まぁいいか…
早々に忘れ、部屋へと戻る。今日はこれから訓練だ。他人の視線に一々気を使うのも意味が無いからどんな訓練をするのか考えながら帰った。
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時刻は進み、午後。兵士達によって訓練場に集められた僕らは兵士の人達とマンツーマンで訓練していた。
ただ僕の場合は違って綺麗な騎士の女性の人と何故か春風さんとの三人だ。ちなみに春風さんは教えてもらう立場な筈なのに僕に剣の握り方を教えてくれている。
「えっと、春風さん?レクチャーしてもらわなくて良いの?」
はっきり言って周りの視線が怖い。二人とも綺麗だし、方やクラスで最も綺麗な人でもう一人は兵士の人達の様子から人気者なのだとわかる人。羨ましいのは分かるけど殺気を飛ばさないでほしい。
「ふふ、大丈夫。剣豪や剣聖のスキルのお陰でクルーシャさんからもお墨付きを貰ったから。」
けど僕の心からのお願いは彼女の優しい笑顔で封殺された。ちなみに訓練の最初に実力を知りたいとのことで軽く手合わせをしたが僕は一合目で剣を弾かれて終わりに対し、春風さんは女性騎士、クルーシャさんと見えない程の速度で戦っていた。
リアルで人の姿が消えて空中で火花が散る光景を見た。
その時から春風さんの訓練は終わっていたらしい。
できれば空気を読んで僕を無視してくれていたら嬉しいけど結局僕は他の男子の殆ど(女子も僅かに)から恨みの視線を受け続けた。
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あれから更に時間が進み、時刻は深夜。
訓練でヘトヘトになったクラスメイトは皆んな寝ているのだろうけど、僕は逆に身体中の痛みで寝れそうにない。
なのに身体は動かせるのだから、春風さんやクルーシャさんは僕の身体を僕以上に理解しているのかも?……考えたら怖いから考えるのをやめよう。
ベッドから起き上がり、ゆっくりと部屋を出る。どうせ眠れないなら城の中をちょっと探検してみよう。
まぁどうせ警備兵に見つかるだろうけど、その時は隠さずに散歩と言えばいいか。
薄暗い廊下を適当に進み、階段なんかも上ってみる。しばらく進むと見晴らしの良いテラス?に辿り着いた。
多分見張りの為の場所とは違うと思う。見晴らしも良いけど、何より雰囲気が違う。偉い人とかが此処から街並みを見て楽しむ場所だと思う。
手摺から身を乗り出して街並みを見ているとふとこれからを考えてしまう。本当に帰れるのか?その時僕は生きているのか?などを考えながら、けど答えは出てこない。
思わずはぁっと溜息を吐き出した。そう言えば溜息を吐くと幸せが逃げると聞いたなぁと考えると「溜息を吐くと幸せが逃げちゃうわよ?」と声を掛けられる。
驚き、後ろを振り返るとそこには春風さんが立っていた。
上司に怒られてばかりな人生