表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

300文字小説

派遣捨員

作者: 林 秀明

石のように佇んでいる。

大食堂が私の心をより狭くする。

これだけ人数がいても誰も私を見ていない。

派遣社員は孤独である。



ある朝、新しい勤務地を派遣元から通告された。

自宅から電車を乗り継ぎ、バスに乗って、そこから徒歩10分。

元気とはいえない老体に鞭を打ちながら、

雨の中をゆっくりと歩く。


新しい地に馴染むには時間がかかる。

一度仕事に慣れた自分を捨てる必要があるからだ。

私はいつもそこで自分を捨てる。誰からもそうしろと言われなくても。


勤務先が分からず、佇んでいるとある会社員が声をかけてくれた。

「どちらにお行きですか?」

そっと傘を差し伸べ、笑顔で声をかけてくる。

新天地は慣れず不安であるが、こういった出会いがあることも嬉しい。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 300文字の中に人生を感じます。生きると言うことは大変なことだけれど、だからこそ小さな優しい温もりを感じとることが出来るのですね。素敵な作品をありがとうございました。
2016/12/11 19:23 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ