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第六十九幕 ナーシャは決意する

だいぶ遅なってしまい、申し訳ありません


まだ仕事の方が安定していないため、不定期になってしまうとは思いますが、気長にお付き合いをしていただきたいと思います。


この小説を楽しみにしていらっしゃる方には、これからも『裏切られて殺されたけど生き返って自由に旅します』をよろしくお願いしますm(_ _)m

ナンシェとナーシャは2人で屋敷の中へ入ると、そこには父と母が出迎えてくれた。

「お帰りなさい、ナンシェ」

「お勤めご苦労だった。忙しいのに家族のことを忘れず素晴らしい」

「ありがとうございます。父様や母様にそのように言われ、とても嬉しいです」

しかし、ナーシャを視界に入れた瞬間、顔を歪める2人。その目はナンシェを見ていた優しい目などなく、あるのは侮辱の眼差し。

「なんだ、いたのか」

「なぜ、お前がナンシェと共にいる?」

ナーシャのことなど、今気づいた様に振る舞う父。

咎め、責める様な口調の母。

ビクリと身体を震わせるナーシャ。

これはナーシャにとって当たり前。そのまま2人から言われ続けるはずだったが、目の前に影ができる。見上げると、ナンシェが間に身体を滑らせていた。

「ナーシャは私が帰ってくるとわかり、待っていてくれたのです」

「何‼︎お前はまた勝手に外へと出たのか!」

「まぁ、その薄汚れた羽根を誰かに見られるわけにはいかないというのに。

お前には自覚がないのですか⁈」

今にもナーシャに手を上げ用としている、両親の醜い顔と、妹の境遇。ナンシェは自分がナーシャを傷つけない様にとして、距離を置いたことが仇になったことに気がついた。それと同時にいつも行なっているであろうこのやり取りに対する苛立ちをなんとか抑え、両親を落ち着かせようとする。

「父様、母様、実はナーシャのことも含めてお話ししたいことがたくさんあります」

2人はナンシェの言葉に多少落ち着く。

「そうだな、せっかくナンシェが戻ってきたのに。お前にかける時間は少しもない」

「そうですね。もうすぐ夕食なので話はその場でいたしましょう。ルガにも声をかけなければ」

ナーシャとナンシェが頭を下げると、2人はその場を後にした。




「姉様、」

ナンシェは、振り返り、頭を下げた。

「ナーシャ、本当にすまなかった。本来ならば妹を守るのが私のなすべきことだったのに、私は逃げてばかりいた」

ナーシャは首を振り、ふわりと笑う。

「姉様のせいではありません。それに・・・」

「それに?」

「いえ、私も覚悟を決めようと思います」

ガバリと頭を上げ、ナーシャを見た。ナーシャの目には覚悟があり、しっかりと光が灯っているのがわかった。

「・・・貴女が決めたことならば、後悔しないならば、私から言うことはもうないな」

「はい」

「では、あの人たちに貴女の覚悟を見せつけなさい。私はそれを見届ける」

ナーシャはそれを聞いて、急いで自分の部屋へと向かった。



「あんなに強く、そして立派になったのは、あの子自身の心の強さと、あの者のおかげか。ならば私は妹の妨げになる者たちを止めるだけだ」

ナンシェはしっかりとした足取りで、両親が待っている食卓へと向かった。

















ナーシャは自分の部屋へと向かい、着ることがない、自分には必要ないと思い、クローゼットの奥の奥にしまっていた服を取り出す。




実はずっと諦めていた。

自分の記憶を取り戻すことも。

防御魔法を使うことも。

姉、家族と向き合うことも。

結局、自分の楽な方に無意識のうちに逃げてばかりいて、遅くなってしまった。




もしかしたら、彼の方に会うためだったのかもしれない。

でもそれは自分の弱さ。

後押しもしてくれて、最高神にも立ち向かって、最後まで見捨てずにいてくれた。

彼の方と出会わなければ、私はいつまでも弱いままだったのかもしれない。




ならば、もっと強くなろう。



向き合うんだ。



そして・・・



















ガチャリと食卓の広間の扉が開く。

「遅かったではないか。何をそんな、」

苛立たしげに扉を見た父親は言葉を失った。

母親も目を見開く。

姉と弟は静かに待つ。



そこにいたのは、ロングスカートのメイド服を着た、ナーシャがいた。

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