表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/78

第五十幕 誤解の元を

五十幕目^o^


新たな聖天使はいったい?

「大丈夫?《節制》」

黄緑の天使はカーヌに近づく。カーヌは再度レイピアを構える。

「迷惑をかけて申し訳ありません、《勇気》」

二人は前にいるヒカゲを見る。

「気をつけてください。あの武器は今までに見たことがありません。それに不思議な動きを

します」

「わかった。彼の魔法の特徴は?」

「まだ使っていません」



《ステータスカード》


サロン・フォルド


Level : 80 体 : B 魔: 黄緑 防 : B 速 : B

属性 : 自然、雷、光

職業 : 聖天使エンジオン

種族 : 天族カイラト

能力 : ⁇⁇⁇

異名 : 雷鳴の研究者、轟きの天使、捕まえる天才、勇気を与える者、諦めない心、⁇⁇⁇




「へぇ、君が異世界人の勇者なんだ。確かに今までに感じたことがない雰囲気を感じるね。ほんとは傷つけずに捕まえたいんだけど、大人しくつかまってはくれないよね」

サロンはニコニコしながら、ヒカゲに話しかける。しかし、手には大きな筒状の物体。ヒカゲがそれに目を向けているのに気づいたのか、それを肩に乗せて、持ち上げる。

「ああ、これは僕の武器だよ。《魔砲》といってね、僕の力を二倍にして放ってくれる優れものさ」

ヒカゲは新たな聖天使エンジオンに警戒しながら下がると、ズボリと何かが足にまとわりついて抜けなくなった。下を見ると廊下の足を置いた部分が沈没して、見る見るうちに沼のような色に変わっていった。

「これは、」

ヒカゲは少し足を引っ張るが、バネのように伸びて、すぐに戻ってしまう。

「さっき、ちょっと細工しといてね。それは《沼地獄》と《絡むバネ蔦》。この魔法なら知ってるだろ?そして僕はこの二つを合わせたんだ。だから簡単に抜けないよ」

「そうなのか?」

「え?」

見るとヒカゲはブチリブチリと蔦を引きちぎり、沼から抜け出していた。

「ど、どうして・・・。だって二つとも二倍の魔法になってるし、魔力に反応して離れることはないのに、」

サロンは信じられないというような呟きをこぼした。

なるほど、とヒカゲは冷静にこの状況を考えていた。ヒカゲはその二つの魔法のことを知らない。だが、言葉から考えれば、沼の中にバネのような植物が足を絡めている。二倍にしているからこそ、魔力がある者ならば、絶対取れない者らしい。

「やはり、貴方はプラチナの魔力を持つ勇者。これ式では上手くいかないようですね」

「だから何故そうなる。俺が魔法を持っていないからだと思わないのか?」

確かに、黄緑の魔力の二倍にの威力になるということは、ピンクの魔力以上なのだという可能性が出てくるが、ヒカゲはまだ一度も魔法を使っていない。カーヌの攻撃は“銀月鎖ルアリユ”と身体能力でカバーしただけ。身体能力は魔法による者だと考えるのもわかる。しかし、今の、、の攻撃は明らかに自分に魔力がある前提で、攻撃されたもの。先程から自分がこういった攻撃を避けたり、素手で勝負したりするのを見て、魔力がないと少しも考えないのかが疑問だった。


「何を言ってるのですか。この世界に魔法が使えない者などいるはずがありません。しかも異世界人は魔法の素質があるものが、呼び出されるのです」

「そ、だから魔法が使えないなんてことはありえない。それに月の髪に、右眼には契約精霊と契約した跡、今まで感じたことがない雰囲気。僕たちが、というよりも、全能神様の言葉は絶対。だから、始末させてもらうよ」

二人は何を言っているんだというような顔をして、ヒカゲを見る。

(何を言っても魔法が使えると思っている彼らの考えは、全能神の言葉から来ている。ならば、まずは全能神の所へ行き、誤解を解かなければならない。)

そうと決まれば、ヒカゲはクルッと二人に背を向けて、走り出した。

二人はまさか自分たちに背を向けて逃げるとは思っておらず、身体と思考が反応しなかったが、ヒカゲがものすごい速さで小さくなっていくのを見て、慌てた。

「急がなければ逃げられますよ」

「大丈夫。ここに来るまでに色々罠を仕掛け、」

前を見ると、何故か罠があるところだけ、避けながら走っているヒカゲの姿。

「ど、どうして罠があるところがわかるんだ」

とにかく追わなければと、二人が追いかけようとしたとき、ヒカゲの足が止まった。

二人がヒカゲの前を見ると、そこには《愛》の聖天使エンジオン、アモル・クシアがそこにいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ