第三十六幕 依頼
三十六幕に候。
またまた遅くなってすみません_| ̄|○
今回は依頼とエレンとヒカゲがでしゃばります。
《依頼書》
・家の修理
詳細 : 雷によって壊れた屋根
条件 : 複数で経験ある方を望む
場所 : ここから右側にある赤い小さな一軒家
報酬 : 銀貨三枚
ランク : E
・薬草採集
詳細 : オトナシ草を十五本
条件 : 無し
場所 : 東側の草原
報酬 : 銅貨八枚
ランク : E
・魔物退治
詳細 : 屋敷に住み着いた正体不明の魔物を退治せよ
条件 : 腕に自信のある方
場所 : 中央国の二段目の右手側にある黒い屋敷
報酬 : 金貨三枚
ランク : C
「色々な依頼があるんだな」
ヒカゲは珍しそうに依頼書をペラペラと確かめる。
「まだまだたくさんありますが、ヒカゲ様は今ギルドに登録されたのでこれらの依頼が受けやすいと思います」
「ありがとう」
急に言われた言葉にキョトンとするエレン。
「?」
「だって忙しいのに、こんなことまでしてくれたんだ。お礼を言うのは当たり前だろ?」
エレンの顔が少し慌てる。まさかお礼を言われるとは思っていなかったらしい。
「い、いえ、私も自己満足でしたことですし、そんなお礼を言われることなんて」
「それでも、俺が言いたかったんだ」
エレンの顔が見る見るうちに赤くなっていく。これでは怪しまれると急いで顔を上げた。
ポンポン
何をされたか直ぐに理解ができなかった。
「あ、あの」
エレンの頭にはヒカゲの手。いわゆるナデナデをされていた。無意識だったのか、ヒカゲは慌てて手を引っ込める。
「いや、すまない。だが、一生懸命やっているのを見てつい、な」
エレンは呆然としていたが、何をされたのかわかると同時にボンッと頭から煙を出し、ガタッと立ち上がる。
「そ、それでは、わ、私は仕事がありますので!」
バタバタと奥の部屋に走っていった。
「・・・どうしたんだろうな?」
ヒカゲはフィロスに聞いたが、フィロスは頭を抱えてため息をついていた。ティナはわたしのこともナデナデしてと頭を出してきたのでヒカゲはとりあえずエレンのことは置いといて、ティナの頭を優しく撫でた。
エレンはドアを閉めるとズルズルとドアに背を預けてしゃがみこんだ。
(あの人、どうして唐突にあんな恥ずかしいことができるの!)
エレンはバクバクいう心臓を止まれと念じながら抑える。
(だけど・・・)
先ほど手を置かれた頭を抑える。
(暖かかったな)
エレンは目を閉じる。
(もう少しだけ、撫でてもらいたかったな、なんて)
そうして同僚に声を掛けられるまで、悶々の悩むエレンだった。
さて、次は依頼を選んでお金稼ぎたいです。
あと、そろそろまた誰かを家族にしたい。