幕間2 絡まれるヒカゲ 受付嬢side
幕間2デス!
今回は受付嬢目線で書かせていただきました。
「煩い」
受付嬢・エレン は目の前で起こったことが理解出来ずにいた。
エレンは幼い頃から物覚えが良く、仕事に忠実であり、物静かでまさに受付係にとっては理想の女性であった。
また魔法がない人たちがギルドに登録に来たことがあるが、そういった人たちはすぐにいなくなって行くため特に気にも止めていなかった。
ある日、いつものように受付に座り自分の仕事に取り掛かっていると目を引く人たちが現れた。背中に人魚の子供をくっつけ、隣に人型の精霊族と話している若い月の髪を持つ青年が入ってきた。
「すまない、ギルド登録に来たのだが」
エレンはいつものように返事を返し、説明をした。
「それではご自身のステータスカードをこちらに」
彼らは自分のステータスカードを受け皿に置き、エレンはギルドカードを発行するため奥の部屋へと入った。
人魚の女の子と精霊族は良いとして青年の魔力の色は透明。これは明らかにすぐいなくなるかもしれない。
容姿や周りが珍しくても、魔力がなければ意味がない。エレンはそうそう興味を失い、自分の仕事に取り掛かった。
「お待たせ致しました」
青年たちにカードを渡し、精霊族は交換所に向かい、青年と人魚の子供は掲示板の方に行こうとした時、乱暴者のアガが青年に絡んだ。一様注意はしたが、アガはやめることなく青年に絡む。
エレンはため息をつく。しかし青年は冷静に何事もなかったの様に通り過ぎようとしていた。アガは多分バカにされたのだと思い、青年の肩を思いっきり引っ張ろうとしたのだろう。流石にマズイとエレンが立ち上がった。
ドカンッ‼︎
しかし止める前にアガはいつの間にか仰向けに倒れ、青年がアガの首に杖のようなものを突きつけていた。
余りにも早すぎて 、エレン呆然とした。
そして冒頭にいたる。
そこからは呆気なかった。青年は杖をアガの首から退け、アガの上から退いた。アガはその行動が馬鹿にされていると思ったのか、青年に向かって魔法を唱えたが、青年は杖を横に振ると月の部分が飛び出した。その月には鎖が付いていて、まるで生き物の様に動きアガの体に巻きつき、身動きが取れなくなった時、青年は上に飛んで肢の部分で思いっきりアガの頭を叩き、アガの頭は床にめり込んでいた。
青年は武器を仕舞うと人魚の子供の手を繋いでこちらに近づいてきた。エレンはこちらにも攻撃をしてくるかと身構えた。しかし青年は頭を下げた。
「すまない。このギルドの中で暴れてしまって・・・。床の修理は、」
エレンはぽかんとした。まさか謝るとは思っていなかった。青年は先ほどとは違い、無表情だが、慌てていることは分かった。
エレンはそんな青年を見てクスリと笑った。
「大丈夫ですよ、こちらも早く止めなければいけませんでしたのに。修理代はアガ様に出してもらいますので大丈夫です」
青年は少しほっとしたような顔をした。エレンはそんな彼に右手を出した。
「私はこのギルドの受付嬢をしているエレンと申します。良ければお名前を伺ってもよろしいですか?」
エレンは楽しそうに笑顔を見せながら先ほどなくなった興味がまた浮き出てきて、先ほど覚えなかった名前を青年に聞いていた。
すみません。
あと少し急用が出来たため一週間くらいおやすみします。
出来たら合間合間に更新しますので、お願いしますm(_ _)m




