第三十一幕 中央国・ケントルメ
三十一幕。
すみません、ちょっと風邪を引いて更新遅れました。
中央国・ケントルメという国は頭についている通り、すべての国の真ん中に位置する国である。ここに王などと言う上に立つものはいなく、すべての国の住民がここだけでは種族関係なく自由に過ごすことができる場所。
だからだろうか。門を潜った瞬間から空気というか、雰囲気が人間国とはちがっていた。
全てが明るかった。多くの人々の声が飛び交い、子供達が走り回り、とにかくいろんな声が聞こえてきた。
見たことがない品物が露店や普通の店に並び、見たことがない格好をしていたり、ヒカゲは目が離せなかった。そのヒカゲを見てウルアは言った。
「ようこそ!中央国・ケントルメへ!」
「とてもいい国なんだな」
「きらきら!」
「はい!この国は国王がいません。その代わり、五つの種族のとある方々がこの不可能とされた国を作り、今もこの国を守っていやす」
ヒカゲはくるりとフィロスの方を向いた。
「また、新しい世界が見れたぞ」
フィロスはフッと柔らかい笑みを浮かべた。
「そうだな」
すると今度はティナの方を見た。
「ティナ、楽しいか?」
ティナは蔓延の笑みを浮かべ、笑った。
「うん!すごいきらきらしてて、てぃながすんでいたばしょににてるの!」
フィロスとティナの楽しそうな顔を見ることが出来て、ヒカゲは今度こそ嬉しそうに笑った。その顔を見てウルアは顔を真っ赤にした。
「さ、とにかくあっしの店に向かいやしょう」
ウルアは赤い顔を片手で隠し、急いで自分の店に向かった。
「まだなのか?」
フィロスはうんざりした様子で近くにあった椅子に座りだらけている。
ティナは飽きたのかヒカゲの隣でコックリと船を漕いでいる。
「もう少しですから」
そう言ってウルアはガサゴソと物を見つけては違うと後ろに放り投げを繰り返していた。
ウルアの店は複雑な路地裏のところに控えていた。看板には“なかなか手に入らない物、売っています”と書いてあった。中に入ると仄暗く、アンティークのようなものがズラリと並んでいたり、ホルマリン漬けにされているものなど見たことがない色々な物が置いてあった。
「見たことがないものが沢山あるな」
「あっしは余り手に入ることが出来ない商品を売っていやす。ちょっと待っててください、今ヒカゲ様とティナ様に合う服を取り出してくるので」
そうしてウルアはかれこれ一時間くらい自分の店を荒らしていた。
「大丈夫か?」
見かねたヒカゲが声をかけた。
「ちょっと待っててください・・・。あ、ありやした‼︎」
そう言って取り出したのはキラキラと星が散りばめられている藍色のロングパーカーとラメが入っている薄い水色と白の子供用ワンピースだった。
次はギルドに行きたいな。