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第二十五幕 動き出した歯車 〜妖精たちと精霊王〜

二十五幕・・・め!


今回は精霊王を出しました!

ここはヒカゲが落とされた人間国と精霊界を結ぶ狭間。そこで妖精フェアリーたちがいつものように過ごしていると、空気が揺れた。彼女たちは急いで色々な影に隠れて、この狭間に入ってきた者を見た。

そこには180cmくらいある身長にシルクのような身の丈以上あるサラサラした髪、灰色の瞳に頭には枝と葉と花で作られた冠を被り、耳には雫型のクリスタルのピアス、同じクリスタルがたくさん付いているネックレス、指には色々な色の指輪をつけ、透明のキラキラした上着の様なマントに腕を通し、中の服は黄緑と深緑で構成されてそこに金色の刺繍が施され、下は焦げ茶色で動くのに邪魔にならない程度の余裕を持ったズボンに白い靴を履いた人形のよう白い肌をした男性が立っていた。

妖精フェアリー達はその男性を見ると目を輝かせて次々と近づいて行った。

「王様!」

「お久しぶりです、精霊王様!」

「久しいな、この狭間の妖精フェアリーたちよ」

精霊王はくるりと彼女たちを見渡す。

「お前達に問いたい」

「何でしょう?」

代表の妖精フェアリーが妖精王の手に座り、精霊王は近くにあった切り株にふわりと座る。他の妖精フェアリーたちは妖精王の周りをふわふわ集まる。

「半年ほど前、人間国から異質な魔法を感じ取ったのだが、知っているか?」

「はい!」

「人間たちは“異世界召喚”を使いました」

「“異世界召喚”を使ったのか、人間族ヒュームは」

「私たちも途中からしかわかりませんが」

「四人が人間国から勇者と言われてました」

「だけど私たちはあいつらを許さないの」

「あの子を傷つけた異世界者を許すことができない」

精霊王は彼女たちの言葉に驚きました。中立で基本的に外と関わらない彼女たちに許さないと言う言葉を言わせた異世界者。そして彼女たちが言った【あの子】。どうやら半年ほどで色々あったらしい。そしてふともう一つの疑問を彼女たちに投げかけた。

「もう一つ、あの問題児はどうしたのだ?」

今まで感じられたあの精霊の魔力が感じられない。あの封印は弱まっていたが、まだあの力では封印を破るのは無理なはず。

「フィロスはあの子と旅にでたよ」

「契約精霊として」

「あの優しき心を持つ子と一緒に」

またもや精霊王は驚いた。

「まさかあのフィロスが契約したのか?誰だ?」

妖精フェアリーたちはピタリと動きを止める。精霊王が首を傾げ、手の上の妖精フェアリーを見た。彼女たちは俯いていたが精霊王の顔色をうかがうように上を向いた。

「怒らない?」

「私たちがしたこと」

「たとえ許されることじゃないけど」

「後悔はしたくなかったの」

「・・・約束しよう。かわいい私の娘たちよ。話してくれないか?」

彼女たちがポツリポツリと話し始めた。


「あの子と会ったのはたまたまだったの」

「だけどね、ずっと見ているうちにあの子を助けたあげたいって思ったの」

「あの子はずっと傷つけられていた」

「そして裏切られた」

「あの子は異世界者」

「だけど巻き込まれただけ」

「だから力がなかった」

「だからあの国の罠に嵌められ、一緒にいた四人の異世界者に信じて貰えず、殺された」

「殺された?」

「うん、殺されて願ったの」

「あの子の心が輝きを失わずに、願った思い」

「何を願った?」


「血の繋がりがなくても信じてくれる家族がほしい」


「そうあの子が願ったの」

「だからあの石とフィロスと私たちは力を貸した」




精霊王は呆然とした。

聞くとその異世界者は巻き込まれて、力がなくて、罠に嵌められ、信じてもらえず、最後には殺された。

そんなことをされたらいくら人間族ヒュームでなくとも、恨み、怒り、復讐を誓うだろう。

しかし最後に願ったのは家族と世界。

しかも、妖精フェアリーたちとあのフィロスの心を動かし、あの石にさえ選ばれた異世界者。

精霊王はその異世界者に会ってみたくなった。


「気にすることはない。お前たちが後悔していないのであればそれでよい」

彼女たちの心、目、耳を疑っているわけではない。しかし、自分自身がその異世界者に会わなければならないという意識が強い。会って確かめなければならない。


「その者は、今何処に向かっている?」

「今はあの遺跡を抜けて、国境を越えていると思います」

「あの遺跡をも攻略したか」

ならばなおさら会わなければならない。

「その者の名はなんだ?」



「あの子の名前はヒカゲ・アカツキです」



次は人間国を書きたい。


ヒカゲたち、もう少し待っててください!

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