第二十三幕 国境の外へ
二十三幕目・・・( ´ ▽ ` )ノ
なんとか書けました…>_<…
これからもう少し早くします
「ヒカゲ様方、門が見えてきましたよ」
そう言われたヒカゲたちは門の方を見たが、そこには長い行列が出来ていた。ウルアは少し手前にトルボータートスの手綱を引き、馬車を止めて後ろに並んでいるウルアと同じ商人らしき人に聞いた。(ちなみにトルボータートスは亀みたいな姿をしているのに走ると馬より早かった)
「どうしたんですか?」
「何でもグロールア国王からの命令で“月の髪で左右違う色の目を持つ者を見つけたら、連れて来るように”っていわれたらしいぜ」
「月の髪で左右違う色の目?」
ウルアはもう一人だけしか頭に浮かばなかった。
「しかし月の髪なんてそうそういないのに、なんでこだわるかね?」
「さ、さぁ?」
ウルアは礼を言って自分の馬車に戻り、
「どうしたんだ?」
「ヒカゲ様、あっしと会う前に何かしやしたか?」
「何かって?」
「なんでもいいです、何かやりやせんでしたか?」
しかしヒカゲは首を傾げると
「ヒカゲ、あいつらを捕まえたことじゃねぇか?」
「あぁ、そうか」
「何したんすか?」
「この子を助けるためにちょっと締め上げただけだ」
「それがなんかの拍子にばれちまったんだな」
「どうしやしょうか」
「仕方ない」
そう言うとヒカゲはティナを背負って、馬車を降りる。
「フィロス」
「どうした?」
ヒカゲは門の上を指差す。
「この上には何も障壁になるものはないか?」
「あぁ、魔法は何も感じない」
「そうか。フィロスはウルアと一緒に門を通っていてくれ。依頼だしな、誰かがいなきゃいけない」
「構わねぇが、どうすんだ?」
「少し離れるから門の近くで待っててくれ」
「分かったよ」
ヒカゲはそのまま壁に沿って歩いて行った。
「大丈夫ですかね?」
「あいつなら気にするな。絶対大丈夫だからよ」
フィロスは真っ直ぐウルアを見て隣のほうに座った。
「ずいぶん信用していやすね。どれくらい一緒にいらっしゃるんですか?」
「あ?まだ数日ぐらいだぞ」
「数日⁈」
「あぁ、それにてめぇは一つ間違ってる。」
「?」
「いいか、信用ってのは互いに利害関係があるから使う言葉だ。俺があいつに持ってるのは絶対的な信頼と家族愛とその他諸々だ。履き違えるな、てめぇも感じんだろ?あいつ、ヒカゲの雰囲気に」
ウルアはじっとフィロスを見ていたが、肩を落とした。
「単なる、嫉妬なんですよ」
「嫉妬?」
「あの方、ヒカゲ様とこれからも一緒に旅をなさるでしょ?あっしはセントラルに着いたら、もうお別れですから」
フィロスは黙ってる。
「だからあの方と少しでもいることが出来るように護衛を頼みやした。すいやせん」
「おい」
ウルアはフィロスのほうを向く。
「確かに俺たちはこれからも旅をする。てめぇとは一緒に行けねぇ」
「・・・」
「だが、あいつは悲しいものを抱えている、普通ね人間族だ。だから後で聞いてみりゃあいい」
「聞く?」
「あぁ、あいつなら必ず応えてくれるぞ」
「それはどういう、」
しかしそれを聞く前にフィロスは見えなくなってしまった。もともとフィロスは精霊族なため、自分の意思で隠れることができる。ウルアはキョロキョロと周りを見たが、出てこなかったので諦めて順番通り門を潜った。幸いウルア以外乗っていなかったため、すぐに審問が終わることが出来た。
門を潜って少し前を見ると、ヒカゲとティナが草の上に座っていた。
「え?」
「遅かったな。そんなに混んでいたか」
「てぃなはぱぱといっぱいあそんだよ!」
「そうか、良かったじゃねぇか」
いつの間にかフィロスも姿を現し、ほのぼのとし始めた。ウルアだけ置いてけぼり。
「どうした?」
「え、どうやって・・・」
「壁を登った、というより駆け上がった」
ウルアはついていけず、しばらく固まったままだった。
今回、やっと門を潜れた
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