第十四幕 新たな力
十四幕目。
夜更新できなくてすみませんm(_ _)m
「真眼使い?」
前にステータスを見たとき、ハテナがあったところに新しい文字が書いてあった。
「どうした?」
ヒカゲはフィロスに自分のステータスを見せた。
「真眼使い?なんだそりゃ?」
「異名の方に【真実を暴く者】って書いてあるが」
「俺もこんな職業は初めてだ。今はわからねぇが、後でわかるはずだ。今は上に行くぞ」
「そうだな。進んでいけば何かがわかるはず」
二人は四階に進んだ。
四階もまた一階のように迷路になっていた。
「また、一階と似たようなもんか」
フィロスが進もうと床石の一面に足をつけたとき、突然ヒカゲがフィロスの服を引っ張り、フィロスは後ろによろけた。
「何しやがる!」
フィロスが文句を言おうとヒカゲの方を向いた。
ドスッドスッドスッ
何かがフィロスの近くの壁に刺さった音が聞こえ、音の方を見ると壁から飛び出した槍が左右に刺さっていた。
「びっくりした。いきなりフィロスがあの赤くなっている床石に足を置いたから見えなかったのかと、急いで引っ張ってしまった。すまない」
「赤く?」
フィロスがその床石を見るが他の色と変わらず、ヒカゲの言っていることがわからなかった。
「赤くなっているだろ、その石。だから何かあると分かっていたんだが、」
「赤くなってないぞ」
ヒカゲは何を言ってるんだと首を傾げていると、フィロスはあることを思い出した。
「お前ちょっと手で左目隠してみろよ」
ヒカゲは言われた通り手で左目を隠す。
「そこだけ赤く見えるか?」
「いや、他にもポツポツと赤くなっているぞ」
「今度は右目を隠してみろよ」
次にヒカゲは右目を隠した。するとまたもや首を傾げた。
「あれ、普通だ」
そこにあったのは赤い色などついていないただの石だった。
「なるほど。どうやらお前の鑑定眼にはLevelが一定にたすとその【真実を暴く者】、つまり罠とかの偽っている部分が赤くなるらしいな」
「ようするに、本物か偽物かわかるってことか」
「簡単に言うとそういうことになる」
フィロスは壁にもたれかかる。
「あ、そこは、」
ガコッ
「「・・・」」
壁の石がへこみ、ガラガラと後ろの床が次々と崩れ落ちていた。二人は急いで走り出した。
「フィロス、聞いてもいいか?」
「なんだ?」
「魔法でこういった嘘を見抜くことは出来ないのか?」
「基本的には無理だ。しかもここの仕掛けは魔法を一切使わずに罠を仕掛けている。だから余計わかりにくい」
「そうなのか」
そんな緊張感がない会話を続けている内になんとか床崩れには巻き込まれなかった。
「とりあえず俺が教えて進んでいくから気をつけてくれ」
「待て、そこは」
ガコン ゴロゴロッ
「あ」
「岩が転がってきた」
「砕くぞ」
ボカンッ パラパラ
「すまねぇ」
「気をつけて」
「ここは何もないな?」
「いや、あるぞ」
ガキンッ ゴゴゴ
「やべっ、壁が狭まってくる」
「走るぞ」
「今度は気をつけ、」
ギギギッ ガラガラ
「落とし穴だな」
「微風!」
パラパラッ コロコロ
「危ねぇ」
「・・・そうだな」
「凄いな、こんな古典的な罠をたくさん残してくれるとは。しかしもっと凄いのは」
ヒカゲはしゃがみこんでいるフィロスに近寄る。
「何で、全部、俺だけ、罠に当たんだ⁈」
「ほんと、俺の右目余り必要なかったな」
そうヒカゲが右目を使っていても、なぜか必ずフィロスが当たる。多分今通って来た道にある全ての罠を発動させただろう。フィロスは項垂れた。
「魔法が関わってんなら少しくらい分かるんだが、こんな誰かの手だけで作られ、しかもこんな古い手を使ってくると思わなかった」
ヒカゲは心配そうに見ていたが、内心では
(もしかして魔法以外が関わってくるとダメになるタイプか)
などと以外に失礼なことを考えていたヒカゲだった。
「これからは魔法で少し自分を浮かしたらどうだ?」
「・・・前はしてたんだが、まだお前が慣れてねぇと思ってやめてたんだが」
「俺のことは大丈夫だから、気にするな」
「そうか」
それからフィロスは身体を風で浮かしながら進んで行った。
(優しいんだが、いつも不器用なだけか)
フィロスの後ろ姿を見てヒカゲは少し笑ったが、すぐに無表情に戻った。
それから進んで行ったが、フィロスが歩かないことにより罠に引っかかることはなくなった。
「・・・初めからそうすれば良かったんじゃないか?」
「・・・すまねぇ」
「別に俺は楽しかったからいいけど」
二人はついに階段を見つけ登って行った。
フィロスは魔法以外余り得意ではありません。
そんなフィロスを見て、フィロスの新たな一面を見れて嬉しかったヒカゲだったりする。