第十二幕 初めての遺跡と力加減
こんばんは、十二幕目です。
フィロスが簡単な魔法使います。
ヒカゲの好きなもの(?)が出ます。
中は光が閉ざされ薄暗く、松明が点々と足元を照らしかろうじて見える程度だった。道は広々としていて、床や壁には爪の跡や古いからか崩れかけているところも多く見え隠れしていた。
「またこいつぁ古めかしいっつうかぼろぼろっつうか、こんな所に本当にあんのか?」
フィロスがヒカゲの方へ振り返ると、ヒカゲが今までにないくらい目が輝いていた。
顔は無表情だが、目をキラキラと輝かせ、あちこちをキョロキョロと忙しなく動いて見ていた。
「・・・おい、」
フィロスは思わずヒカゲに声をかける。ヒカゲはピタリと動きを止めた。
「なんだ?」
「お前もしかして、好きなのか?こういった 、なんて言うか歴史が残っている感じのやつ」
ヒカゲは少し考え、答えた。
「そうだな、好きだよ。だってステキじゃないか。昔作ったものがこうしてそのまま残り、しっかりと今も受け継がれている。俺は本でしか読んだことがなかったからな。初めてのことにワクワクしている」
「そうか」
「他にもこういった遺跡はあるのか?」
「あるだろうな。この世界の歴史はとてつもなく長いからな」
「そうか。やはり家族がいて旅をすることは新たな世界を見ることなんだな」
ヒカゲはそう言ってフィロスと奥へ進んでいった。
まず一階は迷路のような感じで特に何もなかった。
問題は二階目からだった。
「すごいな。あれは何だ?」
「あいつらはゴブリンだ。バカでそんなに強くないが何せ数が多い。面倒な魔物だ」
部屋には肌が緑色の小さな魔物たちによって埋め尽くされていた。
「確かに多いな。ざっと100はいる。」
「まぁ、お前の力がどの程度か知るにはいいだろう。とりあえず床を落とすように殴って見ろよ」
ヒカゲはフィロスの言う通り床を殴ってみた。
バキッ ガラガラッ ドカーンッ ベシャッ
「「「「ギーーーー‼︎‼︎」」」」
「フィロス」
「何だ?」
「俺は普通に殴った」
「そうか」
「・・・」
二人の前にあった部屋とゴブリンたちはいなくなった。
正確には部屋の床が崩れ落ち、ゴブリンたちはそれに巻き込まれ下敷きになった。
「で、向こうに行くにはどうすればいい?」
「足で蹴って跳ぶのはどうだ?」
「それでさっきみたいになったらどうする?まだコントロールというかコツが掴めない」
「仕方ねぇ、《微風よ》」
するとヒカゲとフィロスの体がフワッと浮き上がり、次の階に向かう階段の前に着いた。
「それは魔法か?」
「あぁ、風の初期魔法だ。弱い風でゆっくり簡単なものなら運ぶことができる」
「すごいな。初めて見て感動した」
「魔法なら俺がカバーしてやるから、早くコツを掴めよ」
「分かった。すまない、助かる」
二人はこうして上の階を目指していった。
Levelのことを書きたかった・・・。
遺跡は今回初めてなのであまり多くしないです。