第十幕 与えられた力と遺跡
十幕目。
主人公の体力、防御、スピード、あと職業変えました。
「さて、こいつも泣き止んだことだし」
「言うな」
「綺麗だったよ」
「ちょっと、かわいかった」
「嬉しそうだった」
「それ以上言うとそいつがって待て待て逃げるな」
逃げ出そうとするヒカゲを捕まえるフィロス。しばらくして落ち着くとフィロスが説明し始めた。
「まず身体能力が上がっているのは分かったな」
「あぁ。相変わらず魔力が全くないのは別に構わないが体力、防御、スピードが上がり過ぎていて、どれだけ力がついたか全然実感が湧かない」
「まぁ、後で試せばいい。次に俺を右眼で見て“ステータス”って念じてみろ」
ヒカゲは右眼でフィロスをじっと見て念じた。
《ステータス》
フィロス
Level : 189
体力 : A
魔力 : プラチナ
防御 : A
スピード : A
属性 : 全
職業 : 旅人
能力 : 移し身
異名 : 恐れられた精霊、限界を越えた者、強き心を持つ者、鋭き者、不器用、暖かみを知ったもの、契約精霊、護り人、ヒカゲの家族
「もしかして、相手のステータスがわかる?」
「そうだ。仲間でなくとも見ることができるみたいだぜ」
「すごいな」
「まぁ、面白いっちゃ面白いな」
「あと、この不老者っていうのは?」
「それは簡単に言うと年を取らないってことだ。おそらく俺たちの力と石の力が混ざっちまったからだろ。ま、不老なだけだから普通に怪我もするし、致命傷を受ければ死ぬ。老いじゃ死なないだけだ」
「なるほど。あと、これはなんだ?」
「ん?」
ヒカゲは能力と異名の方にあるハテナの所を見せる。
「なんだこりゃ?」
「フィロスも分からないか?」
「ああ、俺もしらねぇ。Level上げればわかんじゃねえか?」
「だが、Levelを上げるところなんて・・・」
すると、妖精たちが集まって矢印になった。
「あるよ」
「Levelを上げられて」
「地上に行ける場所」
ヒカゲは彼女たちの言葉に耳を傾けた。
「そこはなんていう場所なんだ」
「封印されし隠された遺跡って言う場所」
「そこの最後の階に何かを封印して隠してあるからそう呼んでる」
「だけどそこにたどり着くには、たくさんの罠とか魔物とかいっぱいいる」
「最後の階にもBOSSって言って、そこを守ってる強い魔物がいるの」
フィロスはその話に納得していた。
「確かにヒカゲの力も試せるし、Levelも上がる。その何かも気になるし、いいな」
「なら早速そこに、」
「待て」
すぐに行こうとするヒカゲをフィロスが止める。ヒカゲは不思議そうに見上げる。
「あのな、お前はまだ完全に怪我が治ってねぇし、生き返ってまだ日が浅い。せめてその怪我を直してから行くべきだ」
ヒカゲは自分の体のことをすっかり忘れていた。フィロスの言い分がもっともだし、彼女たちもまだ行ってほしくないようようで、いやいやとヒカゲの服を掴んで(?)た。
ヒカゲはもう暫くゆっくりすることにした。
ちょっと主人公最強か悩んできました。
いや、主人公最強にしたいけど周りが目立ってきてしまうかもしれない。
主人公、頑張ってほしい。
守られてほしいけど、戦ってほしい。