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第九幕 石についてと契約

九幕目。

今回は妖精フェアリーが出てきません。

なんとか妖精フェアリーたちが離れたあと、フィロスが話を切り出した。

「まず自分のステータスを見てみろ」

ヒカゲは言われた通り、ステータスをみた。



ヒカゲ・アカツキ


Level : 1

体力 : S

魔力 : 透明

防御 : A

スピード : S

属性 : 無

職業 : 冒険家、⁇使い、旅人

能力 : 鑑定眼ピラクルティア

異名 : 元・異世界者、巻き込まれた者、生き返りし者、優しき心、精霊契約者、妖精フェアリーの加護を受けし者、不老者、見透かす者、⁇に⁇する者



「これは・・・」

「まずその石についてだが、俺がドジ踏んで人間族ヒュームに捕まり、俺が封印された古代の道具・鑑定する眼、通称・鑑定眼ピラクルティアだ。そいつを扱うにはその石に選ばれたければならない。もし、無理矢理選ばれていないやつが無理矢理使うと石が呪い殺す。だが、選ばれたヤツには石が色々力を分け与えてくれるって訳だ。で、その模様は、」

青年は右手の甲を見せる。そこには石と同じ模様が描かれていた。

「それはテメェが寝てる間に俺と契約しといた」

「契約?」

「もう一度自己紹介しといてやる。俺はフィロス。テメェの契約精霊になった精霊族プロセーオだ。契約精霊は自分が認めた相手に自分だけの模様を相手に渡すことだ。そうすることにより、精霊族プロセーオが契約を解消しない限りパートナーとすることが出来るって訳だ」

「俺の姿が変わったのは?」

「それは先ず、石を右目に埋め込んで、俺とアイツらの力を分けたことにより一度死んだお前を暁月日影として生き返ったのではなく、ヒカゲ・アカツキとしてこの世界で生き返えらせたからだ。流石に石も死んだ奴をそのまま生き返らせるなんて禁忌を犯す訳にはいかなかった訳だ。」

「なるほど。だいたいのことは分かった。」

「だが契約はあくまで仮だ。あとはお前が俺の名を呼んでこの手をとり、もう一度願いを言えばいい。」

フィロスは立ち上がり、模様が描かれている手をヒカゲの前に差し出した。

「どうする?この手をとるか、とらないか、テメェ次第だぜ」

ヒカゲは手をのばしたが、その手をとるかとらないかで少し迷っていた。

どんなに冷静な人でも身近な人から裏切られれば悲しいし、戸惑う。ヒカゲはどんな形であれ、あの四人とは強い心で結ばれていたハズだったのに、信じてもらえず、あまつさえ殺された。普通だったらもう恨みに恨みまくったり、自分の運命を嘆いたりしても良いはずなのにここに来てからヒカゲはそのことを一切することをしない。分かっていても心は偽ることが出来ず、下を向く。

自分なんかが、

「自分なんかがって考えるんじゃねぇぞ」

ヒカゲはフィロスの方を見た。

「俺のことがわからないなら教えてやる。俺のことが信じられないなら信じるまでいてやる。俺はお前より遥かに長く生きてきた。まだまだ時間は山ほどある。俺はどんな時でもお前を信じて力を貸す。今まで我慢してきたんなら、これからは暁月日影としてではなく、ヒカゲ・アカツキとして誰にも縛られることなく自分が思うように生きればいい。だから・・・」






「俺がまず一人目の家族になってやる。そんで世界を見にいこうじゃねぇか」





ポロポロッ

ヒカゲの左眼から何かが流れる。

今までずっと諦めてきた。

どんなに理不尽なことでも、痛くても、悲しくても仕方ないと思っていた。

彼らと一緒にいたが、それだけで助けてくれなかった。

これが俺の生き方なんだって、そう思ってた。


本当はいつも、心は悲鳴を上げていた。

信じて欲しかった。助けて欲しかった。

自分はいつまでも一人だと諦めていたのに。



だけど目の前に、周りに俺を信じてくれた人がいた。

彼女たちは俺のことを助けようと、彼を呼んで力を分けてくれた。

彼も助けてくれて、力を分けてくれて、契約してくれようとしている。



今まで一人だった。諦めていた。仕方ないと思った。

だけど今は一人じゃない。ヒカゲ・アカツキとして自由にしていいと、家族になろうといってくれた。




ヒカゲはしっかりとフィロスを見て、今度こそ手を掴んだ。


「フィロス、俺はこの世界を、色んな国を見てまわりたい。だから、」


「家族になって一緒に旅をしてくれ」

フィロスはニヤリと笑い、頷いた。

「もちろんだ」








ヒカゲが生きてきて我慢してた願い。

もう一生叶わないと思っていた。

家族も暖かさも世界も、手に入れることも自由に生きることも出来ないと思っていた。



この世界でヒカゲは、生まれて初めて本当の涙を流し、心の底から笑うことが出来た。





傲慢な監督により、舞台から降ろされた不幸な役者。

しかし役者は新たな舞台に立つ。

そこに監督なんていない。

役者自身が自由に言葉を、動きを決めることができる舞台。


さぁ、彼らは一体どんな劇を見せてくれるのだろうか?

すみません。

夜は書けるかわかりません。

ごめんなさいm(_ _)m

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