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ハンターギルドって!

ボチボチ進みます。

そういえば、無双系が人気みたいですね。



 俺がこの世界に来た翌日、なぜだか街で一番偉い人と会う事になっていた。


「なぁ、ルグリスさん。俺は何で此処に座ってるんですか?」


 俺は徐に左斜め前で立っているルグリスさんに聞いてみた。


「そりゃ、俺が連れてきたからだろ」


 朝からルグリスさんに予定を変えて行く所があると連れて来られたのは領主館だった。

 俺が宿で朝食を食べながらミルさんに料理を二三日教えて欲しいとお願いしていたら、いきなりやって来て「すぐ来い」「早くしろ」とか言い出すから慌ただしく準備したら速攻で連れて来られた。

 領主館の応接室の様な感じの部屋に通された俺は今、ソファーに座り一組の男女と向かい合っている。


「私はアルファス・ディ・サンディール、領主をしている。アルファスと呼んでくれ。

 若輩者だが一応街の全権を仕切らせて貰ってる。

 この子はイリス、私の妹で君が助けてくれた子だ」


 向かい合っている二人は領主というアルファスさんとその妹で昨日の謎人物だったイリスちゃんと言うらしい。


 アルファスさんは二十代前半かな?

 緑髪に緑眼で180㎝くらいでスラッとした体格、タキシードの様な服装で如何にも紳士といったイケメンさんだ。

 一方イリスちゃんは十代中頃くらいかな?

 銀髪に翠の眼で150㎝くらいの小柄な感じで青い(鮮やかなスカイブルー)ワンピースだから凄く可愛らしい。

 まだ成長出来ると思うが御胸様も期待させるDはあるな。


「……先ずは、君が何者か聞いてもいいかな?」


 アルファスさんの言葉に自分の思考を切り替え俺はどこまで自分の事を話すか、と言う事を考える。

 この世界の人間ではない事を完全に隠す事は無理だと思っている。そんな事をすれば、信用してもらえないだろう。だから、自分が別の世界から来た事だけは話しておいた方が良い、そう考えた。


「最初に俺はこの街、この国、更にはこの世界の者ではありません。

 俺は別の世界からこの世界に来たことになります。

 そして今、自分の世界に戻る事が出来ないでいるのです」


 アルファスさんは俺の目をじっと見つめる。

 俺は、まるで心の奥底まで見抜かれる様な感覚に襲われていたが、それでも目を逸らす事はしなかった。

 どれ程の時間そうしていただろうか。

 不意にアルファスさんは視線を緩めて微笑んだ。

 それを見て、俺の緊張も緩む。


「それでは、これからどうするつもりかな?

 別の世界から来たと言う事は、何かしらの目的なり理由なりがあるのかい?」


「それが、気づいたらこの世界にいて……。

 正直、どうやってここに来たのかも分からないんです。だから、どうするのか、と聞かれても……」


 俺は少し俯きながら言った。


「……なら、この街で働いてみるかい?

 君が元の世界に戻る術を探すにしても、そうでないにしても、この世界の知識も必要だろう」


 確かに、アルファスさんの言う通りだ。

 それは俺も十分に分かっていた。

 本来なら、俺の方から言いたかった事を相手の方から言ってくれたのだ。


「さて、話を変えよう。今日は妹を助けて貰ったお礼を、と思って来て貰ったのは伝わってるかな?」


「あ、はい。聞いてます」


「そうか、お礼と言っても私個人からだから大した物ではないが、これでどうだろう」


「え~っと、これはなんですか?」


 テーブルに出されたのは一枚のコインだ。それは黄金に華美な模様が施されたコイン。


「君の世界には同じ様な物はないのかな?

 これは、私たちの世界では金貨と呼ばれる物でそこそこ価値が有る硬貨だよ。通貨と言えば解るかな?」


「通貨ですか…。通貨と言うなら単位としてどのくらいなんですか?」


 地球の通貨には様々な単位がある、円、ドル、ユーロ等それこそ国の数だけあると言ってもいい程だろうか。


「単位?金貨は金貨だよ?

 君の居た世界ではお金に名前を付けていたのかい?」


「はい。例えば、俺が居た国は円と言う通貨で別の国ではドルと言う違う通貨を使っていたんです」


「ほ~。私達は銅貨、銀貨、金貨、白金貨、王金貨という分け方をしているんだよ」


 通貨の話になって俺にとっていろいろ聞けた事はよかった。

 銅貨に始まり十枚で大銅貨

 大銅貨が十枚で銀貨

 銀貨が十枚で大銀貨

 大銀貨が十枚で金貨

 金貨からは百枚で白金貨

 白金貨が百枚で王金貨

 と言う事だそうだ。この街を含む人族の国々ではこれ以外は使わないと言う。


「ではこの硬貨は使えますか?」


 流れでゴールド(ゲームマネー)を見せた。アルファスさんが言うにはこれが王金貨らしい、どうやらゴールドも使えるようだ。


「つまり俺はお金に困らない事は解りました。俺としては言葉を、人族語っていう言葉を覚えたいですね」


「そうか、言語を習いたいと、なら誰かいるかな?ランジェル」


 ランジェルさんとは此処でメイド長兼秘書として働いている人らしい。

 今はテーブルの脇に立ってる。青い髪に濃紺のヴィクトリアンメイド風の服装にホワイトブリムとエプロンをした女性だ。

 しかしミルさんといいランジェルさんといいこの世界の女性は御胸様が素晴らしい女性ひとが多いのかご立派なところが俺の視線を引き付ける。

 ランジェルさんは少し思案すると


「そうですね、カエデさんが良いと思います。私も彼女から他種族語を学びましたので」


「そうだね、ならハンターギルドに依頼しよう。セイジくんへのお礼という事で」


「畏まりました。直ぐに依頼書をお作りします」


 アルファスさんとやり取りしてそう言うとランジェルさんは部屋を出ていく。

 それを見てアルファスさんはルグリスさんに


「では、依頼書を持っていくのはルグにお願いするよ、後セイジくんを案内してあげてほしい」


「解った、一応その予定だったんだがな…」


 と言ってルグリスさんは頭を掻いた。


「じゃあセイジくん、あまり役に立たなかったが今後困ったらいつでも相談しに来てくれ」


 アルファスさんがそう言って部屋を後にするとルグリスさんが話を振ってきた。


「ランジェルが依頼書を持ってきたら朝食でも食べに行くか」


 俺はソファーから立ち上がり答える。


「そうしましょう、俺もお腹空きました。

 それで…彼女はなんでじっと俺を見ているんですか?」


「あ~まぁ、気にするな。今日はお嬢も一緒に行くから気になるんだろ」


 ルグリスさんがお嬢と呼んだ俺を見続けていたのはイリスちゃんだ。

 二人が何やら人族語で話しているとランジェルさんが依頼書を持ってきた。ルグリスさんがそれを受け取り俺に声をかけた。


「よし!俺の行き付けに連れていってやる」


「それは楽しみです…っと。ランジェルさん両替って出来ないですか?」


 俺は街を仕切る此処ならお金を細かく出来るだろうと思ってランジェルさんに聞いてみたが…


「両替、ですか?ここでいきなりは用意が出来ないのでハンターギルドでして貰う事をお勧め致しますよ」


 ランジェルさん曰く、両替は街の各ギルドと領主館で行っている事が主流だそうだ。今回は急な事だったが普段は前もって両替の申請をして置くものらしい。


「セイジ!!行くぜ」


「あ、はい。では、もう行きます。ありがとうございました」


「はい。お気をつけて」


 俺は頭を下げるとランジェルさんも頭を下げてくれた。

 俺達は領主館を出て広い通りの交わる所、街の中心地に来た。


「それで、何処に行くんですか?」


「そこだ」


 指された中心地から南に見える一軒の建物を見ると建物の前?道にはみ出る様にオープンテラスが目に入った


「へ~、オープンテラスですか」


「なんだ知ってるのか?この街では此処にしか無いんだぜ。

 へぇ~、オープンテラスって言うのか」


「あ~、前に居た所で見たことあるんですよ。でもこれは通行の邪魔じゃないですか?」


「これくらいなんともないだろ」


 たしかに道にはみ出てると言っても道の広さは日本の四車線くらいの為気になる程ではないが、まるでバスが停まってるくらいの広さを占拠してるのだ。


「yar fall」


「yar luge」


 中に入ると青い髪の女性が出迎えてくれる。

 やはりこの女性も例に漏れずというか一番大きく見えるJはあるなと思ってしまう大きさだ。


「morning sir set」


「OK!!」


 ルグリスさんがメニューを注文して三人でオープンテラスのテーブルを囲む。

 どうもイリスちゃんがいると疎外感を与えてしまうんじゃと思って話が出てこない。


 暫くして青い髪の女性が来て料理を並べながらルグリスさんやイリスちゃんと言葉を交わすと


「セイジ、彼女はファルーノってんだ」


 ファルーノさんが笑顔で右手を差し出してきたので握手すると再び料理を並べはじめた。

 なんかの焼肉にサラダとパンだが昨夜のと違い、肉は薄味で適度な香辛料が肉の味を引き立たせてる、サラダも新鮮でパンも柔らかい。

 日本の料理と比べたら劣ってしまうが肉好きの俺には充分満足出来る内容だ。

 食事も終わり一息ついて


「さて、ハンターギルドに向かうか」


「わかりました」


 俺達はハンターギルドに向かう事にした。

 ギルドは街の南西側らしく、食堂から大通りを南に少し行き二車線くらいの広さの通りを西に進んだ所にあった。それは見たことある看板が掛けてある建物で剣と杖が交わった絵だった。


「ここがハンターギルドだ」


「へ~、冒険者ギルドに似てますね」


「もう案内しねぇぞ」


 なぜかルグリスさんは俺の返事を聞いてむくれてしまった。

 おっさんがむくれても可愛くないのでやめて欲しい。

 ギルドの中は一見すれば広い居酒屋や食堂の様な感じでテーブルがいくつか並んでいる、奥に掲示板みたいな貼り紙がしてある物と酒場カウンターの隣に受付のカウンターがあり女性が三人でやってるようだ。

 二階への階段があるけど今は関係無いと言われた為その先は解らない。


「yar kaede 」


「あらルグ、珍しいわね。今日はどうしたの?」


「ちょっと依頼を頼みにな」


 そう言ってルグリスさんは赤い髪の女性に依頼書を渡す、カエデという女性は暫く眺めた後、俺に声をかけた。


「あなたがセイジくん?」


「あ、はい」


「これからよろしくね。セイジ君に教える事になる楓よ、いつから始めたい?」


 カエデさんは赤髪を後ろで結い上げた160㎝くらいの人で他の女性陣と同じ鮮やかな緑色の服を纏った人だ。御胸様はそこそこなのかCと思われる。


「よろしくお願いします。今日からでも始めたいですね」


「I wont to leern ogrest canverlation.」

(私も鬼人語を習いたいです)


 突然俺の後ろにいたイリスちゃんがいい放った言葉に俺はびっくりしてルグリスさんは呆れ顔に手を当て楓さんは目をぱちくりした。

 ルグリスさんがイリスちゃんに何やら話はじめた。

 俺はこの間にと楓さんに話し掛けた


「え~っと、楓さん両替をお願いしたいんですが…」


「あ、はい。いいですよ」


 俺はポーチから王金貨を取りだしカエデさんの前に置いた。


「あら、王金貨なんて珍しい。

 手数料に銀貨一枚を頂きますがよろしいですか?」


「はい、わかりました。後、お金の預りとかってやってますか?」


「お金を預かる事はしてません、色々とトラブルの元に成りますので…」


 どうやらゲームの冒険者ギルドとは異なって銀行的な役割は無いらしい。


「そうですか…わかりました」


「では少しお待ち下さいね」


 楓さんは奥に入って行ったがルグリスさんとイリスちゃんは話続けてる…

 二人は仲がいいんだろうな、何言ってるのか解んないけど。


「お待たせしました。白金貨99枚と黄金貨99枚に大銀貨9枚、銀貨8枚、大銅貨9枚に銅貨10枚になります」


「ありがとうございます」


 黄金貨というのは白金貨と金貨を同時に扱う時の金貨の呼び方らしい。

 ちょっとヂャラヂャラするけどしょうがないな。差し出された硬貨をポーチに入れてるとルグリスさんがカエデさんに話し掛けた。


「楓、悪いがお嬢にも言葉を学ばせてくれないか」


「いいわよ。じゃあ二人はお昼過ぎたら此処に来てくれる?」


「わかりました」


 楓さんは微笑んで予定を入れてくれた。

 イリスちゃんはルグリスさんに説明して貰っているんだろう、コクコク頷いてる。

 俺達はハンターギルドを後にして昼まで街を見て回った。

 防具屋や武器屋等ファンタジー色の店もあれば食料品店や衣料品店等一般的な店もあったりしたので商品なんかをルグリスさんに説明してもらった。

 とりあえず、生活に必要な物はゆっくり揃えればいい、今は生きる為に言葉を覚える方が先だから…

 この世界では昼飯を食べる習慣が無いようで食堂のランチも無い。ルグリスさんとイリスちゃんにせっかく昼過ぎなんだからと説得してファルーノさんの食堂でランチを食べてハンターギルドに戻った。


「Now, lot mer bigin、では始めましょう」


 ハンターギルドの奥にある部屋に通された俺とイリスちゃんに楓さんがそう言って微笑んだ。


 さぁ、異世界の生活を始めよう。


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