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あれ?どうした?これ

二話目です。ありがとうございます。




 草原の中央で俺は立ち竦んでいた。


「え~っと…

 どうしてこうなったのかな…

 街の中から開始だったはずだけど…

 それに完全ソロって言ってたよな…


 はぁ~…」









 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

遡る事数時間。







 4月某日

 俺の住んでいた所は田園風景豊かで長閑な町だった。

 家というより屋敷と言っていいかなり広い家に一人で住んでいる。

 父の実家で裏山まで含めると東京ドーム2~3個分くらいある敷地にある木造家屋で8LDKだ。

 両親は東京都で法関係の仕事をしているが俺が高校を卒業してからは実家を俺に譲って戻って来ない。連絡くらいはしてるが。

 高校の時から出不精というか半引きこもりという生活を続けるくらい仕事以外では外出しないで庭や山で野菜等を育て自給自足に近い生活をしながらゲームやパソコン等をする日々を送っていた。



 その日も俺はゲームセンターにある搭乗型のゲーム機くらいあるVRマシンを起動するとすぐに入り込んでセットアップを始める。

 機内でキーボードとスイッチを操作して、アーク社のサイトにつなぐ。

 アーク社は〈ワールドクエスト〉を開発した複合型ゲーム会社だ。

 既存の大手ゲーム会社4社が一部複合して作られたワールドクエストの為の会社と言っていいだろう。


    【ワールドクエスト】

 最近サービスが開始されたMMORPGで現在のVRマシンの機能を駆使された五感を完全再現したゲームだ。

 謳い文句は『視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚の完全再現!五感を研ぎ澄まし六感で判断しろ!』だそうだ。

 昔からあるジョブチェンジシステムを採用してさらに生産職等をサブクラスにする事でゲーム内で色んな事を出来るようにしてあるらしい。

 HPの概念を無くし致命傷となる怪我を受けたり出血や服毒等によってデッドエンド、つまり限りなく現実に近く作られたゲームらしい。

 もちろん、それを実際に肉体にフィードバックしたら場合によっては現実的に死を招く事も起こる為、緊急リンク解除システムというものがVRマシンの第一世代中期から組み込まれてる。

 というのも、第一世代初期のVRマシンに対応するゲームが発売されてからかなりの人が亡くなった為で、ゲーム会社から〈リンク強度を上げてプレイされると肉体に悪影響があるためリンクは低く設定して下さい〉と注意してあるにもかかわらず多数の人がリンク強度を上げてプレイした為である。

 第一世代初期のVRマシンとは有り体に言えば『大人の遊戯』の為に開発された物のためその感覚を余すことなく肉体に反映するようにしてある、それをアクションゲーム等に用いたらゲーム内のキャラクターが感じた事を余すことなく肉体に反映してしまうのだ。


 さて、VRマシンの事はこれくらいとして。

 ワールドクエストは剣と魔術、いわゆるファンタジーの世界でモンスター等と戦ってレベルを上げて強くなるゲームだ。

 剣だけでなく槍、斧、杖、弓等色んな武器がある武器の種類だけ技の種類もある。

 〔技〕はただで使える訳ではない、体内に宿る気力〈SP〉を使う事で技の事象を起こす事ができるが中には武器の種類を限定する技や職業を限定する技もある。

 また魔術も多彩で大きく〔属性魔術〕と〔聖霊魔術〕に分かれる。

 属性魔術とは体内に存在するMP〈魔力〉を使う術で、聖霊魔術とは世界に存在する魔素〈魔力素〉と呼ばれる力を使う術である。

 属性魔術には火、水、風、土、光、闇の属性がある。聖霊魔術は今のところメーカーが秘匿している、シークレットジョブである聖霊使いを解放できれば公開するらしい。


 俺は時計を確認してゲームデータのダウンロードを初める。

 ほとんどのデータは世界に189台ある専用サーバで管理してあるため基本的なデータとシステムのダウンロードが終わると本人認証の画面が出る、認証に必要となるのは身分証と身体データであるため免許証をスキャンする。読み取りが終わると身体スキャンが始まる、10分程で終わり時計を見ると13時17分だった。


「よし!始めるか…」



 俺はバイザーのスイッチを入れてネットワークに入る。アーク社のサイトはエントランス状になっているようだ、一階部分には扉が一つと二階への階段、二階部分には扉が二つという造りのようだ。

 俺は一階の扉、〈ワールドクエスト〉と上部に標示されている扉をくぐる。

 視界が光に包まれ白が溢れると最初に目に入り込んだのは キャラ設定画面だった。

 いつもと同じキャラ名を入力、同じ名前が使われて無いか重複確認する…

 画面に使用可能の文字を確認して種族、誕生日、と決めていく…

 ワールドクエストで使われる種族は〈人族〉〈魔人族〉〈獣人族〉〈鬼人族〉〈龍人族〉〈エルフ族〉〈ドワーフ族〉だ。


 性別が無いことが疑問だったが終わると職業設定と初期ステータス設定、初期スキル設定に入る。


 開始時にメインとなる職業を5種類から一つ選べる、固定職の〈冒険者〉を別にして〈ファイター〉〈ソルジャー〉〈ハンターシーフ〉〈治癒術使〉〈魔術使〉の5種類だ、サブ職業も10種類の中から開始時に一つ選ぶ事が出来る。


 初期ステータス設定は、70ポイントを〈筋力〉〈知性〉〈体力〉〈守力〉〈瞬発力〉〈器用さ〉〈精神力〉に好きに割り当てる事ができる様だ。


 初期スキル設定の説明の為、〈冒険者〉を説明すると固定職の冒険者はスキルを持たない代わりに他の職業からスキルを学ぶ事ができる、つまり冒険者は自分の好きなスキルを組み合わせて個人の自由にキャラメイクできる職業なのだ。

 その設定を最初に6つまでできる。


「まず、メインはファイターがいいよな、今回は知り合いも居ないしソロでの時も考えて。

 サブは…後で決めるとしてスキルを6つか、危険探知と索敵、識別は欲しいな後、3つ…」


 今までのゲームでも盗賊系のスキルが好きだった俺は迷わず3つのスキルを決めて残りは生産系のスキルにしようと迷う…

 五分程して


「やっぱり戦闘メインで行くかな…

 鍛冶と採掘、投擲にしよう!

 サブは錬金師でいいだろ。

 味覚まであるって話だから調理も欲しかったけど…

 後で調理師を取るか」


 キャラ設定を終えると画面が切り替わり 一人の女性が目の前に現れる。



《本日はワールドクエストにご登録ありがとうございます。

 ご案内させて頂きます沙夜と申します。

 キャラ設定の後は質問タイムになります答えによっては外見や性別、ステータスに影響のある質問も有りますのできちんとお答え下さい》


 神仕の様な服を纏った紫髪の美しい女性が説明する、が…。


 グラフィックだからと言えばどうでもいいんだけど、眦が下がったたれ目にふっくらと言うよりプリッって感じの上より下が大きめの唇。なんか18禁アニメに出てくるビッチ女が澄ましてる顔してるなぁと思う。


《ここからは音声認識入力となりますキーボード等は画面外か削除をお願いします》


 俺は黙って従い操作する


《音声認識入力を確認しました。

 では質問タイムを開始します。


 あなたの性別はどれですか?

 A、男性

 B、女性

 C、雌雄同体

 D、どれでもない》


 最初の質問は性別に関する事にAとBは妥当としてCとDは多様なニーズに配慮する返答なんだろうと考えながら答える。


「A、男性」


《かしこまりました。次の質問です。

 あなたが好きな食べ物は何ですか?

 A、ご飯

 B、パン

 C、お菓子

 D、それ以外》


 ゲーム的に関係無いと思われる質問にこういう質問も必要なのかと考えながら答える。


「D、それ以外」


《では追加質問になります。

 あなたが好きな食べ物は何ですか?

 A、肉

 B、野菜

 C、調味料

 D、それ以外》


 食べ物と言っていいのか不思議な答が含まれる事に噴き出しそうになるがマヨラー等の事を考えて少し納得しながら人間、肉と野菜があれば生きていける事を体現している為そのまま答える。


「A、肉」


《かしこまりました。次の質問です。…》


 それから、何に関係するのかしないのか、どうでもいいような重要なそんな質問が十問くらい続いて…


《かしこまりました。次の質問です。

 あなたが求める幸せとはどんなものですか?

 A、豪邸を建てて豪遊する事

 B、一般的でも大切な人達と普通に暮らす事

 C、波乱に満ちた人生をおくる事

 D、孤独と共に混沌とした人生をおくる事》


「B、一般的でも大切な人達と普通に暮らす事」


 俺は即答で返した。

 俺にとってこの質問の答えは必ず決まっている。


《かしこまりました。では最後の質問です。

 あなたが求める未来とはどんなものですか?

 A、光溢れる、輝かしい未来

 B、闇満ちる、禍々しい未来

 C、光も闇も無い、混沌とした未来

 D、光も闇も混沌すらない、無の未来》


 俺は考えた。

 ゲーム的にはAかBがいい気がする、しかしCやDは能力的にプラスに成りそうである。


(ウ~ン…)


 俺が悩みぬいて出した答えは…




「A、光溢れる、輝かしい未来」


《かしこまりました。質問は以上で終了です。

 ではワールドイン致します》


 空間がフェードインして真っ白になるとファンファーレがなる。



《おめでとうございます。

 あなたが第10億人目のご登録者様です》


「ほへぇ~…」


《記念すべき10億人目であるセイジ様には特典が有ります》


「おお!」


 特典と聞いて期待してしまう。


《一つ目は初期アイテムの増加になります。


 二つ目は初期資金の増加になります。

 こちらは一度アイテム配布となりましてゲーム内でカードアイテムを使用されますとゴールド変換される事になりますのでゴールドがリミットであります1億Gを超える時に使用されますと超過分は消えてしまいますのでご注意下さい。》


 このくらいは納得出来る特典である。

特典と言っても大したことない感じだろうと説明に頷く。


《三つ目は豪華にゆったり、のんびりゲームを一人で満喫サービスとなります《》


「は?」


 この時は俺も間抜けな顔で自分の耳を疑った。


《セイジ様には、

 別チャンネルにてワールドクエストをお一人でゆったり、のんびり楽しんで頂きます。

 頑張って下さいね!!》


「いや…意味わかんないんだけど…」


《ちなみに、チャンネルの移動や会話等は不可能となりますので、煩わしい事は何も無いですよ》


 紗夜は頭の上に???と浮かんでそうな俺を無視して拙速に進める。


《では、ゲームスタートです。

 頑張って下さいね》


 紗夜が言うと俺の視界がフェードアウトしはじめる。


「ちょっ、MMOだよね?一人なの?…」


 俺が言葉を言い終わる前に視界はブラックアウトしてしまう。

 次に視界に入ってきたのは広大な草原だった。




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




 暗闇の中、ビッチ顔の沙弥が微笑を浮かべながら呟く


「貴方にはどんな未来を描いて貰えるのかしら…」






 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

       初期ステータス

キャラ名〈セイジ〉

性別  〈♂〉

ベースレベル 1

職業〇〈冒険者〉  LV1

   〈ファイター〉LV1

サブ職業〈錬金術師〉


能力値〈筋力〉 13  

   〈知性〉 13

   〈体力〉 11

   〈守力〉 11 

   〈瞬発力〉 9

   〈器用さ〉11 

   〈精神力〉 9

ボーナスポイント 0


自由スキル〈危険探知〉〈索敵〉〈識別〉

     〈鍛冶〉〈採掘〉〈投擲〉


装備   〈無し〉

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