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魔物に襲われた村!/赤髪の魔術師

今回は珍しく連投してみました。

次のお話も宜しくお願いします。

後、《赤髪の魔術師》は最初端役だったレールがなんか食い込んで来たので付け足したお話です。


 取り敢えず、俺とレールで分担出来ればいいな。


「レールはルグリスさん、知ってる?」

「誰?それ」


「じゃあ、カエデさんは?」

「あ~、ギルドの受付」


「OK!じゃあカエデさんに、この事を説明して応援を呼んできて」


「私がぁ?」

「そうだよ!」

「あんたは?」


「俺は村から着るものを探して戻る」

「う~ん…」


 何やらこっちを見ながら思案している。


「どうした?不満でも?」


「いや、逆は無いのかな?って思って。私は村の場所判るし」


「お前の魔力がどのくらい残っているか判らないけど、それであのゴブリンの中に一人で突っ込む?」


 俺は言いながら洞窟の方を指差した。


「うっ!…やだぁ」

「だろ?。とにかく、その村を教えてくれ。……そうそう、彼女達の食べ物も買って来てくれ」


「え~。私お金持って無いわよ」


 レールに続いて村に向かう。


 しかし貧乏人だなコイツ。

 あ~、ゴブリンに襲われた時に無くしたって事か?

 俺はポーチから金貨一枚を取り出しレールに渡した。


「それで適当に買って」


「流石、お金持ち~!」


 レールは俺を茶化した後で、俺を真顔で見詰めてきた。


「どうした?」


「あんたって、すっごいバカ?それともバカなくらいお人好しなの?」


 失礼だな、コイツ!面と向かって言われるとムカつくぞ。


「バカバカ、言うな。流石に失礼だと思わないのか?」


「私って、あんたから王金貨巻き上げた一人って解ってる?これ持って逃げる事も出来るのよ?」


 そういえばコイツ、俺から金を巻き上げたメンバーの一人だったな。あれだけのゴブリンを相手にした時からすっかり忘れてた。

 まぁ、その事は街に戻ってからでも何とかなるかな?と思うからいいだろう。


「信じている!」


「はぁ?あんたって『信じているから、大丈夫だろ?』……。はぁ、解った!解りましたわよ!……。(まったく)」


 レールは呆れた様に肩を竦めた。


「ほら、そこが村だった所よ」


 どうやらレールと話をしていたら村に着いた様だ。

 荒らされた畑、半壊や全壊した家屋、村人だったろう死体、死体、死体。

 所々壊れている木製の柵に囲まれた村だった場所は目を背けたくなる状況になっていて、正しく村だったと表現するのがいいだろう。


「じゃあ、私は行くわね」

「あ、あぁ。頼んだ」


 レールは、街に続いているという道を走って行った。

 俺は村の状況に、少しばかり動揺していた様だ。流石にこれは酷い。

 俺は意を決して、村に歩を進めた。


 俺を出迎えたのは、酷い臭気だった。動物は同族の死に敏感だというが、つい数日でこんなにも臭うものだろうか?言葉に出来ない臭いに吐き気がしてくる。

 半壊している家屋を覗き込む、村人だったろう影は見当たらない。中?に入り物色するが着るものは見当たらない。

 う~ん、着るものすらゴブリンは持っていくのだろうか?


 三件目を物色した時、漸く服らしい物を見つけた。服と思うが破れたりで辛うじて服の原型を成している感じだ。

 半壊した家屋からはそれくらいだったので、全壊している家屋を漁り始めた。


 大体物色した頃には、五着の着るものを見付ける事に成功していた。一つは辛うじて服と言える程度だがマシだろう。

 レールに着るものも一緒に言っとけば良かった、と後悔するが後の祭りだ。

 最後に村の入り口で、着るものを拝借する事のお礼をかねて、手を合わせ冥福を祈る。一分程、黙祷した後、洞窟の方に向かう。


 洞窟の入り口に着いた俺は、少しばかり困惑した。ゴブリンが十匹程、入り口付近にたむろしているのだ。

 おそらく、俺達が洞窟から出た為、探しに出てきたのだろう。

 しかし斥候の件もある。倒しきれず一匹でも逃がし、増援がワラワラと出てくるって事も考えると、迂闊に手を出せない。


 考えた末、俺は自分が落とされた穴に向かう事にした。


 洞窟のエリアマップを思い出しながら、森を進むと見覚えのあるロープが見えた。

 結構登って来たが、どうやら此処に間違いない様だ。

 改めて穴を覗き込む、中は暗く底のヒカリ苔の明かりも見えない。


 その時だった、僅かに金属のぶつかる音が聞こえた。

 俺は周囲に視線を配るが、人や魔物の気配は無さそうだ。

 耳に集中して、音を探す。金属音は下から聞こえてきた。

 俺は即座に穴の中に入って行った。



─────────────────



 私の名はレール。

 レール・ハシュテット、ある商家の長女だ。

 私はハンターという所謂いわゆる魔物退治を生業とした仕事をしている。


 幼い頃から本を読むことが好きだった私は弟が出来た為か、五歳の時に魔術学校に入れられ。

 十歳の時に弟に店を継がせる為、学校を卒業したら貴族に嫁ぐようにと言われた。

 最初は私も、それが私の人生なのだと思っていた。


 十三歳の時、聖王学園に行く事となり偶々、その貴族とやらを目にする事になった。

 一目見た、一瞬に私の身体は鳥肌に包まれた。


 大体の娘の十三歳といえば、もう経験している娘もいるくらいだ。

 私は何故か良い人が居なくそういう経験はなかったが、みんなの話を聞いていればどういう事をするのかは解る。

 “それ”をあの男とすると思うと鳥肌が立ってくる。


 十五歳の時、学校を卒業するというその日の朝。

 私は先生から予め渡されたロッドを持ち、普段着の上に前以て買っておいたローブを羽織り、ハンターをやって貯めた路銀を持ち、学校がある街を出た。


 西に向かうと聖王国、北の方は私の故郷に近い、南は商業国の為父と遭うかもしれない。

 私は仕方なく、東の東方公国に赴いた。

 公国は死の森に近く、強力な魔物がいるとハンターの先輩が言っていた。

 私の様な駆け出しと呼べるハンターが行っても、余り稼げないらしいけどこの場合何とかするしかない。


 公国の端、もっとも死の森から離れた街イーストレイル。

 此処に着いて一年が経ち、私の生活も何とか出来る感じになった頃、私はカルマと出会った。


 カルマは何故か裕福で、食事代も宿代も全てカルマが出すからパーティーを組まないか?と言ってきた。

 カルマとラダ。前衛が二人も居れば、私の魔術もゆとりを持って使える。その上、報酬が生活で消える事も無い。私は速答で頷いていた。


 私は週に二回程の狩りと、二回程カルマに言われた場所で睡眠の魔術を使うだけで、一年前の倍近い収入を貰い始めた。


 ハッキリ言うと、私がしている事が善からぬ事と判っている。

 解っていて判っている…けど、私の新しい生活はとても楽しかった。

 僅かな仕事で毎日が楽できる。

 周りから白い目で見られ、宿も貧民街に近い宿に変わらざるを得なくなっても、私はカルマ達と一緒にいた。


 その生活に終わりが来る、その日がきた。


「今度、大仕事をしたら。魔術王国の方に行くぞ!」


 カルマが言ってきたのは、今この街にいる一人の少年から王金貨を巻き上げて魔術王国に逃げる話だった。

 今まで私にハッキリ言わなかった“巻き上げる”という言葉を使い、私も共犯なのだと解らせる感じで。


 私達は手際よく少年を拉致し、北の森に向かった。南は集落があるが、北の村は先日ゴブリンに襲われ壊滅していた為だ。


 少年は気が付いてからも抵抗はしなかった。

 出来なかったのかも知れないが、カルマを睨む程度だった。

 しかし、カルマは少年との約束を破った。正確には破った様な感じだった。私はやり過ぎだとカルマに言ったが、カルマは聞く耳を持たなかった。

 寧ろ私に、だったら一人で探せと言って来る程だった。


 流石に一人残り少年を探す事は私には出来なかった、私はカルマ達と街に向かった。

 話ではゴブリンが近くに何百といるのだ、一人で退治出来る数ではない。


 しかし、街への帰路中ゴブリンが襲ってきた。それも十や二十じゃない、優に百を超えていたかもしれない。

 必死に戦った。

 …が、私の魔力が無くなり魔術が使えなくなると、カルマは私を蹴り倒しラダと街に走って行った。

 私はゴブリンに囲まれ、必死な抵抗も虚しく拐われた。


 私は盟約の女神に見放されたのだろうと思った。

 父との約束を破り、先生との約束も破り、少年の約束も破った感じになった。私はゴブリンの繁殖の為に衰弱して逝くのだろう。


 そして、私の生活をやり直す、あの瞬間がやって来る。

読んで頂きありがとうございました。

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