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数の強さ、質の強さ!

仕事の方が忙しい月です。

がんばって書いて行きます。ヨロシクお願いします。



 朝七時頃になると一番若い子も含めて全員が起きてきた。


「俺は今日も食べ物を見付けに行ってきます。ルインとミレイルが守ってくれると思うので、皆さんはじっとしていて下さい。それと、ゴブリンが居るので今日か明日には街の人が討伐に来るかも知れません。もうしばらくの辛抱です」


 皆は街の人が来ると言った所でパッと顔が誇らんだ様だ。もちろん食べ物を探す事はするが、街に行ければルグリスさんに言って来てもらうつもりだ。


「さて、レール。行くか」


「ハイハイ。あんたが言ってた事は何となく解ったわよ。結構使い勝手がいいわね」


 俺が昨夜レールに言ったのはゲームでいう所の《魔力弾》(マジックショット)だ。ウィザードロッドの固有スキルで、MP消費が少なく詠唱を必要としないのが利点だ。威力は無いが…。

 それに治癒術師でも使える所もいい。俺もミルさん所の宿屋で試したので解っている。


「俺が前衛、お前は後衛。当然だが前に出て対処出来なくなったら知らんぞ」

「解ってるわよ!」


「俺の後ろにいる間は守ってやる」


「………。見捨てないわよね」

「俺はあんな奴等とは違うさ」


 俺とレールは出入口に向かう。


「ルイン、ミレイル。今日はこれを置いとくから、無いと思うけど隙間から入って来たら倒せばいいよ」


「私達の為に大事な物をありがとうございます」


 ルインとミレイルが同時に頭を下げる。

 そこまで大事って事はないんだが、まぁお礼を言ってくれるのは嬉しい。

 昨日の感じなら安全地が無くてもやっていけるだろうし。

 マップで敵が何匹かを確認する。


「右に三匹、左が二匹。昨日より随分少ないな…。レール、出たら左の二匹を頼む。俺は右の三匹を倒す」


「任せなさい!」


 自信満々で返事しているが、捕まった奴がなに言っているんだか。


 俺とレールが通路に出ると右にいた三匹は直ぐに気が付き向かってきた。

 俺は近付き、抜剣と同時に一匹を横凪ぎに切り裂く。一匹が左から斬りかかってくる、俺はそれを左手の籠手で受け流す。防御膜のお陰で問題にもならない。体勢が崩れた所を袈裟懸けに切り裂く。続けて最後の一匹も難なく倒してレールを見ると既に終わっていた。


「結構余裕あるんだな」


「あったり前でしょ!ゴブリン程度で苦戦するハンターは居ないわよ」


「そのゴブリン“程度”に捕まった奴が言うセリフじゃないな」

「なっ!」

「文句は聞きたくない。行くぞ」


「……ハイハイ」


 ゴブリンと言って侮るのは頂けない。どうやら昨日の様にはいかないかもしれない、ゴブリンの武器が棒状の物から鉄製の剣に変わっている。

 単に武器が違うゴブリンだったのか、武器を持ち変えたのか。後者だったら今回はちょっとした事が大怪我に繋がる。

 安全に布団を持って行く事も出来るが、俺のちっさな意地?プライド?がそれをする事を辞めさせる。

 代わりに俺は職業をファイターにして革の盾を装備する。


「あんたってホイホイ色んな物を持ち出すけど、魔力は大丈夫なの?」


「あぁ、俺のは物なんだ。お前達が言った空間収納魔術なんかじゃない。もちろん俺が死んでどうなるかなんて判らねぇぞ」


「そうなんだ。一々、私を苛めないでよ」


 俺達が話をしながら昨日と違う通路を進んでいると、俺のマップに敵のマークが見えた。

 俺はレールに壁に寄るように伝えて、T字路になっている角から覗く。

 ゴブリンが五匹此方にやって来ている。このまま放っといても見付かるのは確実だろう。


「ゴブリン五匹、俺が……」


 更に、もう一つの通路から五匹が来ている事に気付いた。


「ちっ!レールはあっちから来ているゴブリンを頼む。俺は此方を倒す」


「ハイハイ、解ったわよ。自分で守ってやる、とか言っておいて前に出してんじゃん」


「文句言うなよ。囲まれるよりはマシだろう」


 俺は角から出るとゴブリンに向かって走り寄る。

 ゴブリン達は直ぐに気が付き向かって来る。

 即座に剣を抜き斬り付ける、ゴブリンがそれを躱し俺に斬りかかる。


 こんな事もあるさ。

 どんなに回避率を上げても、敵の命中率が二%を下回る事がない様に。

 命中率をどんなに上げても此方の命中率が九十八%を上回る事がない。

 それがゲームとしての俺の性能だ。


 俺は直ぐに盾を構え、ゴブリンの剣を受け止める。


「シールド・チャージ!」


 受け止めると同時にゴブリンを突き飛ばす。飛ばされたゴブリンは二匹のゴブリンまで巻き込み百メートルくらい飛んでいった。レベルが上がるとかなり違うな。

 俺は残りの二匹に斬りかかる。一匹、二匹と斬り倒し、倒れている二匹を斬り付ける。

 ?たしか五匹いたはずだ。

 俺が四匹を倒して一匹足りない事に気付いた時にはそのゴブリンは通路の奥の方に逃げて行った所だった。

 

 レールの方に目を向けると、残り二匹に斬りかかられている。逃げたゴブリンには思う所もあるが、今はレールの方が先決だろう。

 俺はレールとゴブリンの間に走り込むと即座にゴブリンの持つ剣を切り払う。そこにレールのマジックショットが一匹に突き刺さる。俺はもう一匹を返す剣で斬り付ける。


「大丈夫だったか?悪かった「早く追って!一匹逃げたから!」…な?

 逃げたならいいんじゃないか?俺の方も一匹逃げたし」


「はぁ?バカじゃないの!〈斥候〉(スカウター)よ!直ぐに仲間を連れて戻って来るわよ!」

「なんでゴブリン程度が斥候とか出来るんだよ!」


「出来るんだから出来るのよ!あんたが“程度”とか舐めてるから知らないんでしょ!」


 俺とレールが言い合っているとマップの端から敵が来ている事に気付いた。ゴブリンだろう。

 ゴブリンは途切れる事なく増えていき、先程のゴブリンが逃げた通路の両方を埋め尽くしていく。そして俺達の目の前まで迫ってきた。


「戦うぞ!」

「当たり前でしょ!」


「壁を背にしろ。

 うおらぁぁ!こいやぁぁ!(ヘイト・ハウリング)」


 俺はレールに壁際に行くよう指示しそれを守るように立つと、ヘイト・ハウリングでゴブリンの注意を引き付ける。


「いいか!お前はゴブリンを倒す事だけやってくれ!ソード・ウエイブ!」

「解ってるわよ!」


 俺のソードウエイブとレールのマジック・ショットが別々の方向にいるゴブリンに突き刺さる。

 俺のソード・ウエイブもLV5に上げている為か、衝撃波と言うより剣閃と言う感じになっている。


 次々に襲い掛かってくるゴブリンを盾で吹き飛ばしたり、剣で斬り付けたりと、息つく暇もない。

 もう五十匹くらい倒していると思うが、レールに至っては七十いや八十くらいは倒しているだろう。

 その性かレールに向かっていくゴブリンが出てくる。

 恐らく味方を殺される事で敵愾心が向上しているんだと思う。それを俺が度々ヘイト・ハウリングで此方に向けるが、倒す度倒す度にペースが早くなっている。

 レールのマジック・ショットのペースも心なしか早くなっている気もするが、気のせいだろう。


「レール!残り魔力は?」

「まだまだ。イケるわよ!」


 俺の問い掛けにマジック・ショットを放ちながら返してくる。


「俺の方はヤバイんだけど!」


 ぶっちゃけヘイト・ハウリングの消費SPが半端ない。

 これって本当はもうちょっと上がってから取るスキルだったのだろう。


「ちょっと!あんたが殺られたら私はどうなると思ってんの!」


「良くてまた捕まってヤられるか、最悪俺と一緒に殺られるか…だな」


「どっちも最悪じゃない!」


 どっちにしろ、俺が死んだ後の事までは責任を持てない。仕方ないが賭けに出るしかないかも。


「レール、俺が合図したら左の通路にお前の一番強いと思う魔術を撃てるか?」


「いいけど?理由を聞いても?」


「その先、曲がった先が出口“かも”しれないから」


「それって、出口じゃなかったら?」


「逃げ道無くコイツらと戦い続ける事になるだろう…な!」


「どっちにしろ、今よりはマシみたいね!ちょっとコイツらの相手してて」


 レールはそう言うと詠唱を始めた。

 俺はゴブリンを倒しながら、先程上がったハンターシーフのスキルを取得する。


「我、我が力の源、その眷族の王に誓う。我と王とが力もて、薙ぎし骸の力捧げん事を」


 ハンターシーフのスキル《雷鳴走》(ライメイソウ)を取得しレールの準備を待つ。結構長い詠唱に大技の期待に心踊る。


「誓う、我と王とが力もて、我が前を塞ぎし輩を駆逐せん事を。我が力の源、その眷族の王、サラマンドラ!」


 レールが持つウィザードロッドが紅く輝き始める。


「イケるわよ!」


 俺はレールの言葉と同時に剣を鞘に入れポーチに突っ込むと、レールに駆け寄りつつ声を掛ける。


「やれ!」

「《終焉の業火》(フレイム・エンドワールド)!」


 レールの掛け声と共に、通路の先が猛火に包まれる。俺は直ぐにレールを担ぎ上げ、猛火の奥に狙いを定めるとスキルを発動させる。


「わきゃぁ!」

「じっとしてろよ。《雷鳴走》!」


 レールを担いだ俺は滑る様に炎の中に突っ込む。俺は炎の熱さを感じないが、ゴブリン達は消える様に燃え尽きている。跡形もなくとは正にこの事をいうだろう。

 炎を抜けると直ぐに曲がり角だ。

 俺が左を見ると、出口があった。直ぐに光がさす出口に狙いを定め、再びスキルを発動させる。


「《雷鳴走》!」


 再び俺の身体は滑る様に走り出し、瞬く間に洞窟の出入口にたどり着く。

 俺は辺りを見回し、目に入った藪の奥に身を隠した。


「ずいぶん慣れてるわね」


「敵に見付からない事は、潜伏ゲーの基本だからな」


 なんの事か解らないという感じで首を傾げるレールを放っといて、洞窟の出入口を見ているとゴブリンがワラワラと出てくる。

 暫く…五分くらいだが経つとゴブリン達は一様に洞窟の中に戻り始めた。俺はポーチから剣を取り出すと藪を迂回してゴブリンに接近、その首に向け剣を振るう。

 まるでプリンにスプーンを入れたような、なんの手応えも無く俺の剣はゴブリンの首を通過する。直ぐに二匹目三匹目と倒した時、一匹目がドサリと地面に倒れた音がして、慌てて近くの岩影に隠れた。

 が、残りのゴブリン達は何事もなかった様に洞窟の中に入って行った。


「ふぅ、取り敢えずは外に出られたな」


 俺が一息つくと、レールが近づいてきた。


「何が出られたな、よ!バカかと思ったわ。態々見付かりに出て、何がしたかったのよ」


「何って少しでも減らしといた方が後々楽だろ?」


「三匹減らしたくらいで何が変わるのかしらね」


 一々口煩い奴だ。


「まぁいいや。レール、近くに村とか無いの?」


「在るには在るけど、たぶん誰も居ないわよ。確かゴブリンに襲われた村だったはずだから」


 そういえばそんな話だったから討伐するって事だったな。それならそこは女性達が居た村って事か?

 どうしよう。その村で着るものを探すか、街へ行って食べ物を持って来るついでに誰か、ルグリスさんとかに説明して来てもらうか……。


読んで頂きありがとうございました。

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