プロローグみたいな?
はじめまして。
最初に目を止めて頂いてありがとうございます。
改訂しました。
半年以上悪魔が住み着いていました、スイマセン
聖王暦870年
その世界は絶望と悲しみにつつまれていた。
命ある者は絶望し、生きている者は悲しみに身を委ねていた。
闇の物とされる魔物が大地を跋扈し邪なる神の従者が人々を蹂躙していく。
人々の最後の砦にまでその魔の手がのびてきて、人々は最後の時を迎えようとしていた…。その時だった。
月の巫女と呼ばれる七人の少女が悲しみにくれる。
種族の長たる七人の王帝が叫び。
邪なる神の従者、その最たる七人の邪王が吼える。
世界を見守る二人の女神は再び迎えるこの瞬間に涙した。
「また、この刻が来てしまいました」
「再び、人々は繰り返すのね」
「マーヤ」「サーヤ」
二人の女神は見守り続ける。
繰り返す人々の…生物達の生きる日々を。
マーヤという女神が告げる。
「始まるわ」
世界の刻はその瞬間、凍りつく様に停止する。
最後の刻を迎えようとしていた人々はその姿を消していく。状況は人々だけに止まらず、邪なる神の従者達にも伝播してその姿を消していく。
そして…、世界から全ての生物がその姿を消した…。
サーヤという女神が呟く。
「また繰り返すのね。この人々が、世界の生き物達が暮らした200年を」
サーヤの呟きにマーヤが返す。
「ええ、全ての生物が200年前の邪神の配下が世界を蹂躙しかけたあの刻の後に」
二人の女神は天を仰ぎ見る。
暗転している大空には巨大な紋章陣が輝き、光の帯が世界を包む様に伸びている。
「今回も同じ結末を向かえてしまいました。私達にはやはりこの結末を変える事は無理なのでしょうか…」
マーヤが自身の力の無さを吐露する。
「あの御方が来れば世界の理は変わるのでしょう…。しかし、それではこの世界の根幹たる事象全てが変わってしまいます」
サーヤは可能性を示唆しながらその上で逡巡すると、マーヤもそれに同意した。
「私達の存在すらも…。ですね」
世界に遍く光の帯は次第にその姿を光の粒に変えていく。大地には消えてしまった生物達が姿を現している。
消えてしまった人々と違う姿をした人形の存在に光の粒子は一つ、また一つ、と吸い込まれていく。
そして、光の粒を取り込んだ人形は意識を覚醒し目を覚ましていく。
「では、マーヤ。私は次の勇者を探しに行きます」
「ええ、その間の事はいつも通り私が」
「次の勇者には頑張って貰いましょう」
そう言うとサーヤという女神は姿を消してマーヤという女神だけが残った。
眼下に広がる大地には蹂躙された土地建物が姿を残し、再び復原され大地を踏みしめる人々が自らの住みかを復興しようとしている。
「既に何十回もの刻を繰り返している。あの御方が施した陣の力もいつまで続くか判らない。私達に出来るのは私達の力の理に既定される事だけ。この結末を変える事は出来ない…。勇者の…異なる力の存在に託す以外に方法は」
マーヤは何か出来ないかと俯き思案するが、自分一人では何も出来ないと思い首を振る。
再び天を仰ぎ紋章陣が無くなった事を確認したマーヤは人々が歩き出した大地を一度だけ見詰めた後、マントを翻してその姿を消した。
読んで頂きありがとうございます。
まだ悪魔は追い払えていませんが頑張って行こうと思っています。
どうかよろしくお願いいたします。