星にねがいを
これは一回掲載欄に上げたものです。
しかし完結処理を忘れていたので一旦消去
再掲載しました
むかしむかしのお話です。
世界じゅうの人たちは、ながれ星を見つけると、心の中でねがいごとをしました。
それはおとぎばなしのように語られてきましたが、ほんとうはちょっとちがうのです。
これは、とてもひみつのお話、あなただけに教えましょう。
ずっと昔、神さまが世界をのぞいてみると、人々はとても悲しそうで、心がくらくなっていました。
「これはあまりにもかわいそうだ」
神さまはそう思いました。
でも神さまは、数えきれないほどの星を見守らなければなりません。
その星に住む人々の数は、もっともっと多いのです。
だから神さまひとりでは、とても手が足りませんでした。
そこで神さまは天使のひとりを呼びました。
「セラフィン、こちらへおいで」
セラフィンは、神さまに仕えるたくさんの天使の中でも、とてもすぐれた天使でした。
「はい、神さま。なんでしょうか?」
神さまは言いました。
「この世界の人々には、悲しみが多すぎる」
セラフィンが世界を見てみると、ほんとうに人々の心は悲しみに染まっていて、空が赤く見えるほどでした。
「神さまのおっしゃる通りです」
神さまはうなずいて続けました。
「人間たちは悲しみをへらしたくて、光るものにねがいをかけている。けれど、そのねがいが多すぎて、星の光が黒く見えてしまうのだ」
セラフィンは考えて言いました。
「では、星をもっとふやしましょうか?」
神さまは試してみました。けれど、星をどんどんふやすと、空はまっ白になり、やがてすべてが消えてしまいました。
「人々のねがいを全部かなえるには、星が増えすぎてしまう」
そこでセラフィンは新しい考えを出しました。
「星の光をつけたり消したりして、光っているときだけねがいをかけられるようにしてはどうでしょう?」
神さまはおもしろそうにうなずきました。
「なるほど。光っているときに星を見た人だけが、ねがいをかけられるのだな」
けれど、星の光をつけたり消したりするのは、とても大変な仕事でした。
天使たちが力を合わせても、星はチカチカと小さく瞬くだけ。
セラフィンはつかれて神さまの前に戻り、しょんぼりと言いました。
「ごめんなさい神さま。私たちにはこれが精いっぱいでした」
神さまが空を見ると、星々はチカチカと瞬いていました。
「なるほど…それなら、このままにしておこう」
こうして星は、夜空でチカチカと光るようになりました。
――ところがそのとき、神さまは空に小さな天使を見つけました。
名前はリューズ。力が弱くて、何もできない天使でした。
リューズは星になりそこねた小さな石を、おはじきのように弾いて遊んでいました。
すると石がぶつかり合い、地上に落ちていくと、きらきら燃えて流れ星になったのです。
神さまは手を打って言いました。
「そうだリューズ!お前はずっとおはじきをしていなさい。人々はその流れ星にねがいをかければよいのだ」
リューズはよく分からないまま、ずっとおはじきを続けました。
石がぶつかり、落ちていくたびに、夜空に流れ星が生まれました。
それから人々は、流れ星が流れるたびにねがいをかけるようになったのです。
流れ星への願い、あなたならどんな願いを掛けるのでしょうね




