俺くんは国際交流委員2「無意識無罪」
彼女たちは何やら相談を始めた。
この時俺は、人生で初めて途方に暮れた。
そうして、途方に暮れた俺は、いつのまにかボーっと美少女の胸元を見てしまった。
自己主張が激しいそこには、俺のまだ知らない未知の世界が広がっていた。
そんなステキなところに、ついつい目が行ってしまう俺。
高校1年男子。
無意識です。
無意識は、無罪だよね?
俺が胸を眺めている(あくまでも無意識)ことに気づい美少女の雰囲気は、一瞬で変わった。
鋭く睨みながら、ストールを両手でにぎり、自分の胸の前でしっかり交差させている。
これは困った。
どーしよう。
俺を疑っている。
明らかに俺は疑われている。
エロいヤローと。
無意識です!
無罪です!
彼女のそれは、芸術的ですらあった。
そんなステキなモノが、俺の目の前にある!
残念なことに、今は隠されているが!
それはちょうどいい大きさだった。
それってどれくらい?って聞かれても、うまく答えることはできないのだが。
好みは、人それぞれだ。
俺の視線に気づいた彼女は、俺が、胸に見とれていると判断した。
しかし、その時俺は、ボーっとしていただけだった。
見ているよーな、いないよーな、不思議な感覚。
彼女たちを助けてあげたい思いと、目前の魅力的なものへの憧れとの、甘美な交錯。
ところで諸君。
我々男子が持つ、女性のその部分に対する情報収集能力を、決して侮ってはならない。
それを敏感に察知する能力が、高校生男子には備わっている。
神よ!
我に特異な能力を与えたもう神よ!
ありがとう!
美を愛でることのすばらしさを、あなたは私に教えてくださいました。
私はいま、感動しています。
その存在の得難さ、美しさへの感動です。
続けよう。
彼女のそれは、俺のパーソナルスペースを無視し、常に侵略の意志を示していた。
しかしこの時、俺に対抗する術はない。
仕方ない。見守ろう。
見守ろうではないか。
彼女の戦略を!
それでさ、見守ってたじゃん。
それなのに、そんなに睨まなくてもいいよね。
言いがかりというものだ。
ホント、困るな~。
そもそも女性のそれって、なぜそこにあるの?
だって、目の前じゃん。
どーしたって、目に入るじゃん。
見ちゃうよね。
みんなも見ちゃうでしょ?
神の仕業である。
神のイタズラである。
イタズラな神さま、ステキです。
諸君!
その存在によって、これまでどれほどの物語が生まれたことか!
笑いと感動が、そして涙が、女性のそれから生まれたのだ。
いろんなものがすべて詰まっているのが、女性の胸もとなのだ!
そっと支えてあげたくなる。
いつの間にか、支えてあげてしまっている人がいる。
捕まる。
犯罪者である。
俺に犯罪を擁護する気はまったくない。
しかし、その支えてあげたい気持ちはわからんでもない。
もし、許されるのならば、ぜひ支えたい。
あーそーか。
支えてもいーよ、と許されるまでは、支えてはいけないものなのだ。
女性の許し(赦し)が必要だ。
諸君!
その日が来るまで、待とうではないか。
女性のそれについて、これほどまでに熱く語る俺。
そう、それは、愛情以外の何ものでもない!
だから俺は、これからもこの愛を貫く覚悟である。
たとえ他人から後ろ指を指されようと!
女性の胸もとについて、神さままで登場させてしまった俺。
大丈夫?