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迷宮(ラビリンス)③

今回の作品は、他の方の作品と、極力被らない様に、オリジナルティーを重視して、書き上げて参ります。

予定では、かなりの長編になる予定ですので、読み応えがあれば良いなぁと、思う次第です。

少しでも、多くの方に、読んで頂ければ、ありがたいです。

誤字脱字等、あると思いますので、ご指摘もお願い致します。

プリム無双の日から、ルーシュは、定期的に、プリムを連れて、迷宮(ラビリンス)を訪れる様になった。

プリムの為ではあるが、屋敷と使用人の安全の為でもある。

別に、休みのたびに、迷宮(ラビリンス)を訪れてる訳ではない。ルーシュも休みたい日はあるので、あくまで、()()()()訪れている。


プリムの成長(大きさは、変わらない)は、めざましく、既に、5階層の階層主(ボス)も、単独で、撃破している。

そして、現在は、7階層を探索中。

プリムの成長は、喜ばしい事だが、毎回、血塗れの竜(ブラッティドラゴン)になるのは、悩ましい事だった。

そして、7階層にもなると、冒険者も、ちらほら見かける様になる。


(街中でも、そうだったけど、やたら、果物ナイフを装備している冒険者を見かけるなぁ。剣士(ソードマン)だよね?あれで、戦えるのかな?)


その原因の張本人が、ほざいている。

冒険者ギルドも、その装備では危険だと、注意しているが、聞く耳を持たない輩が多く、困っていた。

ソロの冒険者なら自己責任だが、パーティでは、大迷惑だ。仮に、盗賊(シーフ)が持つなら、かろうじて許容範囲内だが、剣士(ソードマン)が、果物ナイフ。連携もクソも無い。

実際に、痛い目をみた者は止めるが、やたらと、切れ味が良い果物ナイフ(もの)を持っている冒険者は、それで成果を出しているので、尚更、タチが悪い。

本当の剣士(ソードマン)は、武器に影響されない、そんな事を言う輩も出る始末。じゃあ、もう、素手で戦えよっ!と、言いたくなる状況になっていた。まぁ、剣士(ソードマン)が、剣を手放したら、ただの阿呆だが。


そんな残念な剣士(アホ)と組んでいるパーティを見かけながら、先を進むルーシュ達。

7階層では、オーク(豚野郎)が、出現する。

オークも、角兎(ホーンラビット)と同様に、その肉は食用になる。普通の豚より、脂が乗っていて、美味しい上、サイズも大きい。

討伐系の依頼では、荷車を運んで、依頼に臨む冒険者が多い。素材としての見入りが良いからだ。

まぁ、ルーシュは、〈インベントリ〉があるので、必要ない。プリムが倒したオークは、勿論、回収している。


「プリム〜。もう、十分、オーク(食材)を回収したし、帰らない?」


「キュイ、キュイ。」


嫌々をするプリム。まだ、〈念話〉は使えないが、何となく、言いたい事が、分かる様になった。

いい加減、その血まみれな状態をなんとかしたいルーシュだったが、プリムは、満足していない。

仕方無く、先を進むが、もうこれ以上、オーク(食材)はいらない。このままでは、毎食、オークの料理が並ぶ事になる。

何とかならないかなぁと、思っていると、8階層への階段を見つけた。これで、オークとも、おさらばだと、安心した。


8階層は、これまでの階層とは、様子が違い、水源が多い場所だった。つまり、出てくる魔物は、水棲系の魔物が、中心になりそうだ。

水源から、地上に出てくる魔物であれば、問題無いと思うが、水中に潜んでいる魔物では、プリムとの相性が悪い。折角の水源なので、プリムについた返り血を流したいが、血に反応して、襲われる可能性もある為、避けた方が良い。

取り敢えず、一度でも、戦闘を行なえば、プリムも納得するだろうと、先を進む。

すると、運が良かったのか、地上に出ている魔物を発見した。

見つけたのは、ビックキャンサー。所謂、大きな蟹の魔物である。大きく育った爪は、強靭で、岩をも砕き、その身体も、硬い甲羅で覆われている。


「キュイっ!」


「キンっ!」


プリムが爪で、攻撃したが、硬い甲羅に弾かれてしまった。すかさず、反撃の一撃を繰り出す、ビックキャンサー。


「ガキンっ!!」


と、音を響かせて爪を閉じたが、プリムは、無事、回避した。

プリムは、自身の爪の攻撃が、効かないと分かると、息吹(ブレス)を放った。


「キュワっ!!」


「ピキっ!」


僅かだが、甲羅にヒビが入ったが、致命傷には程遠い。その後も、息吹(ブレス)で攻撃を加えるが、中々、倒しきれないプリム。とうとう、魔力(マナ)が厳しくなり、息吹(ブレス)を放てなくなってしまった。


「き、キュイ・・・。」


「プリム、今日は、諦めよう。次こそ、倒そうっ!」


「キュイ、キュイっ!」


納得した様子で、安心する。

プリムの代わりに、とどめを刺す事も出来たが、プリムの自尊心を傷つけるかも知れないので、放置する事にした。ビックキャンサー(相手)も、それなりに、ダメージを負っているので、次回は、直接、8階層まで転移し、万全の状態なら、倒し切る事が出来るだろう。

その後、〈サーチ〉で安全を確保して、プリムを洗い、帰宅するルーシュ。

勿論、ギルドによって、オークの解体をお願いした。


一方、以前、ルーシュに助けられた〈獅子の牙〉は、5階層どころか、1階層の角兎(ホーンラビット)に、苦戦していた。

原因は、剣士(ソードマン)のガイが、手に持った()()()()()。元々の大剣(バスターソード)と、リーチが違う為、超接近戦を行なっているが、角兎(ホーンラビット)が、素早くて、擦りもしない。


「くそっ!当たらないっ!」


「ガイ、邪魔っ!魔法が使えないっ!!」


ガイが、邪魔で、魔法が使えないサラ。

彼らが、再び、階層主(ボス)に挑めるのは、いつになるのか。



迷宮(ラビリンス)は、深層に近づくに連れて、魔物の強さも上がるが、その分、見入りが良い上に、稀に、宝箱も発見する。

現在の最高到達地点は、27階層だったが、今日、それが、更新された。

更新したパーティは、〈金色(こんじき)の翼〉。レガリアの冒険者ギルドで、1、2を争う実力がある、AランクとBランクの冒険者の混成パーティだ。

リーダーは、パーティ名の由来となる、金色の髪の青年、ラーク。Aランクの剣士(ソードマン)だ。武器は、果物ナイフでは無く、業物の長剣(ロングソード)。鎧も金色で、かなり派手な姿だが、希少な鉱石を使っていて、防御力も高い。

次に、盗賊(シーフ)のソル。かなり身軽で、盗賊(シーフ)向きの技能(スキル)を多数、持っており、高い索敵能力で、パーティに貢献している。冒険者ランクは、B。

そして、パーティの大黒柱のハルク。体格もがっしりとしていて、全身鎧と大楯を装備したBランクの盾役(タンク)である。

後衛職では、火と土属性の魔法を得意とする、Aランクの魔法使い(マギ)、カレン。

もう1人の後衛職、Bランクの回復役(ヒーラー)のマリア。優れた治癒系の魔法と、付与系の魔法で、パーティを支援している。

各々が、足りない部分を補っている、バランスの良いパーティだ。

パーティ名の翼は、鳥の様に高く、上を目指す意味が、込められている。


そんな、彼等が自分達の記録であった、27階層を攻略し、28階層に到達した。


「今だっ!ラークっ!!」


「はああっ!!」



「グガっ!!」


ラークの一撃により、亜種大鬼(デミ・オーガ)は、絶命した。


「ハルクが、抑えてくれていたから、倒せたよ。」


「まぁ、それが、俺の仕事だからな。」


「ちょっと、私も忘れないでよねっ!」


「勿論だよ、カレン。君が、亜種大鬼(デミ・オーガ)の退路を、〈ロックウォール〉で塞いでくれたおかげで、奴の動きを限定出来た。

それに、マリアの〈スロー〉のおかげで、奴の動きが鈍くなったから、攻撃が決まったよ。」


「ありがとうございます。」


「俺の活躍は?」


「勿論、ソルが罠を解除していなければ、まともに、戦えなかった。助かったよ。」


皆の健闘を、たたえるリーダー。出来る男である。


「それにしても、B -の亜種大鬼(デミ・オーガ)が、出てくるとはな。この階層、厄介そうだ。」


「そうだね。おそらく、まだまだ、出て来るかも知れないね。」


「罠も、かなりあるから、慎重に進むべきだ。」


「それより、お腹が空いて、倒れそうよ。」


「では、何処か、安全な場所を探して、食事にしませんか?まだ、帰りの分も含めて、少しは、食料に余裕がありますから。」


「そうだね。食事は摂れる時に、摂っておかないと。」


「賛成だ。」


流石は、一流の冒険者達。リスクと安全を、しっかりと、把握している。

その後、ソルが、罠を発見・解除しながら、安全地帯を確保。〈金色の翼〉は、休憩に入った。


「そう言えば、ラーク。例の噂、知ってる?」


「ああ、〈果物ナイフで舞う剣姫〉の事かい?」


「俺も聞いたぞ。俺と同じ、盗賊(シーフ)なのか?でも、果物ナイフは無いな。」


「ラークは、果物ナイフでも戦えるの?」


「カレン、流石に無理だよ。リーチもそうだし、刃渡りが、短過ぎるよ。」


「俺の盾に当たりでもしたら、ポッキリと、折れるな。」


「折角ですから、果物、剥きますか?」


「マリアは、相変わらず、天然ね。」


休める時には、しっかりと、休むのも一流の証。


「それにしても、剣姫って事は、女なのか?」


「噂では、小さな女の子らしいわよ。」


「舞うの意味が、分からんな?」


「小さな女の子ですから、踊っていたのでは?」


「それだと、剣姫とは、呼ばれないと思うよ。僕と同じ、剣士(ソードマン)じゃないかな。」


謎の多い、〈果物ナイフで舞う剣姫〉について、話し合う〈金色の翼〉。


「冒険者の噂だ。きっと、その少女も、冒険者だな。そのうち、ギルドで会えるだろ。」


「それなら、ラークが、剣術を教えてあげたら?」


「そうだね。流石に、果物ナイフは止めさせたいね。」


「この間、ナイフを買いに、武器屋に行ったら、果物ナイフが置いてあったぞ。」


「でしたら、この果物ナイフも、武器扱いになるんでしょうか?」


「「「「それは無い。」」」」


流石、一流の冒険者達。果物ナイフを武器として、認めない。まぁ、一流以前の問題だが。


「さて、楽しい時間も終わりにしようか。」


「あぁ、十分、休めたぞ。」


「腹も膨れたしな。」


魔力(マナ)も、だいぶ、回復したわ。」


「怪我をしている方は、いませんか?」


「「「「今更っ!?」」」」


仲間意識の高い(?)〈金色の翼〉の面々。

この後、探索を再開するが、この階層を制して、先に進めるのか?

そして、噂の少女に会えるのか?

それは、これからの彼等の行動次第。

まぁ、少女じゃないんですけど・・・。

新キャラ登場です。これからの活躍に期待して下さい。

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