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第七十九話 一日目 前半





 森と街の境目。

 そこに止まった車から、金髪の女性が顔を出す。

 久しぶりの師匠だった。

 

 「なんだ、、大空、、ちょっと待て。まだ来てないやつがいんだ、」


 「はい!分かりました!」


 前、自分で殺しにかかってしまった師匠。

 だが、それまで何日も一緒にいて仲良くしていた。


 姉ちゃんと会うまでに、友達になれたりしないかな。

 行けたらいえい。


 「••••きた」


 突如、ホワイトは呟く。

 確かに、誰か三人がその辺にいた。


 「ムキムキ!究極の俺ありて!」


 突如、目の前に25歳ぐらいの男性が瞬間移動をしてきた。

 彼は服を着たまま、マッスルポーズをしている。


 「真実を見抜くわたしが殺す!!」


 次に10歳ぐらいの少女が、森の中から歩いてくる。

 白い瞳と長い耳が特徴的だ。


 「•••••••」


 最後に、全身鎧を着けた人が無言で出てくる。

 木の裏に隠れていたっぽい。

 

 「「Sランク三人集!ここに見参!!」」

 

 三人でポーズを決めた。


 ?。

 何がしたいのだろうか。。

 というか、男性の人はこの間冒険者ギルドでギターをしていた人だ。

 

 「初めまして?こんにちは」


 「はぁ。オレが今回の勇者案件を担当する月下烈だ。さっさと行くぞ」




—-




 森の中を、巨大なな車で進む。

 小さい荒道を行っていた。


 運転手は師匠だ。

 助手席には俺、その膝の上にはホワイトが座っていた。

 結構危ないけれど、ホワイトがしたがったのだ。


 「お前ら。これから、今回の勇者案件について説明する。よく聞いとけよ」


 師匠は少し声を張り上げた。

 後部座席のSランク冒険者達も、静かにこれを聞く。


 「オレ達は現在、『傲慢』のイリスを護送している。後ろにそれはいんだ。で、お前らの願い通り、そいつにはいつでも話しかけて良い」


 「よし!!我が願い通りだ!はっはー!!貴様に幸福をもたらしてもやろうか!我が力で!はっはー!」


 長い耳の少女は、叫ぶ。

 男性はうるせぇという顔をした。


 「••••••わたしもいい?」


 「お前もか、、良いぞ。話しかけたいならいつでも行け。この程度なら裁量で行けるからよ••••」


 本当か。

 それだったら、ホワイトの目的達成にかなり近づく気がする。

 多分、イリス?は元のホワイトの知り合いっぽいし。


 「だが。その代わり。お前らは反勇者同盟の幹部が襲いかかってくるのを許容しろ。残り四人のデータは渡しとく。命の危機に備えろよ」


 「反勇者同盟。有名な犯罪組織が出てくるか。やはりチャンス!ムキムキプラスで!名をあげるぞ!お前ら!」


 「うるさ。我が力で黙れ」


 「ぎゅおおお」

 

 このクエストに、そんな危険があったとは。

 ちゃんと確認しておこう。

 幹部全員がイリス?レベルだと仮定すると、相当やばい。


 「••••以上。運転はオレに任せとけ。そして、夜は止まって休む。その間、警戒は全員ですんぞ」


 「了解です。分かりました」


 「••••わかった」


 ここで、後部座席の男性が立ち上がる。

 その姿がバックミラーに映った。


 「ぎゅえ!は!ふふふ!俺にも任せておけ!ぐえ、」


 「やっぱうるさ!我が力で黙れ!ぐふ、」


 「お前もうるせぇ、、ぐふ」


 立ち上がった男性の口を、即座に立ち上がった少女が塞ぐ。

 直後、二人は全身鎧の人に腹パンをされた。

 

 これで、二人は無理やり座わらされる。

 なのに、まだお互い小突き合っていた。


 「••••••まあ、それで、その、すまんな。大空も。前は襲っちまって。ホワイトも」


 運転しながら、師匠は少し、頭を下げた。

 でも、顔を逸らしてもいる。

 気まずそうだ。


 「全然!ぜんっぜーん大丈夫です!ホワイトはどうか分かりませんが!ミスは誰にもありますから!」


 なるべく軽く、伝える。

 少なくとも、俺は良かった。

 仲良くもなりたかたったし。


 「••••••いい。まちがいはだれにもある」


 「••••すまん••••お前ら」


 「暗い雰囲気!インパクトを残すチャンス!勇者達よ!ムキムキだ!!ぐふ」


 「うっせ!我が鼓膜が破れる!うっせ!ぐふ、」




——




 しばらくし、夜になった。

 車は近くに停めてある。


 今は全員で森の周りを整理しようとしていた。


 「見ろ!多分勇者達!「一部交換」!多分ザクザクだ!」


 男性は双剣で、透明になっていた虎らしきやつを切る。

 虎っぽい動物の首は飛んでいく。


 男性はそれぞれの短剣を手首ごと入れ替えていた。

 謎の能力だ。


 「はぁ、、そうか。吹き飛べ」


 師匠は車の上から、ロケットランチャーを放つ。

 それに当たり、木ごと一部の動物は吹き飛んでいく。


 関係ないが、俺達は動物愛護的観点から見て、宜しくない行為をしている気がする。

 まあ、いいけど。


 「いけそう?」


 ホワイトは光る球を出して、俺を見る。

 一方、俺は下に木とその皮を置き、枝をぐるぐるさせ火を起こそうとしていた。

 迷いの森でやったのと同じ感じだ。


 「任せてくれ!有名な秘密結社!魔法協会所属!我が種族基準で若いわたしに!『ただの火(ファイア)』!」


 横から、少女が火を放つ。

 それが木の皮に直撃する。


 全て焦げた。


 「あ、やっちゃった。ってぐえ!なんだ有咲!我が腹に激痛が走ったぞ!許さん!!」


 「•••••」


 有名な秘密結社に所属する女の子の肩を、全身鎧の人が叩く。

 それがかなり強かったっぽい。


 すぐ、女の子も殴り返す。

 あっさり、殴り合いが始まる。


 「まあ全然!大丈夫ですよ!ぜんぜーん!後は少しやるだけで!と!」


 溜めておいた木を、また投入する。

 更に高速で木の枝と擦らせた。


 すぐに、木の皮に小さい火がつく。


 「こ、今度こそ!我の世界を超えた能力を!見せる時!『現象支配』!」


 殴り合いを中断し割り込んできた女の子が、能力を使う。

 すると、火が凄まじいスピードで広がっていく。


 「••••••なに?これ」


 「我が無敵の能力!!『支配』だ!ふははは!かっこいいだろ!?行け!どんどん!」


 「ありがとう!これで火を付けやすくなったよ!ほい!ほい!」


 その火に残りの木を何個もくべる。

 完全に火が付いた。

 やったね。


 「火をついたようだな!よくやったな!多分勇者達!そしてスライディング自己顕示欲満たし!」


 走って来た男性が、スライディングをしながらマッスルポーズをする。

 俺達に見せて来た。


 「おおー。ムキムキですね!」


 「•••••••」


 「••••••そう」


 「暑苦しい。我が純白の瞳も汚れてしまうぞ。その趣味本当にキショいな」


 それらを俺以外、微妙そうな顔で見る。

 これからすぐ、師匠が車の上から降りて来た。


 「、自己顕示欲は休憩時間にしろ、ま、これで、動物は暫くはこないはずだ。お前ら、見張り決めすんぞ」





 





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