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裏話2







 「ようこそ。反勇者同盟へ。あなたの復讐に皆で協力するよ」


 「••••••あ、ありがとう••••••ほんとうに••••」


 イリカは服を着た。

 安心したような、もう取り返しが付かないと後悔するような気持ちが、イリカの心に生まれる。


 (ハハハ!いいぞ!この調子で行け!だが、一応どうやって協力するのかも聞くぞ。カルミナ市ん時みたい騙されるかもしんねぇ。このはカスみてぇな組織の可能性もある)


 話の途中から急に冷静になったエムが、大声でそう伝えてくる。

 イリカはその通りだと思った。


 「••••あの、どうやって協力してくれるんでしょうか、、私、絶対に、、児戯の勇者を、殺したくて、、」


 イリカは覚悟を決め、冷奈に対して質問をする。

 冷奈は少し頷いた。


 「分かった。じゃあ、その前に戦況を説明するね。私達側の戦力は、私と幹部五人、それと戦闘要員が百人ぐらい。これ以下は勇者との戦いで役に立たない」


 冷奈はゆっくりと話し始める。

 真面目にイリカは聞く。


 「だけど、勇者連盟は九人の役員と数百人の異名付き勇者を抱えている。その他以外にも勇者連盟の職員、冒険者の連中もいる。児戯の勇者は氷山の一角ですらない」


 「••••知ってるわ、、」


 「これほど差があっても、私達はまだ壊滅していない。なんでだと思う?」


 (••••なんでだと思う?)


 (いや、知らん。最近出来た組織の事をおれに聞かれても分からん)


 「あ、あれかしら、、あなたや幹部がとても強い、、だったり、?」


 よく考え、イリカはこれを絞り出す。

 「00」は通常時の月下やフレジアよりは強いなと感じたからだ。


 「ううん。私達が世界中にこっそり手を伸ばして、色んな所から情報を貰って、匿って貰ってるから。利害が一致したら助け合ったりもしている。それで、やって来てるんだ」


 「••••そうなのね••••」


 「うん。つまり、情報力には自信がある。それに今は勇者連盟もとても忙しいんだ。今の内に氷山を削っておきたい」

 

 優しい声で、冷奈はそう言う。

 イリカもエムも今回は真面目に聞く。


 「要は、私達は児戯の勇者についての情報が入り次第、すぐあなたにあげるって事。これらの情報網を生かしてね。私達は氷山を少しでも削ってほしいから。これで、納得してくれたかな?」


 (筋は通ってる、、わよね?)


 (通ってはいるな。流石にアホなあいつが騙されている事はないか••••」


 「出来るなら、他の勇者を倒すのにも協力して欲しいけど。その方が児戯の勇者の稼働率が上がって、情報も入り安くなるよ」


 「••••分かったわ、、他の勇者を倒すのにも協力する••••」

 

 「ありがとう。これで面接は終わり」


 にかやかに冷奈はそう言う。

 そしてすぐ、冷奈は指を一本立てた。


 「最後に一つ。私は元勇者なんだ。だから勇者連盟からは「裏切りの勇者」って呼ばれている。あなたには酷だけど、その辺は何とか許容して欲しいかな」


 「••••••••分かったわ••••」


 「ありがとう。「00」。ここを案内してあげて」

 

 「••••••は」



——



 「00」に案内され。

 イリカは質素な平屋の前にやって来ていた。


 「••••お前にはここに住んでもらう。欲しい家具があれば角の家に行け。頼めば何でも作ってもらえる」


 「え、、?私、お金あげちゃって、、作ってもらえるお金なんてないわよ、?」


 「ここでは金銭は不要だ。食事も家具も全て無料。その代わり、行動に対する報酬も無いんだ。覚えておけ」


 平屋の中には、ベットとタンスだけがあった。

 それ以外には何も無い。


 「食事をしたければあの右の建物に。シャワーを浴びたり運動をしたいのなら、左の建物へ行け」


 イリカは指さされた方向を見る。


 平屋や学校や畑が並ぶこのシェルター。

 その中で、一際目立つ大きい建物が二つあった。

 どちらも見た目は豆腐である。


 「••••そして、勇者の情報が入り次第、お前に伝えよう••••反勇者同盟として手伝おう••••それまで好きにしていろ。質問があったら私に聞け」


 「あ、ありがとう、、」


 意外に丁寧に案内してくれた「00」。

 師匠に少し似ているのも相まって、イリカは仲良くなりたいなーと思い始めていた。


 「••••でも、待っているのは好きじゃないわ、、なんでも手伝うから、、色々協力させて、、、」


 けれもそれもわざと無視し、イリカはそう言う。

 カルミナ市と同じ轍を踏むつもりはなかった。

 これを聞き、「00」は眉間を押さえる。


 「••••••良いだろう。着いて来い。体育館に行くぞ」


 「わ、分かったわ、、」


—-


 しばらく歩き、二人は見た目が豆腐な建物の片方へ入る。

 建物の中は超巨大な体育館だった。


 「「00」様!お疲れ様です!」


 「「「お疲れ様でーす」」」


 「お疲れ様です。そちらの方は?」


 「00」が体育館に入ってすぐ坊主の少年や、子供達、道着を着た大人など、近くにいた多くの人物寄って来る。


 彼らはイリカもジロジロと見る。

 更にイリカは子供たちに囲まれた。


 「••••新入りだ。中々強いぞ。世話を見てやってくれ」


 「あ、新しく入ったわ、、こんにちは、」


 「きれーな石ー」


 「あ、それはやめて、、」


 子供の一人がイリカのネックレスの石を引っ張る。

 それをやんわりとイリカは引き剥がす。


 「たけし。辞めろ」


 「えー。俺は持てないのにー。えーー」


 「00」に注意され、子供は引き下がる。

 するど、周りの子供はさいてーと言いながら、その子供を殴り始めた。

 イリカはびっくりする。


 「殴るのも辞めろ••••ごほん。協力したいのなら、お前もこいつらに武術、か?を教えてやってくれないか。人に教える事で、お前も強くなれるはずだ」


 「•••••••ありがたい、、でも、こういうのじゃなくて••••もうちょっと、あれな、直接役に立つ系がしたいわ、、」


 (もっと直接的に行け。言わなきゃ伝わんねぇぞ)


 自分の為にやってもらったのを断った為、イリカは少し申し訳ない気持ちになる。

 内心はそれと、エムの指示がウザいという気持ちで一杯だ。


 「••••••そうか。だが、そうなると命をかける物しか無い。お前は手伝いで、復讐を成せぬようになっても良いのか?」


 「••••••••良くないわ••••でも決めたから」


 「••••了解した。リーダにも掛け合うが、あいつの戦力を削ぐのを手伝ってもらおう••••」


 眉間に手を当て、「00」はこの言葉を絞り出す。

 何か躊躇していた。

 イリカは少し不安になる。


 「あいつって、?」


 (お。何が出てくんだ?あいつらか?竜族か?)


 「奴ですね••••我々は役に立てず申し訳ない••••」


 道着を着た男性はそう言う。

 イリカは少年と子供達と一緒に、ハテナマークを浮かべる。



 「••••••奴の名は『不快皇帝』。そう名乗った。魔神だ。現在勇者連盟も私達も悩ませている要因の一つでもある」


 (魔人?プレぜえんぷ?何?エムは知ってる?)


 (魔神?は?え?誰だよ。知らん)


 脳内に混乱したようなエムの声が響く。

 一方、イリカは四天王かなと思っていた。


 「奴の能力は、特定範囲内の全ての生物を狂わせる。故に、現在この拠点の正面入口が使えない。だから我らは移動するには狭い地下通路を通らなればならない状況だ」


 (他者干渉系の能力か?全ての狂わせる?何の能力だよ。マジで誰?知らん)


 「••••私からリーダーには伝えておく。明日以降は紹介した平屋か体育館で待機していろ」


 (マジか。やべぇな。大丈夫かこれ)


 (え、そんなにダメなの?)


 深刻げなエムの反応に、イリカが更に不安になる。

 「00」も眉間に手を当て、悩ましげな表情をしていた。


 (いや、知らん能力がくんのは不味いだろ。普通に考えて。即死すんぞ。断れ。今すぐ断れ。復讐出来なくなるかもしんねぇ。さっきやったんだからまたやれよ)


 (さ、流石に、これ以上は、、もうやるって言って、、でも、、いや、、騙されたくない、、やり切らないと、、)


 (••••••クソがだぁぁ!!選択ミスったぁぁぁ!!!ゴミがぁぁぁぁ!!キエエエエエエ!!•••••ガチで不味い。マジでどうするか••••)







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