第百九十二話 姉ちゃん達の戦い
階段を登っていく千晴。
すぐに見えなくなった。
「••••••、、」
テェフルはそれをしょんぼりした顔で見る。
自分は所詮場違いだと、そう思う。
そのテェフルの肩に、はじめが手を乗せる。
一応周りを警戒してもいた。
「••••••まあ、あれにはドン引きする方が普通。引いた事をわざわざ気にしなくて良いよ。私も引いた事もあるから」
「、、、、、そうかよ、、、」
よりしょんぼりするテェフル。
申し訳ない上に、二人の間に入れないと強く思う。
「••••、、なぁなぁ、、はじめ、、だったらよ、、」
「、?どうしたの」
「なんでよ、、はじめは、、あんな愛し合ってんのによ、、、外と連絡ができない中よ、、はじめは千晴が一人で行くのを止めねぇんだよ、、絶対一番千晴が危ないじゃねぇか、、、」
そうして、テェフルは顔を覗き込む。
これを聞いたはじめは、テェフルを本気で睨んでいた。
見たことのないレベルで怒っている。
「••••••••千晴は昔から格が違う。人間じゃない。一人にしても、問題ない。私達みたいな常人が想像して良い訳ない」
「••••、、、、マジで、言ってんのかよ、、私とはじめに、、千晴は、負けてたじゃねぇか、集団で来たら、」
「•••••あれは偶々。常人の私如きにあんな簡単に千晴は負けないから」
「••••••」
確信を持って呟くはじめ。
テェフルは闇を感じた。
未だ知らない所が色々ある、と思う。
「••••••••テェフル。仙人が来てるよ。四人か」
「マジかよ、、そんなに、」
階段前に、男女混同の集団が歩いてくる。
全員薄着だ。
知り合いもいた。
「、、、藍原、、お前も敵かよ、、」
「まあ、ごめんね。大空たち。全てがあの方の系譜だから、僕達はあの方に逆らえないんだ。死なれるのは勿体無い美人揃いだけど、僕たちも流石に君たちがそこまで大事じゃない」
手に花を持った、中性的な仙人だ。
平然とした顔をしていた。
「•••••ほんと最悪。ボスはよぉ。アタシにわざわざこの仕事させんのか。片方は本当のガキだったか、、」
「、、、ここに、権力などない、と考えていたが、我らはボスに逆らえないか、」
近くにいた女性の仙人、子供の仙人もつぶやく。
どちらも、テェフルは見た事が無かった。
「••••••そのような感情に乱される必要はない。女の子であろうと、私が殺せばいい。全て視えている」
最後に、剣を持った男性の仙人がつぶやく。
背中に担いだ鞘から、剣を引き抜く。
テェフルも見た事のあるその仙人。
本気のその仙人を見て、テェフルはゾワっとする。
「••••••テェフル。凡人は凡人なりに、頑張ろう。いつか勝てると私は思い込んでるから」
「「神に成る人」••••••四対一で勝てる未来は視えないが」
魔力で自らの全てを強化する男性。
手に持った剣を軽く振り、今の感覚を確かめる。
そして、男性ははじめに突撃してきた。
「••••「勇気」、「転写」「強制性質強化」」
はじめは、魔力を足に纏う。
冷や汗をかき、仙人の顔に向けて蹴りを放つ。
男性は剣で蹴りを受けた。
「、甘いな、」
蹴りを剣を受けたタイミングで、剣を傾ける男性。
これにより、はじめの蹴りを逸らす。
そして、はじめは体勢を崩した。
その懐に男性は踏み込んだ。
「•••••『山火事』」
「、、、」
一方、体勢を崩しながら、はじめは巨大な炎を出す。
男性の顔の至近距離に、炎が現れる。
即に、男性は剣を軽く横に動かしていた。
剣から出た衝撃波で、炎は真っ二つに切れる。
「、、、は、」
その間に、瞬時に体勢を直したはじめ。
再度、男性に蹴りを放つ。
と合わせるように、男性は剣を振るっていた。
「••••••想像より古豪か、」
剣と蹴りが打ち合う。
そして、はじめを吹き飛ばした男性。
近くにはじめが着地する。
そして、二人は睨み合う。
「大空さん、中々強いね。素で海賀さんに近い強さ。それでも中々見ないよ。強くて美しい。死ぬのはもったいない」
「、、強くとも強くなくとも、元々アタシらは四人だから勝ち確定でしょ。アホくさ。何が楽しくて四対ニ、」
他の二人は、ぼーっとをその戦いを見る。
最後の一人の子供は、テェフルの前に来ていた。
「、俺は新人なもんで。修行の成果を実地で試すのも悪くない。人間性を捨て、己の力のみを高めるのが仙人境」
「ちっ、、超天才美少女テェフルが血祭りにしてやる!良くも私達の邪魔しやがって!」
さっきはじめから貰った腕輪から、小型のガトリングを出すテェフル。
そのガトリングを子供に向けた。
即座に球を放つ。
「、俺達は人を超えたが故に仙人。あの方のお陰もあるがな。この念力もそのお陰の一つ」
子供の仙人は念力で、無理やり銃弾を左右に逸らす。
全く球が子供の仙人に当たらない。
その仙人は直進してくる。
「おら!じゃあこれで死ね!変人流奥義「竜の爪」!」
当たらないのでガトリングを持ったまま、テェフルは子供の仙人に突っ込む。
こうして、竜の爪型にした手を振り下ろした。
その手も念力?で少し止められる。
「、、隙だらけだな。は、」
そして、子供は、テェフルの脇腹に蹴りを入れる。
テェフルの脇腹に、足がめり込む。
内臓に割とダメージが入った。
「ぐは、いや!!これがあいつからパクった気合いだ!死ね!!」
気合いで蹴りを耐え、その場から一切動かなかったテェフル。
強引に爪を振り下ろす。
子供の肩から腹までが、切り裂かれる。
「、、、馬鹿か、俺。油断した、」
「私は無限に成長すんだ!!これで死ね!お前が誰かの子供でもよ!!」
そのまま、テェフルはガトリングの銃口を子供に当てる。
ぶっ放そうとした。
「アンタさぁ。いくらアタシらが残ってるとは言え油断が過ぎる。休んで見てて」
いつの間にか近くに来ていた仙人の女性。
子供に蹴りを入れ、吹き飛ばす。
そのまま、代わりにガトリングを受ける。
「がは、この、俺を蹴るか、、この王家の、、、違うか、、俺は後輩故に当然、」
「アンタはもっと下の世界の事は忘れな。修行の邪魔になる」
女性はもろに銃弾を受け続ける。
頭が吹き飛び、肉が飛び散り、胴体がベコベコになる。
体が穴だらけになっていた。
だが平然と立ち続け、普通に会話もする。
「、、お前は!不死系の能力か!?死なねぇなら死ぬまで殺すまでだぜ!!超天才超美少女の私に舐めプしてんじゃねぇよ!」
「アタシは物理攻撃じゃ死なない。舐めプして当然。楽に殺してあげるから、降参してよ」
ガトリングをもろに受けながら、歩いてくる女性。
これで付いた傷も即座に再生していく。
テェフルはどうしようとなる。
今の自分より明らかに格上だ。
「、だったら!多分千晴流だ!!弱い奴から狙えばいい!血祭りだ!」
「、、足手纏いの、俺から狙うか、」
テェフルはガトリングを子供に向けた。
子供の仙人は休み、治療に専念している。
彼を狙い、テェフルは隙を作ろうと考える。
「テェフルさんって思ったより悪人だね。非常に良い顔と対比的に。まあ、顔の良さと性格はそこまで比例しないか。「人の動き」」
遠くにいる中性的な仙人が、消える。
突然、テェフルの脇にその仙人がワープしてくる。
ガトリングを持つ手にチョップをした。
「!?、マジかよ!そんな能力!」
ガトリングを落とすテェフル。
すぐ中性的な仙人は消えた。
この間に、既に女性の仙人が近くにいた。
両手で一つの拳を作り、それを振り上げている。
「、、、即死させられるようにしてあげるよ。「人の力」」
魔力を使い、己の力を強化する女性。
テェフルの目に、その光景が映る。
今の自分が喰らったら即死する雰囲気はあった。
「やべぇ、、私が軽く死ぬ!やべぇ!」
「、、不味い、「転写」「増える勇気」」
何とか隙を見て、魔力で透明なクナイを作り、女性に投げるはじめ。
仙人の女性の頭の裏に、クナイが刺さった。
一瞬それで止まったが、拳を振り下ろす女性。
「、、千晴から聞いたやり方!「無限」雑にラッシュ!」
気合いで、目の前の空気を何度も軽く殴るテェフル。
そのラッシュを「無限」に再現し、壁とする。
女性の振り下ろした拳と、その拳が当たる。
「マジかよ、、がは、」
拳が当たった瞬間、凄まじい衝撃波が発生する。
「無限」の壁で衝撃波も多少軽減されていたものの、周囲の色々ら吹き飛ぶ。
テェフルも地面を転がっていく。
「、よく私を相手していて、庇った。ただ、隙だ」
一方、テェフルのサポートをして隙を晒したはじめ。
これに対し、既に男性の仙人は剣を振っていた。
もう剣を鞘に収める。
はじめから、かなりの量の血が吹き出す。
結構バッサリ胴体が切られていた。
「、海賀さん、アタシが作った隙なのに、手加減し過ぎだ、、こいつ勇者だぞ」
「、、あ、勇者だった」
「••••••『凄い火』、「転写」「火魔法」、『凄い火』」
はじめは、死ぬほどではない傷を受ける。
アドリブで、陰で相当研究していた千晴の技を自分の能力で真似する。
火魔法を同時に使い、それを混ぜる感じにした。
修行で千晴と混じり合った経験が生きている。
火力が通常の二倍になった。
「••••••凄まじい規模、、私も油断したか、」
人の何倍もの大きさの火の玉が、はじめから出た。
男性の仙人は剣を鞘から抜き、火の玉を切ろうとする。
こうして、火は剣で一応切れた。
だだ一歩遅れたのと、火の玉の巨大さが原因で、剣を振るった腕が燃える。
「、、私たちを相手にして、急に覚醒したか、」
「達人流奥義「緩急」、「転写」「達人流」「緩急」」
腕を失い、男性は剣を地面に落とす。
直後、一気にスピードが上がるはじめ。
凄まじいスピードで、はじめの蹴りが男性の顔に迫る。
「「人の動き」。本当に急に覚醒したね。仙山。頼んだ」
突如、はじめの真横に中性的な仙人がワープしてくる。
そのまま脇腹を殴り、はじめを吹き飛ばす。
「何かしら限界を超えたか?、、アタシらにピンチに追い込まれたから、?「人の上の力」」
はじめが吹き飛んでいく先には、両手を振り上げた女性がいた。
既に拳を振り下ろす女性。
ちょうどはじめに直撃するコースだった。
「ぐぅ、『山火事』、「転写」「火魔法」『山火事』」
己が使える最大規模の魔法を、吹き飛びながら放つ。
と同時に、能力で自動的に魔法を使う。
これを合わせる事で、通常の二倍以上の火力を実現する。
「大空さん。邪魔してごめんね。抵抗されると面倒だから」
その前に、中性的な仙人がまたワープしてくる。
軽く姉ちゃんの頭を蹴り、魔法を使うのを妨害した。
直後、すぐに消えた。
「、だけど、さよならだ。アタシが謝っても何にもならないが、ごめんな。四対二は流石に無理だ」
女性の拳が、はじめの背中に直撃する。
凄まじい衝撃派が起きた。
はじめが地面にめり込む。
全身がぐちゃっとなり、少なくとも背骨は折れる。
「がぁぁぁぁ、」
「マジかよ!はじめ!今すぐ辞めろ!お前ら!死ね!!」
それを見て、急いで立ち上がったテェフル。
ガトリングでその仙人達を狙う。
このテェフルの前に、片手になった仙人が立つ。
「、残念だが。私を突破できない。視なくとも、殺意が読めれば射線も読める」
片手で剣を何回か振るい、男性はガトリングの全ての弾を切り捨てる。
一切、ガトリングの弾を通せない。
多分純粋な突破は不可能だと、テェフルは思った。
「、、俺も出る、、俺だけレベルが低いな」
更に子供の仙人も立ち上がり、念力でガトリングの弾を逸らす。
怪我していたはずの子供の体は、もうほぼ治っていた。
「、、、やべぇ、死んじまう、、結構見たからパクれた、超人流奥義「強制性質強化」に、「無限」!!」
ガトリングの弾丸の貫通力を強化し、テェフルはガトリングを放ってみる。
ただ全て、念力?で逸らされた。
男性が剣を構え、テェフルの元にゆっくり歩いてくる。
一方、はじめは女性の仙人に踏みつけられていた。
「••••本当に••••襲われていたとは••••••本当に••••試しに••••「大雷」」
次の瞬間、遠くから雷が飛んでくる。
もろに、子供の仙人は喰らう。
男性の仙人はその雷を剣で切る。
「ぐああああ!!なんだ!俺らに誰が攻撃してる!足が!」
追加で子供の体は、金になっていく。
下半身からかなりのスピードで固まっていく。
「、マジか!よく上に来れたなお前ら、!特にカルミナ!私らレベルの速さだぜ、、おっしゃー!今度こそ血祭りだ!「現象無限」!」
「、、死ぬか、俺が、真っ先に、」
「、、、私が守ろう、読めているぞ。時間さえ稼げば良い」
テェフルが子供の仙人をガトリングで狙う。
子供の仙人は下半身が金になっており、動けない。
既に、その間に男性が割り込んでいた。
「••••••••••今度こそ、私は••••••裏切る訳には••••••••「大雷」••••」
「はっはー!!はじめの千晴の為に血祭りだ!早くお前らは死んで欲しいぜ!悪いとは思うけどよ!」
「、、、」
片手で剣を振い、弾を全て弾く男性。
ただ、そこに雷も飛んでくる。
防ぎ切れず、ところどころ食らう。
致命傷になる所だけ、なんとか凌ぐ。
「•••••••••遠くから•••••乱射します•••••「大雷」••••••「大雷」••••「大雷」」
調子に乗った少女から、男性は遠くから雷を打ちまくられる。
どんどん、男性の体がボロボロになっていく。
その上、無限にガトリングは続く。
何とか致命傷は避け、全て自分の体で受ける男性。
「よしよし、危ないね。「人の移動」」
中性的な仙人が、男性の後ろにワープしてくる。
すぐ男性と子供に触り、またワープする。
少し遠くに、移動に現れた。
「アンタら、、不意打たれたな、油断しすぎだ」
「••••••「緩急」。「転写」「達人流」「緩急」」
そちらに意識が向いた女性の仙人。
これに対し、姉ちゃんが動く。
色々やばかったが、気合いで抜け出し。
これまでの二倍のスピードで、蹴りを繰り出す。
女性の胴体がもろに凹む。
「ぎ、アタシも油断していたか、、やばいパワーだ、あれとけんしょくない、」
血が吹き出し、吹き飛んでいく女性の仙人。
これもワープしてきた中性的な仙人が受け止める。
「危ないね。戦力差があり過ぎて、油断し過ぎた?この流れだと、僕達が負ける可能性もある」
「四対四、、行ける!お前ら!ここでこいつら止めて!千晴を楽にしてやろうぜ!」
中性的な仙人とテェフルは周囲を見回す。
相手には勇者、クローン、雷人族、金人族。
色々いた。
味方は主力の腕がなくなり、体がボロボロ。
他も新人がまあまあ怪我していた。
負ける可能性も少し出てきた。
「僕達も本気を出して、使うべきじゃない?美しくなくとも、舐めプして負けるのが一番情けない。「変異」」
「ぐぐぐ、!!新人は、逆らわん、、「変異」」
「はぁ、、ダッサいな、、修行して身に付けたものを、弱いもの虐めに、、アタシも「変異」、」
「••••私も仕方ない。「変異」」
四人全員から魔力が溢れ出す。
それぞれ魔力が固形化し、手に白い物を持つ。
男性も新たな剣が手元に現れる。
「ま、マジかよ、まだ上があんの?」
「、、全員不老って話だったけど、、、本当に全員使えるんだ、、千晴、、」




