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第百九十一話 深夜の決戦が始まる








 「•••••••」


 無言で、誰も居なくなった部屋を見る。

 心が一気に冷めていく感覚があった。


 その一方、付けていた腕輪越しに、姉ちゃん達もこれを見ていた。


 「••••姉ちゃん。テェフル、ごめん。逃しちゃった」


 「••••••いや、良いよ。原因はこっちにもデータが無かった事だし」


 「ま、マジか、、回、マジかよ、、、仙人超えるって、三人で、、誓ったのによ••••••」


 ショックを受けるテェフル。


 一方、俺は少し考える。

 確実に回さんは強い。

 仙人達の師匠と言う実績や己の趣向の為ここまで時間を掛ける執念。


 凄まじい危険性だ。


 「••••••••」


 「てか、、千晴、、」


 更に、情報がほぼないのも危険度に拍車をかける。


 大昔、仙人境が出来る前に居たとされる、弟子を連れた人獣の神。

 旅行の勇者が数回交流したと言われる、その神が回さんだったかも。


 という情報のみ。

 能力や使う魔法などは全て未知数。

 つまり、正体不明。


 「•••••」


 「マジで、、••••••そんな、怖ぇ、のか、?」


 故に余りに恐ろしい。

 仙人はそれぞれ不死の力、若返りの力、瞬間移動の力など色々持っているらしいが。


 少なくとも、回さんは仙人全てを超えた存在ではあるだろう。


 「千晴、、マジで、、リーダーみてぇ、、怖ぇよ、、」


 「••••••まあ、そんな感じ。俺はかなり冷たい方だよ」


 そして、テェフルは俺を怖がっていた。

 テェフルのトラウマを刺激した為だ。

 嫌われてしまうかもしれない。



 ただ、その方が良いだろう。 

 俺に恋しても、あんまり良いオチにはならないと思う。

 けれど、二人を守る為に頑張ろう。




——




 雲を貫く、仙人境にある岩山。

 その一つの岩山の頂上には、巨大な城があった。

 

 この城の最も上の部屋に、多くの粒子が集まる。


 「ち、」


 粒子から回が現れる。

 イライラした様子だ。


 即座に、床を足でドンドン叩く。

 凄まじい勢いで足踏みをする。


 「鉄。おい。早くく来い。遅い。早くしろ」


 「は、は、!師!」


 音を聞きつけ、老人が全力で走ってくる。

 杖を持った老人だ。


 跪きながらスライディングをし、回の前に滑り込む。


 「がは、ごほ、この体で、、全力で走り過ぎた、、、」

 

 「例の三人のの内、女二人をお前と漢除く仙人四人でぇ襲撃しして、ころおせぇ」


 「がは、、大空千晴、に、関しては、がは、か、かは、どうします、か、ごほ、」


 顔面蒼白で、老人は咳き込む。

 急に全力で走ったせいで、割と死にそうだった。


 「のここり一人ははあ、こしして、、噛むむな、」


 一方、ギザギザの歯のせいで、噛みまくる回。

 イラッとした表情になる。


 そして、回は口に手を入れた。


 「ううざい。可愛いぃ声ばっかでやがって」


 回は手で己のギザギザの歯を引きちぎる。

 そのまま、近くに投げ捨てた。


 口から少し粒子が出るが、無視をする。


 「登ってくる千晴は四人で迎撃。殺しても良いが、死体は持ってここい、わかったか?後、漢だけは確実に迎撃側に入れれろ」


 「ごぼ、ごぼごぼ、か、は、」


 「ミスったら五回は殺す。特に漢。あいつにそういっとけ」


 「••••は、ごほ、」


 「他はどうででもいい。残りの四人で殺せ。死体は鳥の餌にでももしろ」


 老人に吐き捨てる回。

 イライラした顔で、転がった歯を蹴り飛ばす。

 

 歯は蹴られた勢いで、遥か空に消える。


 「••••••ごほ、良いのですか。もう一人の、テェフル、?にも、直接教えたと聞きますが、」


 「あんな奴知らん。未熟な弟子が!完全生命体様に意見すんじゃねぇ!!」


 全力で、回は老人に拳を振り下ろす。

 モロにその攻撃を喰らった老人は、床を貫通する。


 結果として老人は20の床を貫通する。

 砂埃を起こしながら、城の一番下の階に老人は落とされた。


 「ごほ、師の、癇癪、、近年、特に、悪化、」


 「床は漢に治さしとけ。わたあしはここにいる。千晴を連れて来れななかったら、お前ら三回は殺すからな」





——






 頂上に向かう階段の前に来る。


 ここから一人で、俺は頂上の巨大な城に向かう。

 唯一俺だけが上に登れるレベルだ。


 けれど、今回は見送りに姉ちゃんとテェフルもいる。


 「••••••気を付けて。千晴。せっかく再会できたんだから、」


 「ごめん、姉ちゃん、、襲って来るかもだし、姉ちゃん気を付けて、」


 心配そうな顔で、俺を見る姉ちゃん。

 見つめ合う。


 姉ちゃんの目には俺だけが映る。

 

 「私達は大丈夫、、•••••仲間もいる••••••下から来るのも頑張って防ぐから、、千晴も頑張って、」


 「ありがとう、姉ちゃん大好き、、、」


 そして、姉ちゃんと抱き合い。

 軽くキスをする。


 本当に温かくて、落ち着く。


 「マジかよ、、また私抜きで、けど、、行く覚悟ねぇよ、、」


 これで、勇気が湧く。

 そして、思う。


 感情を上手く使い、殺すと。

 今のように感情面も良い感じに操られれば、非常に便利だも知った。


 それさえ出来れば、俺は完全になる。


 「私も大好きだよ、、千晴。例え中身がどんなのでも、、愛してるから、、」


 「うん、、俺も、愛してる、、」


 強く抱きしめ合う。

 キスもされる。

 本当にハッピーな感じだ。

 

 「•••••••••」


 暫くし、お互い離れる。


 このままでは、アウトラインのキスまで行く所だった。

 危ない。

 姉ちゃんは名残惜しい感じだった。


 それはそれとして、何か変な自我が生まれかけていたが。

 まあどうでも良いとして。


 「所で、千晴。上に登ってからの作戦はあるの?」


 「一応ある。本当にシンプルだけど」


 作戦は本当にシンプル。

 頂上に行けるレベルの俺が上に行き。回さんを消す。

 これだけだ。


 色々不明なので、後はアドリブだ。


 「••••••だったら、千晴なら大丈夫か、、気をつけてね、千晴、」

 

 「勿論。テェフルも気を付けて。良ければ、行く前に抱きしめるけど」


 「、、、、、、される資格ねぇよ、、」


 首を横に振り、断るテェフル。

 そんなテェフルはしょんぼりしている一方、顔が相当青白くなっていた。

  

 「••••••了解。まあ、テェフルも本当に気を付けて」


 恐らく、嫌われてしまった。


 感情的に考えると少し悲しいが。

 だとしても、俺はテェフルの為にも動く。

 家族みたいに思っているというのも、嘘ではない。


 「じゃあ、行ってくる。本当に二人とも気を付けて」


 「うん、千晴こそ、気を付けて、、」


 「•••••••••気を付けろよ、、千晴、、」

      

 二人に見送られ。

 山の魔力で満ちた階段を、一人で登っていく。



 一人で進むが。

 ただ、風が背中を押してくれる。

 これで勇気を出し、更なる力を出す。

 






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