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第百九十話 怒りを覚えたのは俺









 夕方。

 時間になったので、姉ちゃんとの修行を終わらせ、お風呂に来た。


 「気持ちいいぜー、さっぱりすんな、」


 隣にはテェフルもいる。

 どちらも体がベタベタになっていた


 姉ちゃんは後から来る。


 「確かに。良い感じになるよね、ここの温泉」


 甘い匂いを消した、このお風呂で。


 体を洗い終わり、仲良く湯船に浸かる。

 二人で綺麗な星空を見上げた。


 何となく、修行の終わりが近い感じがする。

 

 「なぁなぁ、、千晴。修行どうだった?はじめと房中術したん?」


 「き、急に?ま、まあ、、まあ、そこそこ、所で、そっちはどうだった?回さんとドキドキした?」


 ノスタルジーに浸っていたら、急に来た。

 都合が悪いので、話を逸らす。

 房中術の概念にもよるが、どちらかといえば俺達はしていた。


 「ドキドキ、はしなかったけどよ、、超良い感じだったぜ、超上達したし、修行に集中し切れないレベルで、マジで気持ち良かった、、あいつやべぇな」

 

 「そっか、良かった?」


 少し、嫉妬心に近い変な気持ちが浮かぶ一方。

 気持ち良く感じる気持ちは、俺も理解できた。


 本当に、天上の快楽なのだ。

 耐性がないとやばい。

 依存性があってもおかしくはなかった。

 回さんは男方面もやばかったようだ。


 「だったら、テェフルは平気な感じ?禁断症状とか出てない?」


 もしテェフルが依存していた場合、頑張って俺がテェフルの記憶を消す。

 何処かで能力を借りてくる。

 よくよく考えたら、経験の薄いテェフルに男性要素が少ないとは言え、回さんを当てるのはやばかったか。


 「いや、違くてよ。私、回とのより、千晴とした時のがよ、気持ち良かったぜ、、ただ気持ちいいだけなら、回のが上なのによ、、なんでだろうな、、」


 「そ、そっか、そっか、そうなんだ、、」


 気持ち的な問題だろうか。

 俺としてはあんまり変わらなかったが。


 まあと言っても、もう二度としない。

 姉と義妹とするなんて、何処ぞの神話だろうか。

 存在しては行けないレベルのプレイボーイだ。


 だから、テェフルもじっとりした感じで見てこないで。


 「後よ、、回もよ、、千晴がはじめとよ、行ってからよ、ガチでキレてたぜ?地団駄して、暴れて、発狂してよ、、あんな回初めて見たぜ、?で、私も同じ気持ちだったぜ、?」


 「そ、そんなに、?本当にごめん、、けど、」


 そこまで怒る回さんは見た事がなかった。

 想像がつかない。


 俺が思っているより、テェフルも回さんも本気なのかもしれない。

 不味い。


 愛と勘違いしていた、とする作戦は悠長すぎるかも。

 考え直す必要がある。


 「だからよ!!今からしようぜ!千晴!修行じゃないやつ!ん!」


 「ん!?ん、ん!?」


 考えている間に、突然唇を奪われる。

 舌も入れられる。


 テェフルのキスは昨日より圧倒的に上手かった。

 何なら自分のテクニックが使われていて、少し興奮する。


 「へへ、こうだろ!私はなんどか見た技をパクれんだ!超天才美少女テェフルちゃんの力を見ろ!」

 

 テェフルは、舌をぺろっとさせた。

 そのまま、跨ってくる。


 不味い。

 超絶不味い。

 完全に油断していた。


 「ま、待って、回さんと違って、、子供ができるかもだし、、それだけじゃなく、色々、良くないよ、」


 「うるせぇ!どうせ安全な日!子供が出来たら私たちで育てりゃいい!おら!」




——






 床で、正座をする。

 テェフルと二人で、リビングの床に座らされていた。


 「あのさぁ。千晴とテェフルは家族なんでしょ?普通、血縁ある家族であんな事はしないから。子供が出来たらどうすんの。二人とも将来を考えて」


 姉ちゃんもじっとりした目をする。

 そんな姉ちゃんに俺達は説教されていた。


 あの後、お風呂に来た姉ちゃんに普通に見つかったのだ。


 「ごめん、、こっちが責任持たないと行けないのに、、」


 「、、なんだよぉ、はじめもやってんじゃねぇか、、、私と千晴も愛し合ってんだよ、、、」


 「••••私達はまだ良いの。、いや、良くないけど。テェフルは子供が出来るでしょ。テェフルは他にしたい事があるんだから、今そうなってどうするの」


 テェフルは、しょんぼりする。

 その通り、みたいな感じだった。


 「、、、そうだけどよ、、子供って絆の証だろ、、気持ちよくて、千晴と子供も出来るなんて、最高なのによ、、なぁなぁ、千晴も最高じゃねぇのか?」


 「ま、まあね、、まあ、けど、テェフルって17でしょ?そんな軽々しく大切な子供を育てられないというか、、」


 「いいじゃねぇかよ、、頑張って育てれば変わんねぇよ、、グダグダ言い訳しやがって、、」


 こちらを軽く睨むテェフル。

 怒らせてしまった。


 誤魔化さねば。

 実際言い訳ではあるが、言い訳だと思われるとテェフルに悪い影響も与えてしまう。


 「い、いや、本当にごめん、、けど、テェフルに対しての愛してるは家族の分野で、恋人的な感じではなかったというか、、ほら、愛してるよ、」

 

 切り札を使い、テェフルを抱きしめる。

 これで誤魔化す。


 ついでに、頭をゆっくり撫でる。


 「、、、千晴、、ごめんな、、分かってんだ、千晴が、私に合わせてくれてるだけだって、、超天才超美少女だから、、わかんだよ」


 「い、いや、別に合わせてるだけであそこまで行かないけど、、ちょっと俺が勘違いしてて、」


 思っていたのと、違う流れになった。

 もう少し良い感じの流れにしたい。

 

 さっきから、消え切っていないパパ要素がチラチラ出て来ていた。

 

 「マジかよ、、千晴も私が大好きだったのかよ、、最高だぜ、想い高まる、、、私が超天才超美少女だからか、?」


 「はぁ•••••••千晴と離れて、変わったと思ったけど、、悪化した。見た目は近い、藍原さんでも無理だったか、、」


 ここで、気がつく。

 この仙人境を巡る、とある陰謀の可能性に。


 一気に、色々頭を巡る。


 「•••••••」


 「まあ、テェフル。テェフルには私達がいる。わざわざ急いで求めなくても、私達は、絶対にテェフルは見捨てないからさ。超絶美少女じゃなくても、超絶天才じゃなくとも」


 「はじめ、、、千晴もそうなんか、?」


 思えば、色々妙だった。

 明らかに違和感があった。


 更に俺の考察があっていれば、相手は相当の強者。

 この点も全て、今までの情報と合致する。

 

 「おーい、聞いてるか、?千晴、おーい、、大好きだぞ、私も、、私も千晴が生きてるだけで嬉しいんだ、」


 心を殺意が満たす。

 怒りも覚えていた。


 今は冷静面の方が強いのに。

 それでも尚だ。 

 

 「、無視すんなよ、、千晴、、こんな、私は大好きなのに、、」


 「••••二人とも、一応戦う準備をして貰ってもいい?今思い付いた作戦がある。これでここにある陰謀を暴ける」


 「、?、ん?急に、マジか、どうした?」


 「••••••?、」




——-






 深夜。

 夕食を食べ終わった後。


 今日まで修行していた、全面鏡張りの部屋。

 そこに、陰謀の要な人を呼び出す。


 「なあんでえすか!!ちははるさん!よおおって!!」

 

 この部屋に、満面の笑みの回さんが入ってくる。


 本当に嬉しそうだった。

 今まで見た事がないぐらいには幸せそうだ。


 「••••••申し訳ないです。言いたい事があって」


 「ど、どうしたんでですか、?無表情で、、わたあしに、特別なはなあしって、、、」


 オドオドする回さん。

 本当の涙目になる。


 「も、もおしかして、修行がが終わったから、、わたあしは、、用なし、、捨てないでで、ちはあるが、だいすぅきで、」


 「••••••いえ、そう言うのじゃなくて、、」


 抱きついて来て、本気で泣き始める回さん。

 柔らかいものが色々当たる。

 

 感情的に見たら、あまり嘘には見えなかった。

 修行も本当に真面目に付けてくれていたし。


 「••••••••••回さん」


 「、、さみみしい、です、、わたあしだけ、放置されてて、、不安定な立ち位置でで、さみみしいですよ、、なんでももするからぁ、、捨てないで、、」


 俺の胸に頭を押し付ける、回さん。

 離す気はない、という感じだった。


 「••••回さん。最初から俺を魅了して、俺と姉ちゃんとの仲を引き裂こうとしていましたよね。その為に最初から誘惑していた」


 「•••••••••、、はぁい、、ごめんなさい、、李山様に、、命じられて、、、けけど、本当、は、わたあし、あなあた達に、李山様を超ええて欲しくて、、修行もも本気で、、」


 涙目で、俺を見上げる回さん。

 俺の手を取り、目を見る。


 そう言いながら、かなりしょんぼりしている感じだ。


 「、それに、ちはあるがすぅきなのは、、本当で、、嘘なんてなくて、、、すぅきで、、ごめんなさい、、」


 手を握り、見つめてくる回さん。

 涙を浮かべていた。



 

 ただ、その全てに殺意が湧く。


 「•••••いや、あなたがここのトップですよね。この作戦を成功させる為、李山?さんにも漢さんにも、工作を命じていたのがあなた」


 俺は無表情でこう言う。

 感情面が強く、半端ない怒りを感じていた。


 こう言うと、回さんは固まった。

 目をまん丸にし、驚いた様子だ。




 「なぁんで、分かかったんですか?あなあた、確信はありまぁすよね、?」


 俺の手を握ったまま、回さんは眉と口をピクピクさせる。

 露骨にイライラしていた。


 やはり、そうだったようだ。

 確信は持てていた。

 パッと、回さんから離れる。


 感情的に考えると。

 俺は回さんがトップ人格といつも人格の、二重人格であってほしかった。


 「••••••理由は色々あります。仙人の部下の一人にしてはあまりに回さんが有名。その上、皆あなたを嫌うというより恐れていた。更にあなたがあまりに強過ぎる」


 まず、上位の仙人達の回さんへの態度で違和感を感じた。

 あれは皆、回さん自身の不機嫌を恐れていた。

 上司が最高権力者だとしても、明らかにおかしい。



 次に回さんが妙に強すぎるのもある。

 教えるという分野や魔力を綺麗に動かす分野だけは上位だと聞いたが。

 必然の如く、他が仙人以上でないのにそこだけ上位になる訳が無い。



 更に、ここから先は口には出さないが。

 回さんの媚び方が自己中心的な面の多い某ひらめと似ていた点もある。

 ひらめより擬態は圧倒的に上手いが、何処となく似ていて、ずっと引っかかっていた。

 最後の方、少しだけボロも出ていたし。



 何より、漢さんが回さんの特別性をやけに強調していた事が気が付いた一番の要因だ。

 更に、漢さんはここのボスと仙人のトップの呼び方をわざわざ変えていた。

 つまり、明らかに俺に何かを伝えようとしていた。 


 「、、、ち、わたあしのの足引っ張んなぁ、漢も海賀もも、、お前らの恩師のぉ、邪魔しややがってぇ、、演技下手なぁんだよ、」

 

 「••••••あなたは俺と二人の仲を裂こうとしていた。そして、ここを調査するという目的を持つ俺達の作戦を邪魔しようとしていた。違いますか」


 「どちらかとと言えばぁ、仲を裂くくのが、目的でぇ、、わたあし、そおいうのの大好きなのでぇ、それを見るののがぁ、楽しみでぇ、どっちも顔がが良くてぇ、ワクワクしましたぁ、」


 更なる強い、怒りを覚える。

 回さんにも、性欲に溺れ彼女に騙された俺にも。



 冷静に考えて、ここまで騙された原因ははっきりしていた。

 彼女の演技が完璧だった事と、彼女が至って真面目に修行を付けていたから。

 故に騙された。

 

 「••••••何故、そんなのが好きなんですか。それと、この作戦を邪魔したという事は反勇者同盟と繋がっていると判断して良いですか」


 「はぁいい、、わたあし、逆らわれれるのがが嫌いででぇ、人間もも勇者も全部ムカつつくんでぇ、悲劇てきに死んでほししくてぇ、だからぁ、あれれに協力してぇ、」


 それも全て良い。

 言質が取れた。

 ポケットに手を入れる。


 直後、回さんは媚びるような感じで、上目遣いで見つめてきた。


 「でもぉ。今なならぁ、わたあしに、殺されれる前にもぃ、ちはあるはぁ、わたあししかいないぃ、幸せな世界にぃ、、」


 「••••いや、良いです。「切断神速」」


 「え、」


 ポケットから木の枝を引き抜き、首を刎ねる。

 一瞬だ。

 勇者法第27条により、邪魔するものは死刑だ。


 

 回さんの胴体から、大量の粒子が出た。

 床に回さんの首が転がる。


 「、、な、なんでぇ、、怖いい、です、、ちはある、、わたあしじゃ無かったら、しんでぇた、のに、、わたあしを、すぅき、じゃなぁいんですか、」


 首を転がせたまま、涙目で話す回さん。

 胴体がくっ付いていないのに、媚びる感じの声も出していた。

 


 予想通り、回さんは人間では無かったようだ。

 両性を持っていて子供が出来ない時点で、怪しいとは思っていたが。


 故に、早く回さんの全身を消す。


 「••••••••」


 「、ちはある、、そんな、人だったのぉ、、こんな、ぁ、だいすぅき、なのに、、、」


 「••••••『壊水』」


 既に準備していた、黒い水。

 これを回さんの体にかける。

 再生される前に全て消す。

 

 これで終わりだ。

 回さんに、黒い水が迫る。


 「、、ち、もうここかから出られれないでぇすよ、「生と死の狭間(せいとしのきょうかい)」」


 次の瞬間、回さんがバラバラになる。

 全身が粒子になり、一斉に飛び散った。


 その粒子は家を出て、頂上に昇って行く。

 




 逃げられた。

 ••••••••••••••。

 邪悪な奴を逃してしまった。


 今から仙人境の全てが敵だ。

 心が、凄まじく冷静面に偏っていくのを感じる。





 

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