第百八十八話 焦りに焦るの。
朝、ベットで目を覚ます。
左右には姉ちゃんとテェフルが幸せそうに寝ている。
どちらも裸だった。
「••••••や、やばい、、やばい、、」
さーっと頭が冷える。
冷や汗も掻く。
やってしまった。
本当にやってしまった。
頭を抱える。
無論俺も裸だった。
「なんでこんな事に、、性欲なんてなければ、、甘い匂いがなければ、、いや、そもそも感情なんて知らなければ、、、」
あまりに愚かだ。
同時に二人。
片方はガチの近親だし。
心の中だと完全に駄目だと結論が出ていたのに。
無責任にこんな事をする奴になる予定はなかったのに。
余りに焦り過ぎて、冷静に考えれば出てこない言い訳すら出てくる。
「、、あー!!リセット!!切腹!!!」
愚かで罪深くて、馬鹿でマヌケだった。
大切な両親に顔向けができない。
予定通り切腹します。
した。
「千晴、、はるちゃん、、おはよう。」
「姉ちゃん、、」
色々騒いでいた俺に気が付き、姉ちゃんが起きる。
その間に、こっちは一瞬で身嗜みを整えた。
と言っても、かけ布団を被ったぐらいだが。
「、、あのさ、はるちゃん、、アウトの、キスが、上手くなってない?お姉ちゃんの、気のせい?」
「、、き、気のせい、じゃないかも、、ごめん、」
昨日まであんなに温かったのに。
俺のせいで壊れたら、どうすれば良いのだろう。
後悔と恐怖の感情が心を満たす。
フレジアや回さんとの関係を二人に言っていなかったのも、俺の罪深さの象徴だ。
My name is ゴミ!Woー!!!!
「••••••はるちゃんが、私以外と?••••••私の見ていない所で、、お姉ちゃん以外と•••、、そんな、、はるちゃん、え、、」
すぐに姉ちゃんは死ぬほどショックを受けた感じになった。
目には、大粒の涙を溜める。
微妙にその気持ちは分かった。
ホワイトに感じた事がある。
「ま、まあ、いや、そ、そんな本気の関係かは微妙だから、、い、いや、本気だったような、、本気だった、」
大体、余裕の本気側だった。
本気じゃないのは黒田ぐらいなような。
より色々拗れ出してしまう。
この任務が終わったら彼女を作って、潔く関係を友達、家族にしようと思っていたのに。
不味い、余りに不味い。
「•••••、、千晴が、はるちゃんが、女の子を、弄ぶように、、、傷付けるなら、、弄ぶなら、、お姉ちゃんだけにして•••••••お姉ちゃんだけを、傷付けて、」
「••••••、さ、流石に、弄んではいない、はず、、姉ちゃん、、愛してる、、よしよし、可愛い、ちゅ、」
話を誤魔化す為、姉ちゃんの頭を撫で、キスをする。
これで鎮圧を狙う。
この行為すら冷静に考えなくとも、やば過ぎるが。
起きた事は取り返しがつかないので。
血迷った行為をしようとも、被害は最低限にする。
「、、遊び、慣れてるよ、この対応•••••けど、愛してるよ、、はるちゃん、、、、せめて、、お姉ちゃんは、、愛人にして、、」
「し、しないというか、、結ばれるなら、結婚するから、、愛してるし、、ちゅ、よしよし、可愛い可愛い、おやすみ、、」
強引に姉ちゃんを眠りに誘う。
結ばれるなら結婚。
もう最近で言うのは三人目で、今は同時に二人に言い、競合していた。
本当に最悪な奴になってしまった。
だがその一方、俺は良いプランを思い付いていた。
愛故の勘違いを俺がしていた、という風に演出するのだ。
これはその布石である。
「けっこん、、お姉ちゃんと、はるちゃんが結婚、、結婚、、、ほんとうは、お姉ちゃん、、はるちゃんと結婚、、したい、、結ばれたい、、」
「よ、よしよしー、可愛い、可愛い、姉ちゃん、愛してるよ、愛してる、、ちゅ、」
足で抱きしめられ、引き摺り込まれそうになったが。
再度のキスで、誤魔化す。
何とか、これで行けるはず。
「お姉ちゃん、幸せ、、」
「よしよし、可愛い、可愛い、、愛してるよ、」
頭を撫で、キスをしていると。
暫くし、姉ちゃんはまた寝た。
とりあえず、やったね。
誤魔化せた。
いや、やったねではない。
何がやったねだ。
ただ悪化は防げたはず。
最低限の処理は出来ている。
「••••••そーっと、」
そして、今から証拠隠滅だ。
高速でこっそりベットや色々を掃除する。
不誠実で申し訳ないが、これを回さんに見られると更なる状況の悪化を招く。
少し冷静に考えると。
こんなに焦るのなら、そもそもやるなという話だった。
してしまった原因を挙げるとすれば。
甘い匂いのせいか、性欲のせいか、何より少し前まで寂しかったせいか。
このどれか、いや全てが原因だった。
「、、おはよう、千晴、、いつも、朝はぇな、、」
「お、おはよう、テェフル」
テェフルの近くを掃除していたら。
俺の気配に気が付いたテェフルを、起こしてしまった。
寝ぼけ目で、こちらを見るテェフル。
軽く抱きついてくる。
「、、なぁなぁ、、千晴、、あれ、またしようぜ、、あれよ、三人でやるとよ、、マジであったかくてよ、気持ちよくてよ、、、またしてぇよ、」
「•••••あれは、そんな軽いものじゃないというか、、気を付けていても子供が出来るから、、」
少なくともテェフルに関しては、普通に出来てしまう。
故に、昨日今日は本当に不味い。
避妊なんてしていない。
アウトオブアウトオブアウトだった。
「マジか、、確かに、、あれで、子供、出来ちまうのか、、私と千晴の子供が、、、ん?最高じゃね?」
またしても、不味い。
なんか、不穏な流れだ。
大体姉妹なだけあって、テェフルはフレジアに近い存在なのかも知れない、
「千晴との子供出来たら、お母様も喜ぶだろ、?私も家族が増えて嬉しいだろ、?で、めっちゃ気持ち良いだろ、?、、最高じゃねぇか!!一回で三度お得!なぁなぁ!千晴もそう思うだろ!超天才超美少女の私との子供欲しいだろ!」
「い、いやー、ま、まあ、流石に、まだお互い若いし、決めるには早いというか、、子供は大切に育てたいというか、、」
テェフルが本気で抱きついてくる。
やばい。
完全に俺のせいだ。
後姉ちゃん。
家族のはずだったのに、ガチ勢に両足を踏み込み出していた。
「なんでだよ!若いからこそいいんじゃねぇか!強くなる前だしよ!!若いからこそ大切に育てられんじゃねぇのか!?」
「ま、まあ•••••そ、そう言うのも、もう少し考えてからでも、、ちゅ、、」
テェフルにもキスをする。
ついでに、頭を撫でた。
これで誤魔化す。
さっき姉ちゃんにやったのと同じ方法だ。
「、千晴、、んー、弟からのキス、最高だぜ、、」
あっさり、テェフルは少し落ち着く。
何かテェフルの異性の家族への認識が崩壊しているが。
そこは後で何とかする。
「普通、兄妹でそんな事しないかけど、よしよし、可愛い、可愛い、、愛してるよ、」
「んー、愛してるぜ、、千晴、、なぁなぁ、抱きしめあって、またしようぜ、、、あれ幸せだったから、、あれで、子供欲しいぜ、、私達姉弟だろ?、ん、」
少し、最低なことを言うが。
テェフルの好きな体勢が、フレジアと同じだった。
「••••、、よしよし、テェフル、、愛してるよ、可愛い、可愛い、、生まれてきてくれてありがとう、、ちゅ、」
テェフルにキスをする。
ギリギリ両親に禁止された程度の奴だが、今回だけは解放だ。
全ては、愛ゆえの勘違いと後で誤魔化す為。
一旦子供の話を後回しにするためでもある。
後、勘違いしていたのも強ち嘘ではない。
今回の件は甘い匂いも合わさり、色々勘違いしていた。
「千晴、、私も愛してるぜ、、本当に大好き、、大好き、大好き、、、、大好き、、、、」
そして後回しにし時間を稼いだ間に、しっかり己の欠点を治す。
この己の色々に対する制御の甘さ、それに通ずる弱さであり幼さを。
自分が自分で許せない。
責任を取れるキャパシティをうっかりで超えてしまうなんて、俺は何て愚かなのだろう。
何より今のままでは彼女が出来ても、自分で不幸にしてしまう。
「、、なんならよ、、今からしようぜ、、千晴も私で、、、ん?なんか硬すぎね?」
後、もしテェフルに子供が出来ていたら、気合いで行きます。
と考えていたら、テェフルが気付いてしまう。
腹の部分にある硬い部位を、手でツンツンしてきた。
相当、痛い。
血を吐く。
その血を手で押さえた。
「、ごえ、、ふぅ。気にしないで。気のせい」
「え、千晴、?どうした、?血、?大丈夫か、?は!??は!?マジか!刀!?刺さってるじゃねぇか!やべぇよ!なんで早く言ってくれなかったんだよ!死んだらどうすんだ!!」
かけ布団を捲った事で、刀に気がつくテェフル。
本気で心配してくる。
少し悪い気持ちになる。
心配をかけてしまった。
「ま、まあ、気にしないで。自分で刺しただけだし、、命に多分別状はないし、、治そうと思えばいつでも治せるし」
これは、さっき自ら刺したDX刀。
己の罪をより深く自覚させる為である。
こうする事で、己の欠点を治すことへの意欲をより高める効能がある、はず。
その為普通に結構痛いが、「再生」を使っているので死にはしない。
介錯が来ない限り、まあ平気である。
パーフェクト!!
「は??危ねぇよ!変な拍子に急所に突き刺さって死んだらどうすんだ!早く引き抜いて治せ!!!危ねぇだろうが!!」
「あ、は、はい、、ご、ごめんなさい、治します、、」
飛び起きたテェフルに、本気で怒られた。
普通に怖かった。
ごめん。
後切腹が無くとも、頑張って変わらなければ。
絶対に、この先は清純に行く。
真面目で、情もある、ちゃんとした人間になりたい。




