表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

134/200

第百二十三話 Versus





  


 「またこのわしが吹き飛ばされる!!屈辱!!なのじゃ!!」


 爆風を受け、吹き飛ぶ閣下。

 ホワイトも光る粒子を出しながら、同じく吹き飛ぶ。


 一方、ロボ一号は爆炎の中を歩いてくる。

 爆発の影響は、「地の性質付与」で無視していた。


 「オマエラハシンデモイイゾ。「火の性質付与」」


 更にロボ一号は、爆炎を利用し能力を使う。

 身体能力や、その他諸々の機能がかなり強化される。


 これに対し、すぐき閣下は立ち上がった。


 「なんじゃと!?舐めた口を聞きおって!ぶち殺すのはわしじゃ!じゃが所で、ロボよ!!暗号を決めたじゃろ!?言うのじゃ!!!」


 「サイキョウムテキノミライノコウテイ、ダロ?ムロン、キイテイル」


 嫌味な感じで、ロボ一号は言う。


 直後、閣下は首を傾げる。

 近くにいた、ホワイトの方を向く。


 「これは、どっち判定なのじゃ?一応暗号を覚えとるのか?」


 「•••••••たぶん、「たわし」••••むろんきいている、っていいいかたが、すこしおかしい」


 「確かになのじゃ!!じゃったら苦しめてやるのじゃ!!未来の皇帝に舐めた真似しよって!!「変異」無しなら余裕じゃ!!」


 「変身」の能力では、対象の「変異」まで再現できない。

 そう、閣下は霧先から聞いていた。

 なので、勝てると閣下は思う。


 「ココデ、オマエノコウテイトナルミライモオワリダナ」


 ロボ一号の手?が、突如伸びてくる。

 この攻撃も、「火の性質付与」によって強化されていた。


 「馬鹿なのじゃ!!出雲ならいざ知らず!わしなら喰らわんのじゃ!「空間遮断」!」


 これに対し、閣下は魔力を展開する。

 何だかんだそれをする時間はあった。


 直後、閣下の目の前の「空間」がズレた。

 この「空間」が、ロボの手?を防ぐ。


 「「風の性質付与」。イヤ、スキダラケダナ。クラッテミロ」


 「なんじゃと!?役員!!早くなったのじゃ!!」


 ぱっと、閣下の横に現れたロボ一号。

 手?で閣下に殴りかかる。

 

 それを、片手でガードする閣下。


 「••••••『森の光芒(ビームライト)』」


 ここでロボ一号の上に、光る柱が降ってきた。

 ロボは風のように揺らぎ、その場から離れる事で避ける。


 「••••凄まじい威力の光魔法を使う!ホワイトよ!!わしの第三の部下よ!奴を拘束する魔法を使えるのじゃ!!わしの能力では奴を捉えられないのじゃ!!」


 「••••わかった」


 閣下は一瞬悩んだ後に、ホワイトに提案する。


 ホワイトは頷いた。


 「フン。ウケテミロ。サイシュウヘイキキドウ。「火の性質付与」」


 「「空間遮断」!隙が大き過ぎじゃ!!わしには効かないのじゃ!!」


 またしても、胴体からミサイルを発射するロボ一号。

 それには、閣下が目の前の「空間」をズラす事で対応する。


 次の瞬間、大爆発が発生した。

 ミサイルが、ズレた「空間」にぶつかったのだ。

 その為、ミサイルの爆発や爆風も「空間」に阻まれ、閣下たちに影響力を及ぼさない。


 「「風の性質付与」。オマエモナ。オレニカタメハナイゾ。ウヒヒ」


 次の瞬間、風のように現れたロボ一号。

 ミサイルの爆風を利用し、能力を使っていた。


 そして砂煙に紛れ、まずはホワイトを殴ろうとする。

 と同時に、閣下は魔力を周囲全体に展開した。


 「奥義!「空間爆散」なのじゃ!ワンチャン死ない!」


 魔力を展開した部分の、「空間」が崩れ去っていく。


 その崩壊はロボ一号に迫る。

 ついでにホワイトにも迫る。


 「ハツドウマデガオソイナ。クラワン。」


 ロボは風のような速度で消える。

 今度は砂煙もあった為、閣下はロボを見失った。

 

 なので、閣下は「空間爆散」を止める。


 「••••『神がおこす洪水(フロド)』」


 直後、ホワイトから大量の水が溢れ出す。


 水は辺り一体を巻き込み。

 即座に、ホワイトの『停滞』の能力で止められた。


 「ははは!ざまぁないのじゃ!」


 全てを巻き込んだ状態で、固まった水。


 そのせいで、拘束されるロボ一号と閣下。

 ここで閣下はロボ一号の方へ、魔力を飛ばす。


 「喰らえ!!受けてみろなのじゃ!奥義!!「空間、、、遮断」!!」


 「ブカノチカラヲカリテ、ハズカシクナイノカ?••••••」


 閣下は奥義を使う振りをする。


 すると、突如ロボ一号は原子に「変身」した。

 閣下の目にも「たわし」が映らなくなる。


 だが、実は「たわし」のいた「空間」一体が周囲からズラされていた。

 原子になっていた「たわし」も、脱出出来なる。



 「馬鹿なのじゃー!!騙されたのじゃー!!アホなのじゃー!!!はっはー!!もう何になっても逃げられないのじゃ!馬鹿なのじゃー!!!」


 固まった水から抜け出した閣下。


 遮断された「空間」。

 閣下はそこを蹴ったりして、「たわし」を全力で煽る。


 その最中に、はっと気づく。


 「忘れてたのじゃ!!ライブ始まっちゃうのじゃ!どこじゃナバナバ!!こいつを監視させるのじゃ!!」


 「••••••たぶんあっち」


 ホワイトは遠くを指差す。

 まれに閣下について来て、ライブを見ていたナバナバの魔力を、ホワイトは覚えていた。


 「はっはーなのじゃー!!!行くぞ!ホワイトよ!ナバナバを引っ張り出して!千晴のライブへ早く行くのじゃ!!」


 「••••おー••••••」

 



——






 ロボの最終兵器によって。


 宿など、色々が爆発に飲まれる。

 それを霧先と出雲が、共に倒れながら見ていた。


 吹き飛んできた出雲が、霧先にぶつかってきたのだ。


 「ロボが!全てを巻き込みやがった!でござる!許せん!と言うほどではないな。特に大事なものは持ってきてないでござる」


 「わ、私もそうだけど、そういう問題じゃないよ、、内ゲバしてないで、ホワイトさん達に加勢して、倒さないと」



 暫くし、目を閉じながら、空を飛ぶアルビノの少女も来た。

 彼女も、陰で爆風により吹っ飛んでいたのだ。


 「念念念念念殺殺殺殺殺霧霧霧霧霧」


 少女は付けている腕輪から、斧を出す。

 

 これを霧先へぶん投げてきた。


 「私服の出雲は狂と相性悪いでござる。故に!全てを俺が切る!!!でござる!!」


 「それはそう、だね。けど霧先くんとも相性よくないよ、?私が、出来れば、援護するよ、」


 「最高!友達であろうと覚悟しろ!狂!でござる!「円月、一刀、居合、、」」


 霧先は一気に立ち上がり、右手を一回転させる。

 これで、ついでに斧を切った。


 最後に、懐に右手を携える。

 体も捻り、少女から右手が見えないようにする。


 「「忍耐解放」、」


 その横で、出雲は手からか細いレーザーを放った。

 レーザーは空飛ぶ少女に向かう。


 このレーザーを、少女はあっさり避ける。


 「「神速」!!」」


 直後、霧先が消えた。

 移動した少女に飛び掛かっていた。


 

 「クソが!無が切れなかった!でござる!」


 だが霧先は、何故か空中で慣性を失う。


 すぐに、空から転落していく。


 「あ、危ない!」


 空から転落する霧先を、出雲が両手でキャッチした。


 すると、斧も空から降ってきた。

 これは出雲が背中で庇う。

 

 「いた、で、でも全然痛くない、、大した事ない、、」


 「二回もサンキュー!でござる!次は切りたいでのざる!!良い力加減を見分けなければ!でござる!」


 「「重力XXX」」


 出雲に突き刺さっていた斧は、浮かび上がる。

 アルビノの少女の元に、戻っていく。


 この間に、霧先は一旦出雲から離れた。


 「二回目行くでござる!今度こそ!無と友達を切り伏せる!!でござる!妥協も考える!でござる!「居合、一刀、、」」


 またも手刀を懐に携える霧先。

 全てを切ろうとしていた。


 これに対し、少女は能力で対応する。

 全域に、自らの魔力を放出した。


 「「XXX全全全全」」


 そして、周囲一体が無重力状態になる。

 霧先も出雲も、瓦礫も、それ以外も、ありとあらゆるもの浮かび上がった。


 「鬱陶しい!切るのを邪魔をするな!狂!でござる!俺が二度目の人生を生きる意味!手加減してやるから!勝ち目はない勝負をさっさと捨てろ!でござる!」


 これにより、足場を失った霧先。

 「神速」を使えなかった。


 「あ、頭痛い、、す、少し、ぎゃー」


 浮かび上がっていた出雲は、斧でで攻撃される。

 これでまた、血が結構でた。


 一方、霧先の方へは瓦礫や勇者本人が来た。


 「止止止止止仕事仕事仕事仕事仕事」


 「一人で二人の勇者に勝つには「変異」を使えなきゃ話にならない!でござる!狂!元の世界と同じで!中途半端な結果しか出せないでござるよ!」


 霧先は全身に能力を使い、体をジタバタさせる。

 これで瓦礫を凌ぐ。


 それを聞き、見てアルビノの少女は、顔に青筋を浮かべる。

 手も握りしめた。

 シンプルに怒った。


 「黙れクソオスが!あ!?能力が得られなければ!勇者連盟が無ければ!コックにしかなれない雑魚がイキってんじゃねぇよ!!」


 「狂は魔力がなかったら、何も出来てないだろ!でござる!あへへへ!他の生物の居場所が目を閉じていても分かる才能!そんなの能力なしで何の役に立つ!?でござる!!」


 霧先とアルビノの勇者は、喧嘩を始める。

 だが、アルビノの少女は、笑う霧先に気づいていない。


 そして、出雲が空を泳いぎ、間に入ってきた。


 「い、言い過ぎだよ、お互い、、」


 「クソアマは何人殺してんだ!?あ!?日本にいた頃、発狂して殺したの何人だっけ!?クラスメイトと家族だけで13人だっけ!?弱者ぶりやがって!「虚無シュレディンガー」!」


 「••••••」


 アルビノの少女はあぐらをかいたまま、横移動をする。

 そして、出雲にパンチを放った。


 出雲は吹き飛ぶ。

 この際、出雲生命活動が数瞬無になる。


 「がは、、い、痛かった、、今度は痛かった、、」


 即座に出雲は再起動した。

 魔力の動作量が格上なのもあり、体が頑強なのもあり、後遺症はない。


 「••••全員人と仲良くしやがって!一人で極めてたはずの田中も!仲良くしやがって!憧れてたのに!!••••「感情XXX」」


 激昂した少女は、直後自らの胸を触る。


 能力を使い、感情を無にした。

 そして、目を閉じる。


 「無無無感感感感感無無無」


 「できた!隙でござる!万事!計画通り!!でござる!「切断神速」!」

 

 この瞬間を狙っていた霧先。

 近くの瓦礫を足場にし、高速で移動をする。


 アルビノの少女の横を通り抜けた。


 「救済!未来!絶望!あへへへ!!!人は誰しも一人では生きていけない!ある種の必然!友達を切るために何かは捨てろ!」


 「分かってる、、全部、、」


 少女の首から、血が吹き出した。

 皮一枚で、首はくっついている感じだった。


 次の瞬間、全ての能力が解け、色々な物が地面に落ちていく。


 「勇者であれば!くっつけようとすれば問題ない程度の傷!でござる!安心でござるな!友達も切れた!命も救えた!完璧でござる!」


 「あ、危ない、」


 先に落ちていた出雲が、少女をキャッチする。


 急いで、出雲は少女の首を胴体に押し付ける。

 あっさり傷は治っていた。


 「、、ね、ねぇ。霊塔さん、?ライブ行く?い、一体感があって、孤独感、なくなるよ、?」


 「••••知ってる。行く」


 「レッツゴーでござる!非常に楽しいぞ!でござるよ!皆で騒ぐのは!」




—-







 「ちゃんと監視するのじゃよ!ナバナバ!ミスったらタダではおかないのじゃ!!」


 閣下はそう言い、走り去る。

 ホワイトもそれに着いていく。



 「••••••なんで、常人とは格が違う私に、こんな猿でも出来る下働きを、、」


 無理やり、連れてこられた自称ナバナバ。

 遮断された「空間」でぼやく。


 「やっぱり、今はあれがいないと、閣下の私への信頼はないか•••」


 ナバナバは色々考えている。

 顔は不快そうな顔をしていた。



 突如、遮断された「空間」の中に、閣下が現れる。


 「、ん!?なんじゃここは!誰じゃ!こんなことをするのは!お父様か!?もうラストライブの時間なのじゃ!」


 「は?閣下?」


 その閣下はドンドンと「空間」を叩く。

 だが、周囲からズレた「空間」からは出られない。



 「邪魔じゃ!「空間接合」!ライブに行くのじゃ!着いてこい!ナバナバよ!」


 遮断された「空間」を元に戻し、その閣下は走りだす。

 あっさり解放され、ドームへ全力ダッシュしていく。


 「あ、ま、待ってー。待ってください!待って!逃したら!私の未来が!!あー!!!」




















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ