第百二十三話 Versus
「またこのわしが吹き飛ばされる!!屈辱!!なのじゃ!!」
爆風を受け、吹き飛ぶ閣下。
ホワイトも光る粒子を出しながら、同じく吹き飛ぶ。
一方、ロボ一号は爆炎の中を歩いてくる。
爆発の影響は、「地の性質付与」で無視していた。
「オマエラハシンデモイイゾ。「火の性質付与」」
更にロボ一号は、爆炎を利用し能力を使う。
身体能力や、その他諸々の機能がかなり強化される。
これに対し、すぐき閣下は立ち上がった。
「なんじゃと!?舐めた口を聞きおって!ぶち殺すのはわしじゃ!じゃが所で、ロボよ!!暗号を決めたじゃろ!?言うのじゃ!!!」
「サイキョウムテキノミライノコウテイ、ダロ?ムロン、キイテイル」
嫌味な感じで、ロボ一号は言う。
直後、閣下は首を傾げる。
近くにいた、ホワイトの方を向く。
「これは、どっち判定なのじゃ?一応暗号を覚えとるのか?」
「•••••••たぶん、「たわし」••••むろんきいている、っていいいかたが、すこしおかしい」
「確かになのじゃ!!じゃったら苦しめてやるのじゃ!!未来の皇帝に舐めた真似しよって!!「変異」無しなら余裕じゃ!!」
「変身」の能力では、対象の「変異」まで再現できない。
そう、閣下は霧先から聞いていた。
なので、勝てると閣下は思う。
「ココデ、オマエノコウテイトナルミライモオワリダナ」
ロボ一号の手?が、突如伸びてくる。
この攻撃も、「火の性質付与」によって強化されていた。
「馬鹿なのじゃ!!出雲ならいざ知らず!わしなら喰らわんのじゃ!「空間遮断」!」
これに対し、閣下は魔力を展開する。
何だかんだそれをする時間はあった。
直後、閣下の目の前の「空間」がズレた。
この「空間」が、ロボの手?を防ぐ。
「「風の性質付与」。イヤ、スキダラケダナ。クラッテミロ」
「なんじゃと!?役員!!早くなったのじゃ!!」
ぱっと、閣下の横に現れたロボ一号。
手?で閣下に殴りかかる。
それを、片手でガードする閣下。
「••••••『森の光芒』」
ここでロボ一号の上に、光る柱が降ってきた。
ロボは風のように揺らぎ、その場から離れる事で避ける。
「••••凄まじい威力の光魔法を使う!ホワイトよ!!わしの第三の部下よ!奴を拘束する魔法を使えるのじゃ!!わしの能力では奴を捉えられないのじゃ!!」
「••••わかった」
閣下は一瞬悩んだ後に、ホワイトに提案する。
ホワイトは頷いた。
「フン。ウケテミロ。サイシュウヘイキキドウ。「火の性質付与」」
「「空間遮断」!隙が大き過ぎじゃ!!わしには効かないのじゃ!!」
またしても、胴体からミサイルを発射するロボ一号。
それには、閣下が目の前の「空間」をズラす事で対応する。
次の瞬間、大爆発が発生した。
ミサイルが、ズレた「空間」にぶつかったのだ。
その為、ミサイルの爆発や爆風も「空間」に阻まれ、閣下たちに影響力を及ぼさない。
「「風の性質付与」。オマエモナ。オレニカタメハナイゾ。ウヒヒ」
次の瞬間、風のように現れたロボ一号。
ミサイルの爆風を利用し、能力を使っていた。
そして砂煙に紛れ、まずはホワイトを殴ろうとする。
と同時に、閣下は魔力を周囲全体に展開した。
「奥義!「空間爆散」なのじゃ!ワンチャン死ない!」
魔力を展開した部分の、「空間」が崩れ去っていく。
その崩壊はロボ一号に迫る。
ついでにホワイトにも迫る。
「ハツドウマデガオソイナ。クラワン。」
ロボは風のような速度で消える。
今度は砂煙もあった為、閣下はロボを見失った。
なので、閣下は「空間爆散」を止める。
「••••『神がおこす洪水』」
直後、ホワイトから大量の水が溢れ出す。
水は辺り一体を巻き込み。
即座に、ホワイトの『停滞』の能力で止められた。
「ははは!ざまぁないのじゃ!」
全てを巻き込んだ状態で、固まった水。
そのせいで、拘束されるロボ一号と閣下。
ここで閣下はロボ一号の方へ、魔力を飛ばす。
「喰らえ!!受けてみろなのじゃ!奥義!!「空間、、、遮断」!!」
「ブカノチカラヲカリテ、ハズカシクナイノカ?••••••」
閣下は奥義を使う振りをする。
すると、突如ロボ一号は原子に「変身」した。
閣下の目にも「たわし」が映らなくなる。
だが、実は「たわし」のいた「空間」一体が周囲からズラされていた。
原子になっていた「たわし」も、脱出出来なる。
「馬鹿なのじゃー!!騙されたのじゃー!!アホなのじゃー!!!はっはー!!もう何になっても逃げられないのじゃ!馬鹿なのじゃー!!!」
固まった水から抜け出した閣下。
遮断された「空間」。
閣下はそこを蹴ったりして、「たわし」を全力で煽る。
その最中に、はっと気づく。
「忘れてたのじゃ!!ライブ始まっちゃうのじゃ!どこじゃナバナバ!!こいつを監視させるのじゃ!!」
「••••••たぶんあっち」
ホワイトは遠くを指差す。
まれに閣下について来て、ライブを見ていたナバナバの魔力を、ホワイトは覚えていた。
「はっはーなのじゃー!!!行くぞ!ホワイトよ!ナバナバを引っ張り出して!千晴のライブへ早く行くのじゃ!!」
「••••おー••••••」
——
ロボの最終兵器によって。
宿など、色々が爆発に飲まれる。
それを霧先と出雲が、共に倒れながら見ていた。
吹き飛んできた出雲が、霧先にぶつかってきたのだ。
「ロボが!全てを巻き込みやがった!でござる!許せん!と言うほどではないな。特に大事なものは持ってきてないでござる」
「わ、私もそうだけど、そういう問題じゃないよ、、内ゲバしてないで、ホワイトさん達に加勢して、倒さないと」
暫くし、目を閉じながら、空を飛ぶアルビノの少女も来た。
彼女も、陰で爆風により吹っ飛んでいたのだ。
「念念念念念殺殺殺殺殺霧霧霧霧霧」
少女は付けている腕輪から、斧を出す。
これを霧先へぶん投げてきた。
「私服の出雲は狂と相性悪いでござる。故に!全てを俺が切る!!!でござる!!」
「それはそう、だね。けど霧先くんとも相性よくないよ、?私が、出来れば、援護するよ、」
「最高!友達であろうと覚悟しろ!狂!でござる!「円月、一刀、居合、、」」
霧先は一気に立ち上がり、右手を一回転させる。
これで、ついでに斧を切った。
最後に、懐に右手を携える。
体も捻り、少女から右手が見えないようにする。
「「忍耐解放」、」
その横で、出雲は手からか細いレーザーを放った。
レーザーは空飛ぶ少女に向かう。
このレーザーを、少女はあっさり避ける。
「「神速」!!」」
直後、霧先が消えた。
移動した少女に飛び掛かっていた。
「クソが!無が切れなかった!でござる!」
だが霧先は、何故か空中で慣性を失う。
すぐに、空から転落していく。
「あ、危ない!」
空から転落する霧先を、出雲が両手でキャッチした。
すると、斧も空から降ってきた。
これは出雲が背中で庇う。
「いた、で、でも全然痛くない、、大した事ない、、」
「二回もサンキュー!でござる!次は切りたいでのざる!!良い力加減を見分けなければ!でござる!」
「「重力XXX」」
出雲に突き刺さっていた斧は、浮かび上がる。
アルビノの少女の元に、戻っていく。
この間に、霧先は一旦出雲から離れた。
「二回目行くでござる!今度こそ!無と友達を切り伏せる!!でござる!妥協も考える!でござる!「居合、一刀、、」」
またも手刀を懐に携える霧先。
全てを切ろうとしていた。
これに対し、少女は能力で対応する。
全域に、自らの魔力を放出した。
「「XXX全全全全」」
そして、周囲一体が無重力状態になる。
霧先も出雲も、瓦礫も、それ以外も、ありとあらゆるもの浮かび上がった。
「鬱陶しい!切るのを邪魔をするな!狂!でござる!俺が二度目の人生を生きる意味!手加減してやるから!勝ち目はない勝負をさっさと捨てろ!でござる!」
これにより、足場を失った霧先。
「神速」を使えなかった。
「あ、頭痛い、、す、少し、ぎゃー」
浮かび上がっていた出雲は、斧でで攻撃される。
これでまた、血が結構でた。
一方、霧先の方へは瓦礫や勇者本人が来た。
「止止止止止仕事仕事仕事仕事仕事」
「一人で二人の勇者に勝つには「変異」を使えなきゃ話にならない!でござる!狂!元の世界と同じで!中途半端な結果しか出せないでござるよ!」
霧先は全身に能力を使い、体をジタバタさせる。
これで瓦礫を凌ぐ。
それを聞き、見てアルビノの少女は、顔に青筋を浮かべる。
手も握りしめた。
シンプルに怒った。
「黙れクソオスが!あ!?能力が得られなければ!勇者連盟が無ければ!コックにしかなれない雑魚がイキってんじゃねぇよ!!」
「狂は魔力がなかったら、何も出来てないだろ!でござる!あへへへ!他の生物の居場所が目を閉じていても分かる才能!そんなの能力なしで何の役に立つ!?でござる!!」
霧先とアルビノの勇者は、喧嘩を始める。
だが、アルビノの少女は、笑う霧先に気づいていない。
そして、出雲が空を泳いぎ、間に入ってきた。
「い、言い過ぎだよ、お互い、、」
「クソアマは何人殺してんだ!?あ!?日本にいた頃、発狂して殺したの何人だっけ!?クラスメイトと家族だけで13人だっけ!?弱者ぶりやがって!「虚無シュレディンガー」!」
「••••••」
アルビノの少女はあぐらをかいたまま、横移動をする。
そして、出雲にパンチを放った。
出雲は吹き飛ぶ。
この際、出雲生命活動が数瞬無になる。
「がは、、い、痛かった、、今度は痛かった、、」
即座に出雲は再起動した。
魔力の動作量が格上なのもあり、体が頑強なのもあり、後遺症はない。
「••••全員人と仲良くしやがって!一人で極めてたはずの田中も!仲良くしやがって!憧れてたのに!!••••「感情XXX」」
激昂した少女は、直後自らの胸を触る。
能力を使い、感情を無にした。
そして、目を閉じる。
「無無無感感感感感無無無」
「できた!隙でござる!万事!計画通り!!でござる!「切断神速」!」
この瞬間を狙っていた霧先。
近くの瓦礫を足場にし、高速で移動をする。
アルビノの少女の横を通り抜けた。
「救済!未来!絶望!あへへへ!!!人は誰しも一人では生きていけない!ある種の必然!友達を切るために何かは捨てろ!」
「分かってる、、全部、、」
少女の首から、血が吹き出した。
皮一枚で、首はくっついている感じだった。
次の瞬間、全ての能力が解け、色々な物が地面に落ちていく。
「勇者であれば!くっつけようとすれば問題ない程度の傷!でござる!安心でござるな!友達も切れた!命も救えた!完璧でござる!」
「あ、危ない、」
先に落ちていた出雲が、少女をキャッチする。
急いで、出雲は少女の首を胴体に押し付ける。
あっさり傷は治っていた。
「、、ね、ねぇ。霊塔さん、?ライブ行く?い、一体感があって、孤独感、なくなるよ、?」
「••••知ってる。行く」
「レッツゴーでござる!非常に楽しいぞ!でござるよ!皆で騒ぐのは!」
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「ちゃんと監視するのじゃよ!ナバナバ!ミスったらタダではおかないのじゃ!!」
閣下はそう言い、走り去る。
ホワイトもそれに着いていく。
「••••••なんで、常人とは格が違う私に、こんな猿でも出来る下働きを、、」
無理やり、連れてこられた自称ナバナバ。
遮断された「空間」でぼやく。
「やっぱり、今はあれがいないと、閣下の私への信頼はないか•••」
ナバナバは色々考えている。
顔は不快そうな顔をしていた。
突如、遮断された「空間」の中に、閣下が現れる。
「、ん!?なんじゃここは!誰じゃ!こんなことをするのは!お父様か!?もうラストライブの時間なのじゃ!」
「は?閣下?」
その閣下はドンドンと「空間」を叩く。
だが、周囲からズレた「空間」からは出られない。
「邪魔じゃ!「空間接合」!ライブに行くのじゃ!着いてこい!ナバナバよ!」
遮断された「空間」を元に戻し、その閣下は走りだす。
あっさり解放され、ドームへ全力ダッシュしていく。
「あ、ま、待ってー。待ってください!待って!逃したら!私の未来が!!あー!!!」




