表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

118/200

第百七話 湿地には変なのが多い




 

 

 「気分いいのじゃ!!部下共が見張りをしている中!わしだけ風呂に入っているのじゃ!!最高の気分びゃ!」


 夜になった。

 この時間帯は、魔力を持たない古代湿地の主が基本寝る。

 その為、一時停止して休む事が出来る。


 だから俺の能力で、下の沼を「固定」し。

 この上で他の人間や馬を休ませていた。


 「有能じゃの!千晴!お主がいればどこでも休める!さらに浴槽の用意も手早くて、わしは感激した!流石はわしのコネ用員じゃ!」


 「は。光栄なお言葉です」


 馬車の上に作ったテントの中。

 そこの白い湯船に浸かった皇女は、俺を褒める。

 湯船の湯は、水魔法で作った水を火魔法で温めた。


 つまり、全て必然である。

 常に他の行動と同時に、魔力を丁寧に動かす練習はしている。

 褒められるのは当たり前だ。

 

 「よし!千晴!わしの足や背中を揉むのじゃ!憧れがあるのじゃ!もみもみするのじゃー!!」


 「申し訳ありません。お断りします」


 「そんな!そんななのじゃあ!!特別にわしの柔肌を触ったり見ても良いのじゃよ!?ちらっ!ちらっ!」


 皇女に媚は売るが。

 自らを安く売るつもりはない。

 故に、子分になる下がるこの行為はしない。


 もしした場合、最終的に損をするのは己だと、以前の俺は学んでいた。


 「GGワニがultra hyper pegasus風馬を食べに来た!!でござる!一刀両断!!気持ちぇぇぇぇ!!」


 「••••••まっぷたつ。あっちにもいる」


 「入れ食い状態!この世界で部外者として生き続ける甲斐があるでござる!GG!切りまくり!でござる!!」


 ここで外から、勇者の楽しげな声が響く。


 俺自身は何故か着いてきた子供を相手にしてくれて、非常に都合が良かった。

 だが、皇女は少し目に涙を溜めている。


 「く、悔しいのじゃ!!わしが主役なのに!!千晴もよくも断りおって!」


 「申し訳ありません。それほど足や肩が凝っているようには見えませんでしたので」


 「風呂を出たら!二人でトランプをするのじゃ!わざわざ持ってきたのじゃ!!断ったら許さないのじゃ!」


 「はい。勿論です」


 「当たり前なのじゃ!何なら運転中もするのじゃ!楽しげな姿を見せつけてやるのじゃー!!」


 皇女が体をタオルで隠しながら、湯船から飛び上がる。

 高速で、着替え始めた。




 

——




 「•••••••あっち。またGGワニ」


 ホワイトは光る玉を出し、馬車に座り本を読む。


 ついでに、魔力感知で近くにいる魔獣だけを把握する。

 更にたまたま上から垂れていたバナナも取り、口に入れて味わう。


 「•••••••?••••次はサメ。あっちから来る。『ただの光(ライト)』」


 「やるな!ありがたい!でござる!ホワイト!殿?拙者が切り放題!でござる!あちょちょちょちょ!」


 沼の中を進んでいたサメの方向に、ホワイトは光る球を飛ばす。

 勇者の少年の視界にも、サメのヒレが映った。


 なので、即座に少年はサメを切り刻みに走って向かう。


 「な、なによんでるの、、ホワイトさん、、みていい、?」


 一方、巫女服の少女は、横からホワイトが呼んでいる本を覗き込んでくる。

 ホワイトは、頷いた。


 「千年太陽王国の歴史の本、、いいの、読んでるね、、」


 少女がボソッと呟く。

 ホワイトは帝都で買った、【千年太陽王国の略歴——我が帝国と共に——】という本を読んでいた。


 一応周りは警戒しながら、二人で仲良く本を見出す。


 「あ、ここ、、うそだよ。プロパガンダ、、」


 「••••••?そうなの?」


 少女は、本のある箇所を指さす。

 そこには、帝国の初代皇帝陛下が、太陽王国の国王から友情の証に国宝を頂いたと書かれていた。

 

 「、初代皇帝が襲いかかって無理やり持ち帰ったって、、、当時の日刊勇者新聞で見た、、私、。帝国ができた頃から、この世界にいるから、、」


 「••••••え、」


 (•••••••思ったより、としより••••)


 ホワイトは目を見開く。

 この少女が想定よりはるかに年を取っていたからだ。

 

 「び、びっくりした、?こんななのに、歳取ってて、、あifiらびかだやg」


 「••••••え?」


 突如、少女は人の言語を話さなくなる。

 自らの魔力で透明な鎌を作り、それで馬車を切ろうとする。

 

 (•••••なに?)


 即座に、馬車へホワイトは『停滞』の能力をかける。

 馬車は止まった。

 

 透明な鎌は、止まっていたお陰で弾かれた。

 すると、少女はホワイトの方を見る。


 また鎌を振り上げる。


 「でgoどなたかさかs。gggghh」


 「おおっと!油断したでござる!こっちを見ろ!毎日足引っ張ってばかりで周りから虐められるのも当然のバカが!でござる!」


 急いで帰ってきた勇者の少年が、大声で叫ぶ

 少女は途中で止まり、そちらを見た。


 少年に向けて、手から透明なビームを発射する。

 何発も発射する。


 「申し訳ない!でござるな!出雲の奴!ストレスを溜めると見境なく暴走する悪癖があるのでござる!今回の場合は、雇い主の陰口と巫女服を着用している事と長期の任務中なのが要因!」


 飛んできたビームを、少年が手で切る。

 何発も切った。


 「らららららgggg」


 次に少女が天から巨大なビームを降らせる。

 これもまた、手でぶった斬られた。


 「気もちぃぃぃ!ホワイト!殿!安心するでござる!今以上に酷くなったら!発狂前に本体を俺がぶったぎる!でござる!許可もある!」

 

 (•••••••なんか••••すごい)


 凶悪な笑みを浮かべる勇者の少年。

 これを見て、ホワイトはドン引きした。

 

 「abなかは、、あ、や、やっちゃった、、私、昔からこう、、死んでも治んない、、」


 暫くし、少女の瞳に理性が戻ってくる。

 透明な鎌も消した。


 「ご、ごめんなさい、、ホワイトさん、、霧先くん、、力はあるのに、、毎回こんな使い方で、」


 「気にするな!でござる!出雲!このヴァルハラでは暴れないのは損でござる!俺!いや拙者の周りでならいつでも暴れてくれて結構!でござる!」


 「慰めてる風、、霧先くんは、私を切りたいだけだよね」


 「••••••••わたしも、いい」


 ホワイトは許す。

 一応こういうのも、今回の切り札として必要かなと思っていた。


 「、、ホワイトさん、、あ、かわいい、」


 「••••••なに?」


 急に少女が呟く。

 ホワイトの横を見ていた。


 「ご、ごめんなさい、、と、鳥さんが、、食料の上で、ちゅんちゅんしてて、、可愛い、」


 「••••••いない」


 ホワイトも同じ方を向く。

 少量の食料しかなく、鳥はいなかった。


 「き、消えた?見間違い、?」


 「発狂直前の幻覚!?でござるか!?いや、「変身」の能力者の可能性もあるでござる!ワクワク!切断の可能性にワクワク!でござる!」









 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ