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血の雨 エピソード5

 モートが驚いて振り向くと、いつの間にかアンデッドの集合体から遠くの場所にオーゼムの姿があった。


 モートは銀の大鎌を持ち直すと、アンデッドの集合体へと飛び込んだ。


 うぞうぞとアンデッドの集合体は、どう見ても大きすぎるのだ。ならば、バラバラに狩りこめばいいとモートは考えた。


 この上なく速い動きによって、銀の大鎌でアンデッドの集合体を四方に分断していく。

 濁った血がしばらく辺りに噴き出した。


 最後にアンデッドの集合体は、モートは銀の大鎌で真横に切断され、跡形もなく土へと帰った。


「……。なんとかなりましたね。……これで賭けは私の勝ちですね」

「……?」


――――


 一夜明けて早朝の5時。


 血の雨が止んだ空からは、瞬く間に粉雪が降りだした。通行人はいつもの様子を取り戻し、人通りが少ない大通りから新聞売りの子供たちが白い息を吐きながら元気な声を張り上げている。

 

 下水処理施設から外へと出たモートとオーゼムは新聞をそれぞれ買った。

 


「いやはや、聖痕ができた少女は無事でしたね。軽い腐食バクテリアによるための痙攣だけでした。ですが、一体何のために……少女を襲うのでしょう? 男性? アンデッド? ……これは殺人でしょうね。そうです、殺そうとしている。と、考えられますね」

「新聞では、行方不明者はまだでていないようだ。それにしてもオーゼム?」

「ええ、そうです。ヘレンさんがあなたを心配していましたよ。なので、ひどく疲れていた私を急き立てるために、賭けをしたんですよ。モート君が全てのアンデッドを葬り去るのが早いか、それとも私の助けが間に合う方が早いかと……いやはや、ラッキーですね。賭けは勝ちなのは薄々気が付いていましたよ。かなり急いで来ましたからね……疲れましたが……これで二つの賭けは私の勝ちになりました。大挙ですよ」

 モートは少し笑った。

「ああ……ありがとう…………」

 

 新聞売りの子供たちの新聞は飛ぶように売れていた。


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