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屋敷 エピソード6
その時、ヘレンの肩を誰かが後ろから掴んだ。
ヘレンは小さな悲鳴と共に心臓を握られたかのように動けなくなった。
「ヘレン? ……大丈夫かい?」
「モート……?」
その声はモートだった。ヘレンは嬉しくなって、振り向くとモートに抱き着いた。
派手な靴音が近づいてくる。
「ヘレン……。少しここで待っててくれ……」
「ええ。相手は多分、アンデッドよ。気をつけて……」
モートが銀の大鎌を持ち、厨房のドアを閉じた。外の廊下から戦いの音がする。ヘレンは目を閉じて静かにしていた。
しばらくすると、濁った血液で黒いロングコートを汚したモートがドアを開けた。
「終わったよ……」
「ああ、モート……」
「ヘレン……ぼくについていてくれ。この屋敷から一緒に出よう」
「あ、モート。ジョンが生きていたのよ……あのジョンよ……」