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プロローグ


─あなたには本当のことを話せる人がいますか?

どうかあなたのそばにココロノオトを聞いてくれる人がいますように。




ピー、ピー、ピーー、ピーーー

ピーーーーー。


ガシャン。


「先生!うちの息子は!!大丈夫なんですよね!?」

まただ。また。

「全力を尽くしましたが、運ばれてきた時には息子さんはもう、、、」

ここで少し俯く。

「そんな、、、」

泣き崩れる母親であろう人物。

拳を握りしめ震わせる父親らしき人が少し後ろに立っているのが、目に入る。

「申し訳ありません。」

深々と頭を下げること7秒

「失礼します。」

廊下に響き渡る声にならない声に頭の中で耳をふさぐ。


慣れてしまったこの行為は果たしてどれくらいの意味をなしているのだろうか。

想像するだけで吐き気を催しそうだったので、すぐさま考えるのをやめ、今日もまたあの夢で眠れなさそうだとため息をつきながら着替え終わると、仮眠室へと向かった。

手術後はいつも決まって向かう場所だ。

部屋に入ると少しホコリ臭い匂いが鼻に入り安心する。ここは僕以外ほとんど使う人はいない。

シンプルで何も無い部屋だが、それが良い。

小さい灯りをつけベッドに横になると、堅く護っていた殻がボロボロと音をたてて崩れていくのを感じる。

いつからつけ始めたのかとうに忘れてしまった仮面を外し、唯一ココロを晒せる時間。

至福とも言い難い思考の波の渦に飲み込まれ、気付けばまた、あの夢を見ていた。

自分の、僕の、神木真也(かみきしんや)の。仮面が出来上がった時の記憶だ。


────













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