ありとあらゆるプライドを捨てたなろう作家が描く最高で最強で最速のいまだかつてないほど無駄のない異世界転生ファンタジー小説(笑) ~僕はこの世界の神となる~
ドカーーン! 僕は死んだ。
そして異世界に転移していた。
「おいおい(笑)。こいつはまいったな(笑)」
異世界に来てやることと言ったら、まずはこれだろう。
「ステータス、オープン」
と、行きたいところだがそうもいかない。なんせ僕のステータスと言ったら、このクソッタレなコンピュータで扱えるビット数を遥かに超える数字なのだから! 夜空の星々の数を、このチンケな小説投稿サイトの一ページに書き記すことができないのなんて、当然のことさ。僕のような偉大な人物の持つ珠玉の能力の数々を記すには、この小説投稿サイトは手狭過ぎる。
「助けて! 助けて下さい!」
美少女のお出ましだ(笑)。いかにも悪そうな男に追われてる。こういうとき、男の方はぶっ殺してオーケーだ。女の子の方はこのあと僕に惚れる。それはみんな知ってるね。
「おいおい(笑)。彼女、嫌がってるじゃない(笑)」
「ああ! なんだお前は!」
僕は暴漢の頭をデコピンで弾いた。男の頭は粉々に弾け飛んだ。
「やれやれ(笑)。大丈夫かい?」
「ありがとうございます! なんて素敵! はむっっっ!! じゅるっ! ジュルルルルッッッ!! ヅぢゅぢゅぢゅジュポッッッ!!!」
美少女は感動の余り僕の右乳首をしゃぶりだした。やれやれ、チュッパチャップスじゃないんだけどな(笑)。だけどなんてことないことさ。偉大な男はその肩に何億人という人民の人生を背負ってる。乳首に一人ぶら下がった程度じゃ何も変わらないよ。
「助けよや! 助けよや!」
やれやれ(笑)。本日二度目の美少女の登場だ。その美貌たるや――事細かに描写するのはよしておこう。高名なイラストレーターさんが素敵な挿絵を描いてくれるだろうから。ちょっとスペースだけ空けておくね。
<イラストここから>
<イラストここまで>
この小説がキミたちに届いている頃には、超美麗の4Kイラストが挿入されてるに違いない。もし、仮に、万が一そうなっていなかったら、この空白にキミ自身の手で美少女を書き込んでくれ。え? WEB小説だから書き込めないだろって? ディスプレイに直接描けばいいんじゃないかな(笑)。
「ちょっとキミ(笑)。どうしたの(笑)」
「グリズリー、よや、よや」
変わった喋り方の娘だ。このご時世、キャラを立てるためには仕方がないんだ。ましてやこの作品は小説だから、わかりやすい語尾でも付けておかないと誰が喋ってるのか紛らわしいだろ?
「グオオオオオ!」
「あらら(笑)。こいつはご立派さんだ(笑)」
グリズリーだなんて大げさだよね。ただの大きなクマだ。
猟銃があれば良かったんだけど、残念なことに持ち合わせていなかった。ピンチだと思ったよ。だけど幸いなことに、このグリズリー氏はメスだったんだ。
メスの人生っていうのは、何かをしゃぶり散らかすことに終始する。ちょうど僕の右乳首にひっついてる彼女がいい例だ。赤子の頃は乳をしゃぶり、指をしゃぶり、おしゃぶりをしゃぶり、そして大人になったら――――これ以上は僕の口からは言えない。ノクターン送りにされたくないからね(笑)。
「グオオオオオ! グオオオオオ!」
「欲しがりさんだな(笑)。発情期かな?」
僕は下半身を纏う衣服を脱ぎ、屹立したナニをグリズリーに向けた。長さたった一メートル。だけどそこから漂う芳醇な香りは半径二十メートルにも及ぶ。この有効距離をシュバルツシルト・オチンチン半径という。断言する、この間合いにあって正気を保てるメスは存在しない。
このグリズリーも当然僕のお稲荷さんにかぶりついてきた。後は簡単さ! 僕は左乳首をほんの少しひねるだけでいいんだ。たったそれだけで肉の棒は跳ね上がり、僕の視界を遮った。グリズリーはモズの早贄のようになって、身動きが取れなくなってしまったんだ。
「どうする(笑)。僕はこのままでもいいんだけど(笑)」
グリズリーは観念したように大人しくなった。僕はこの哀れなケダモノを自由の身にしてやろうと思ったんだけど――そのとき予想だにしないことが起こった。左乳首を甘噛みされたんだ! 誰にって? 決まってる、さっきの変な喋り方の女の子にだよ! 僕はビックリしてカウパーを漏らしてしまったんだ。グリズリーは水圧に耐えかねて遥か上空へ打ち上がった。
「やれやれ(笑)。そんなつもりじゃなかったんだけどな」
過ぎ去ったことはどうしようもない。僕は両乳首に美少女二人を装備して歩き出した。え? そんな状態じゃ歩けないだろって? 安心してほしい、僕の身長は三メートル弱ある。僕の乳首にぶら下がっている女の子たちは地に足が付いてないってこと。驚異的な吸啜力だよね。
そうだね、読者諸君には、できる限り牧歌的な風景を想像してほしい。そこからありとあらゆる人と建物、動植物を除いて、一本のけもの道を引いてくれ。それが僕の見ている景色と言って差し支えない。とても閑静な道のりだった。
道は当然どこかに繋がっている。その終点には兵隊がいた。兵隊というんだから、すべからく武装している。僕は丸腰だ。まいっちゃうよね(笑)。
「止まれ! 怪しいやつ。何者だ!」
こんな言葉を投げかけられるなんて夢にも思っていなかったんだ! だって僕はもうズボンを履いていたし、武器だって持っていない。丸腰と言ったけど、それどころか手ぶらだったんだ。一体どこが怪しいって言うんだ?
僕はもう、まったくもって困惑してしまった。こういう場合の対処法をキミたちは知っているかな? 今からそれを伝授するから、ここから数行は繰り返し読んでくれ。
――その前にまず、キミたちには僕と同じ状況を作ってほしい。難しいとは思う。兵隊に囲まれることなんて滅多にない、って人もいるだろう。だからまずは手軽に不審者と思われる方法を教えるよ。
とっても簡単なんだ。キミは人通りの多い場所に言って、その流れに身を任せながら歩いて、突然立ち止まるだけでいい。真剣な表情でしばらくうつ向いたりなんかしたら、周囲のやつらは完全にキミをキチガイと見なすだろう。歯を食いしばったり、口を半開きにしてヨダレの滴るに任せるのもいい。ここが独創性の見せどころだよ!
僕と同じように、キミの周りにも人の輪ができたはずだね。そこから先は一瞬で行わなければいけない。ズボンとパンツを一息に脱ぎ捨てて、尻を叩きながら「モーマンタイ! モーマンタイ!」と繰り返し叫ぶんだ。実際、僕はこの方法で危機的状況を切り抜けた。ぜひ覚えておいてほしい――下半身を露出する者は、射殺されることはあっても、斬殺されることは滅多にない。この知識がキミたちの人生に役立つことを切に願う。
そうして、僕は王城に連行された。どうして独房にブチ込まれなかったか気になるかい? その秘密は僕の両乳首を彩る人間ピアスにあったんだ。余談だけど、乳首を縦に通すピアスはヴァーティカル・ニップルと呼ばれるよ。
装飾品というのはしばしば身分を示すために用いられるよね。両乳首にメスをぶら下げているというのは、そのオスが常に性的に満たされている状態にあることを示している。……え? 男のシンボルは別にあるだろって? キミはいやらしいやつだな(笑)。子をなすというのは王にとってもっとも重要な使命の一つだろう? 大事な生殖器をメスの口内にほっぽりだしておけるやつなんて、これっぽっちも冷静じゃない色情魔さ! 一方、男性の乳首は快楽を感じる以外に特に用途のない器官だと言われているんだ。食い千切られたって構いやしないのさ。
つまり彼らの文化背景に照らし合わせると、乳輪を少女で覆う僕は為政者か特使に見えたんだ。為政者というのはまた別の為政者をひどく恐れる。だから王様は僕に会いたがるはずだと、この兵士たちは考えたんだろう。……まあ、これは全部僕の推測に過ぎない。本当のところは、あとちょっと下にスクロールしたらわかるよ。
街の風景に関しては割愛させてもらう。キミたちだって興味ないだろ? バロックだろうがロココだろうがゴシックだろうがどうだっていいはずだ。この作品はラヴ・コメディなわけだから、キミたちの関心は、僕のイチモツがどこに収まるか、ってところにあるはずだ。期待しててほしい、そのときはもう間もなく訪れる。
王様は立派な髭をたくわえた、感じの良いオジサンだった。すぐ横には側近が立っていた。そこで僕たちはこんなやり取りをした。
「わお(笑)、陰毛が喋ってら」
「き、貴様! この無礼者!」
「わっはっは! よいよい! 面白い若造だ」
オジサンって言うのはね、若者に馴れ馴れしくされると喜ぶ生き物なんだ。まったく不可解だよね。僕はオジサンになる前に死んでしまったから、その心中はこれっぽっちも理解できないよ。
「他でもない、この星を救うために、キミの力を貸してくれんだろうか」
想像通りの展開だ。世界に危機が迫っていて、その解決のために僕が呼ばれたということだ。あんまりにも意外性の無い展開に、あやうく僕は肩をすくめるところだった。けれどそこから先の話は予想だにしないものだった。
この星の名はガイアと言った。ガイアは長い生涯の中で途方も無いエネルギーを溜め込んでいて、もう間もなく大爆発を起こすという話だ。いきなりそんなことを言われたってわけがわからないよね。そんなスケールの大きな問題、僕にどうしろって言うんだ?
こんなのはどうだろう――この世界には神の使いが四柱あって、僕はこれから世界を旅し、祠かなんかを巡ってそれぞれを叩き起こし、神様に直談判をする――そんな話だったらワクワクするよね。でも現実はもっと単純だった。
ところで――メスの人生は、何かをしゃぶり散らかすことに終始する、って言ったのを覚えてるかな。それじゃあオスの人生は何のためにあると思う? それはキミたちがこのラヴ・コメディに求めているものが何かっていうのと、おおむね一致する。つまり、イチモツがどこに収まるか、ってこと。
オスはたった一つのために生きるんだ。たった一つ、自分にピッタリの穴を見つけるためだけにね。僕にとってそれはガイアだった。僕の使命とは、星を抱くことだったんだ。
僕の僕自身の先端にはかえしがついてる。こいつを使えば、ガイアの中に溜まったエネルギーを掻き出すことが可能だ。さしもの僕も戦慄したよ。地球の場合、マグマの温度は摂氏一千度くらいなんだよ? ガイアがどうか知らないけど、「あったかい」なんて感想じゃ済まないだろうね。
だけど僕はやるしか無かった。そうしなきゃ話が進まないからね。この小説は短編小説だから、僕の葛藤を描写している時間は残念ながら無いんだ。
とにかく、僕はガイアを抱いた。抽送を繰り返しながら、時にはこんな愛の言葉を囁いた。
「隲ア?・闕ウ蛟・窶イ魄溷?笘?ケァ阮吶?堤ケァ荵晢ス?閧イ?ャ謇假スシ」
ってね。……え、文字化けしてて読めない? そうだろうね! UTF-8なんて古臭い文字コードで表せるような言葉じゃあ、お星様を口説き落すことなんてできないよ!
灼熱の体内を往復していると、激痛で僕の下半身の感覚は失せていった。僕はこう思ったよ、「チンチンが息してない!」――それくらい、耐え難い痛みだった。それでも僕は何とか絶頂へ上り詰めた。避妊具は融解してしまっていたから、外に出さなくちゃいけない。僕は必死の思いで愛息子を引き抜き――その瞬間、ガイアが同時にアクメを決めた。僕の精は天の川に、星の潮は銀河となった。
そう、この話は創世神話だ。ナニを隠そう、キミたちが住む世界はこのようにして生まれた。異世界ファンタジーの主人公が神になるのなんて、キミたち読者にはわかりきっていたんじゃないかな?
この作品の読了時間は十分に満たないとはいえ、時間を無駄にしたと思う人もいるかもしれない。だけどあんまり怒らないでほしいな。得るものはあったはずだよ! キミは一つ大きな知見を得たんだ。
つまり、キミは明日から、キミの友達に――いるかどうかは知らないけど(笑)――こんな真実を教えてやることができる。
「おい、知ってるか。あの天の川は、神のスペルマなんだぜ!」
参考文献
『星の王子さま』 サン=テグジュペリ 河野万里子訳 新潮文庫