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エピローグ
あれから、七年たった。
悠希は、美香と結婚し、子供をひとり、持っていた。
名前は、杉城 棗。棗はもう今年で、四歳になる男の子である。
悠希はあのバカでかい杉城の家を出て、親とは別々に暮らしていた。
あの忌まわしい事件のことは、親も知っていたようで悠希はそれが嫌だった。
美香はあの時よりずっときれいになって、椿己が生きていたら、やっぱりあげなきゃ良かったって言うんじゃないかって思うほどだ。
あの封印の後、椿己は跡形もなく消え、やぐらも、静かになって、目の前に白いペンダントが落ちていて、それを拾って終わりにした。
殺されたあいつらの親には、悠希と美香は正直にすべてを話した。
しかし、あまり親たちには受け入れてもらえず、葬式は、開かれなかった。
さすがにその時は悠希も荒れて、それではみんなが浮かばれないじゃない!!と反論した。
親たちは、いつかひょっこり子供たちが帰ってくのではないか、と思っているようだ。
それは、ありえない話だ。冬香、亜海、椿己、ましてや寛也は、悠希の目の前で死なせてしまった。
「父ちゃん」
「何だ、棗」
家の中庭で、棗は悠希のズボンのすそを引っ張って呼んだ。顔は男らしいとは言えず、どちらかといえば、女顔である。美香にそっくりで、かわいらしい息子だ。今になってすっかり悠希は親バカになってしまった。
「悠希、棗〜ご飯できたよ〜」
「お、母ちゃんが呼んでるぞ。行こうか、棗」
「うん」
にっこりと笑って、とことこと父親のあとへくっついていく。
「今日のご飯はカレーよ」
美香が笑って言った。つんとカレーのサフランのにおいが鼻を突く。
家族三人仲良くテーブルの椅子にすわって、ご飯を食べた。
「父ちゃん」
「何だ、棗」
「友達の雫ちゃんが、はじめ島ってところに行くんだって」
悠希の手から、スプーンが音を立てて落ちた。
「そんでね、棗も行く?って誘われてるの。だから、行ってきてもいい?」
地獄は、再び始まろうとしていた。
いやー完結!こうして見ると、何だか感慨深いですぅ…
前半っていうかほとんどが昔の方(下書き)という文才がより皆無の方を載せてしまっていました…゜゜;
今度改訂版でも出そうかな!!と思っております。
そのときには悠希と美香の秘密ストーリーでも…入れてみましょう(笑)
ここまで読んでくださった皆さん!!本当にありがとうございますっ!!
ほかのもどうぞ、よろしくお願いします(_ _;)
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〜Mより〜