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わらべうた  作者: CM同盟
15/19

15p

悠希は、美香と椿己をつれて、山の中のやぐらへ向かっていた。

案の定、開けっ放しのやぐらの中には赤、青、金のビー玉のようなものが転がっていた。

やぐらに近づくにつれ、悠希の白いペンダントは輝きを増していたが、今、その輝きは最高頂に達していた。

悠希は自分の首から、ぶちっと乱暴にそのペンダントを引きちぎった。


―ホウ、ワタシヲフウインスルツモリカ…―


頭に直接響くような声。悠希はめまいを起こした。

「悠希っ!」

美香が悠希の体を支える。

吐き気、頭痛、関節痛…今の悠希は満身創痍だった。

しかし悠希はそのペンダントをやぐらの中へ押し込めた。

そのとき、足元の地面が揺れた。

「な、何だ!?」

―オマエラハコノシマモロトモウミにシズムノダ…フウインサセハシナイ…マチワビタフッカツナノダ―ジャマヲスルナ!!――


悠希は耐え切れなくなって、近くの草陰に胃液を吐いた。ひどく気持ちが悪い。

「大丈夫か、悠希」

「あぁ…」

椿己に助けられながら、よろよろと立ち上がる。地鳴りはやんでいない。

海に沈む…悠希はいったん森の外へ出た。

潮が、満ち始めている。

いや、潮が満ちるどころではない。波が、迫ってきている。

すでに初日に座っていたところは水浸しになっている。島が沈んでいっているのだ。

「早く行こう!」

悠希は森の中へ駆け込み、やぐらの扉に手をかけた。

そして思いっきり力をこめて、扉を閉めようとした。

しかし、悠希は扉を閉めることができなかった。

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