表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

989/1075

自前公共工事

翌日、デメテの日。約束通り北の城門でマイコレイジ商会と待ち合わせ。やはりリゼット自ら来てるんだな。


「おはようございますカース様。本日はよろしくお願いしますわ。」

「セプティクでございます。よろしくお願いします。」


「おはよう。今日は頼むぜ。」

「ピュイピュイ」

「ガウガウ」


楽園に行くと聞いて特にカムイが喜んでいる。尻尾がぶんぶん振れているではないか。大きい体のくせにかわいいやつめ。


「今回のスライム式浄化槽はこちらの二つです。お風呂用がありますので少々大きくなっておりますわ。」


楽園の我が家にセットした浄化槽は一メイルの立方体だったが、風呂用のやつはニメイルもある。トイレ用は普通サイズだが。


「問題ない。これに乗せよう。」


『浮身』


昨日消費した魔力がまだ全部は回復してないんだよな。現在六割弱ってところか。まあ問題ない。


「では出発だ。」


「カース様こわーい!」


腕に抱き着いてくるのはいいが、まだ飛び立ってないぞ。対外的にはダミアンの婚約者だろうに。私の知ったことではないが。




領都からおよそ二時間。楽園に到着した。いつぶりだろう。こっちの我が家も懐かしいな。そろそろ執事やメイドゴーレムもこっちに移しておくべきか。


「相変わらずカース様はすごすぎですわ……」

「まったくです……」


「そうかもな。さて、置き場所だが……」


一応ここの住人に相談してやるかな。ちょっと見ない間に掘っ建て小屋がグレードアップしてたり数が増えてたりするし。


『おーい、誰か起きてる奴はいないか?』


起きてる奴がいなくても拡声の魔法で叩き起こしてやる。


出てきたのは五、六人か。他はまだ寝てるのか、それとも冒険に出かけたか。


「おう元気してたか。例のやつを用意してきたぜ。」


「おおー魔王かよ!」

「朝からでけぇ声出すんじゃねぇよ!」

「例のやつって何だ?」

「ありゃあ浄化槽か?」


「お待ちかねの風呂と便所だ。きれいに使えよ。」


「なんだとぉー!」

「まじかぁー!」

「そういや言ってたよな!」

「こんなとこで風呂だとよ!」


「場所なんだが、ここらでいいか?」


「おお! 頼む!」

「いいじゃんいいじゃん!」

「そっちのねーちゃんも入るんかよ!?」

「まさか湯女かぁ!?」


「バカ。マイコレイジ商会の会長様だぞ。」


「冒険者の皆様。今回の建築を担当いたしましたマイコレイジ商会のリゼットでございます。今から浄化槽の設置などを行いますので、済み次第入浴できますわ。」


では場所はそこらで。まだまだ広いもんな。無駄に広く作ったもんだ。発展させる気は全然ないが城壁で囲うのってちょっと面白いよな。


では、魔力庫からまずは公衆浴場を取り出す。うーん、大きい。十五メイル四方の正方形。中は脱衣所と風呂部分が七対三、風呂部分は湯船と洗い場が半々だ。


「では皆様こちらへどうぞ。うちの者が浄化槽の設置を行なっている間に使い方をご説明いたします。」


リゼットが冒険者達に説明している間に私とセプティクさんは浄化槽の設置部屋へ。重たいこいつは私が運ぶしかないからな。




「はい、そちらです。あのくぼみにこの向きで、はいそうです。そのままゆっくりと押し込んでください。」


「オッケー。」


「はいバッチリです。ありがとうございます。では終わりましたらお呼びいたしますので。」


「オッケー。よろしく!」


餅は餅屋だ。後は任せた。白ご飯と餅、どっちも食べたいな……




「はいっ、というわけです。何かご質問はございますか?」


「水が空になっちまった場合は適当に水球でも何でも使って追加すればいいんだよな?」


「はい、その通りです。あそこの投入口に適当なサイズの魔石を入れてもいいですし、お任せします。」


「ぬりぃ時ぁこっちで温度上げるぜ?」


「それもご自由に。これから寒くなりますからね。」


「金払わねぇでいいってのは本気かよ?」


「ええ。カース様のお慈悲は空より広いのです。希望者のみ入口横の硬貨投入口よりお好きなだけお支払いくださいませ。」


「女ぁ連れ込むのぁアリかよ?」


「もちろんご自由にどうぞ。変な汁で汚した場合はご自身できれいにお掃除なさってくださいね。防汚の魔法はかかっておりますが。気持ちが大事ですものね。」


うーん。さすがリゼット。うまく対応してくれてるな。ありがたい。まあほとんどのルールや使い方は壁一面に大きく書いてあるし何か問題が起こったらその都度対応すればいいだろう。もし壊れたら二度と作らない可能性が高いけどね。いやー気まぐれで大きい買い物をしてしまったもんだ。さすがに元は取れないだろうな。


「さあ皆様。次は公衆便所に参りますよ。」


よし、トイレの場所はここの隣だ。まあトイレの使い方なんぞ説明するまでもないよな。後はセプティクさん待ちか。うーん、この間にマギトレントをゲットしてくるか……さすがに無理だな。でもセプティクさんの作業が終わった後なら? 午後三時にここを出さえすれば閉門には余裕で間に合う。ありだな。よし、そうしよう。




「リゼット、相談がある。」


「はい! 何でしょうか!」


ちょうどトイレの説明を終えて出てきたところのようだ。


「ちょっとノワールフォレストの森まで行ってくる。遅くともここには三時には戻ってくるからさ。すまんがセプティクさんと待っててもらえないか?」


「もちろん大丈夫ですわ。公衆便所の設置準備が終わってから行かれるのですね?」


「その通り。ちょっと狙ってる木があってな。昼食は適当に肉を置いていくからみんなで食べるといい。護衛にカムイを置いていくから。」


カムイも一緒に行きたいだろうにすまんな。こんな荒くれどもの中に民間人を放置はできないからな。


「ガウガウ」


そこにタイミングよくセプティクさんが出てきた。風呂の方は終わりだな。では儀式をやって鍵を受け取ってと。次はトイレだ。




すぐにトイレの浄化槽設置の準備も終了。


「じゃあ待たせて悪いがちょっと行ってくる。何なら家で休んでいいからな。鍵は開けておいたから。」


「お気遣いありがとうございます。行ってらっしゃいませ。」


よし、マギトレント目指してレッツゴー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i00000
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ