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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

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救急救命キアラ

私はセルジュ君に呼ばれ、慌ててコロシアムに戻った。キアラも連れて。


「つまりスティード君はバーンズさんにやられたってこと?」


「そうなんだよ! 手も足も出なかったんだ!」


「それでスティード君を治すのに魔力が足りないんだね?」


「そうなんだよ! 治癒魔法使いさん達はもうこれ以上ポーションを飲めないそうなんだ!」


無理もない……あれだけ治癒魔法を使い続けたんだもんな……

やはりキアラを連れて来てよかった。


「キアラ、あのお姉さんにゆっくり魔力をあげてくれるか? ゆっくりだぞ?」


「いいよー!」


「はあ? 魔力をー!? はっ、ぐあっばがぁっ!?」


キアラの魔力譲渡。これも私にはできない。ナーサリーさんや母上みたいに吸い取ってくれるのならいいんだが。そんなことがそうそうできるはずもない。だからキアラが頼みだったんだ。


「うぷっ、ぐぇ……ふぅ……よーし。魔力はバッチリよー。治してやるさー。治ったらガッツリ払ってもらうからねー!」


「いいですとも! いくらでも払います! きっちり元通りに治してくださいよ!」


スティード君のためならいくらでも払ってやるさ! それにしてもバーンズさん……容赦ないな……あ、違う、スティード君が相手だからか。そりゃ手加減できないわな。でも一言文句言いに行こう。


「キアラー。あのお姉さんの魔力が減ったら渡してやってくれるかー?」


「いいよー!」


よし、これでここは大丈夫だな。バーンズさんはどこだー?


「セルジュ君、ここを頼むね。」


「う、うん!」




おや? あいつ何やってんだ?


「おいラグナ。こんなことで何してんだ?」


「あぁボスぅ。いやー参ったさぁ。あのスティードの相手をしてやろうと思ったらさぁ。あっさり負けちまったよぉ。末恐ろしいガキだよぉ。まぁボスほどじゃあないけどねぇ。」


「もしかして、スティード君の胸元にあった十字傷はお前か?」


「あぁ、あれかい? 四つ斬りにしてやるつもりだったんだけどねぇ。全然だめだったさぁ。あんなしょぼい傷しか付けられなかったねぇ。」


へえ。スティード君に傷を付けるなんて。ラグナのくせにやるもんだな。


「バーンズさんはどこにいる?」


「さあ? ダミアンのとこじゃないのかぃ?」


ああ、ダミアンとバーンズさんは仲良かったもんな。会場はえらく盛り上がってるな。もう終わったんじゃないのか? とりあえず放送席に行ってみるか。




『本日の予定は以上でーす! 明日もまた来てくださいねー!』


黒百合さんのアナウンスが聞こえた。全て終わったんだな。


「おーダミアンいるか?」


「おうカース。まだいたのか。スティード君の具合はどうよ?」


「問題ない。それよりバーンズさんは?」


「もうすぐ来ると思うぞ?」


「ようカース。俺に何か用か?」


いいタイミングじゃないか。


「お疲れ様ですバーンズさん。文句を言いに来ました。」


「文句? スティードの腕を切断したことか?」


「いいや、バーンズさんの大人気ない行動にです。もう少しぐらい手加減してくれてもよくないですか?」


「おいおい無茶言うなよ。あのスティードが相手だぞ? お前が魔法を使うんなら手加減しても勝てるかも知れねー。だが俺にぁ無理だ。あいつは手加減して勝てる相手じゃねー。」


やはりか……結構嬉しい……さすがスティード君。このことを伝えてやったら喜ぶかな?

そもそも五等星が何で参加してんだって話でもあるが……


「そうですか……バーンズさんが大人気ないってことに変わりはありませんが、少し納得しました。明日は出ないでくださいよ?」


「当たり前だ。今回だってカースがいないのをいいことに出てみただけだからな。」


バーンズさんは私を警戒しているのか。またまた嬉しい。


「そんでダミアン? 明日はどんなルールになってんだ?」


「まあ焦んじゃねーよ。明日になりゃあ分かるさ。今度は勝てよ?」


「おう。まあルール次第だけどな。」


魔法なしって言われたら勝ち目がなくなるぞ?

文句言ってスッキリしたことだし、医務室に戻ろう。無事に治ってるといいが……




治療は難航していた。ただ切断されただけでなく、傷口が焼け焦げているからだ。ここで意外な力を発揮したのはキアラだった。率先して治癒を行っているでないか。そりゃそうか、キアラだって治癒魔法が使えるんだもんな。本当にすごい妹だ。


「カー兄ー、魔力ちょーだーい。」


「も、もちろん! 好きなだけあげるさ!」


キアラのやつ、渡すも吸うも自由自在かよ。


ぬうぉっ? 一気に二割ぐらい抜かれた……キアラめ、やるなぁ……それに、これでスティード君が治るなら安いもんだ。


今さらだが、腕が切断されても翌日には治ってるって……うちの母上でなくとも普通にそれができる治癒魔法使い達か……凄いものだ。

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