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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

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カースの心配

意識が朦朧としているアレクを連れて医務室にやって来た。悪いがアイリーンちゃんは無視だ。


「あらー、これはひどいねー。肋骨と頬骨が折れてるよー。治していいの? 失格になるけど。」


「構いません。きれいに治してください。」


「ま、待って……カース……」


ちっ、意識はあるのか。寝ておいてくれよ……


「アレク、治してもらうよ? どうせこれじゃあ戦えないよね?」


「だめよ……アイリーンを犠牲にしてまで勝ったのよ……私の判断だけで、終わりにはできないわ……」


くっ、確かにそうだ……


「それに……私にだって意地があるわ……カースだってそうでしょう……?」


「そうだね……」


「アイリーンが何と言うかは分からないけど……私は諦める気はないわ……」


あぁもう心配だ……アレクも強情なんだから……


「アレックス。具合はどうだ?」


「よくないわよ……あなたはどうなの?」


「ふん、悪いに決まっている。まあ私は直撃ではなかったから打撲と言ったところだ。」


「アイリーンちゃん、棄権する気はないの?」


「カース君には悪いが、ない。勝ちたいのはアレックスだけでないのだからな。」


アイリーンちゃんは脳筋だもんな……


「当然よね。戻るわよ。次の相手を見ておかないと……」


「アレク……」


ぬあああーーー!

心配すぎる! 棄権してくれよー! ああもう! きれいな顔が腫れあがってるじゃないか! 色だってドス黒い……頬骨が折れてるんだ、当然か……


「アレックスちゃん! 具合はどう!?」


おお! セルジュ君! 心配して来てくれたのか! 嬉しい!


「カース君! アレックスちゃんはどうなの!?」


「来てくれてありがとね。良くないのにさ……次も出るんだって……」


「やっぱり良くないんだね……あの二人は強かったもんね……」


「セルジュ君、わざわざありがとう。次も出るから応援お願いね。」


「アレックスちゃん……」


仕方ない……この上は少しでもアレクの力になれるよう、次の対戦相手を見ておかないとな……


「行こうか……」


せめてお姫様だっこぐらいはさせてもらうぞ。私の出番ギリギリまで降ろしてやるものか。


「ええ、お願いするわ。アイリーンは? 歩ける?」


「当たり前だ、痛っ……」


「バカが……無理しやがって。ほら、掴まれよ。」


「バラド……」


おお、スティード君とバラデュール君まで来てくれたのか。


「やっぱりスティード君は危なげなく勝ち上がったね。」


「カース君こそ、あんなにハンデがあるのに全く意味がないよね。」


「次だね。負けないよ。じゃあ僕は試合を見に行くから。」


「僕だって負けないさ。カース君の弱点だって分かってるんだからね。」


うおっ? スティード君にしては挑戦的だな。私の弱点……甘いところか? まあいい。アレクに試合を見せてあげないと……


ちなみに歩きがてら話してみればセルジュ君達は予選でスティード君達に負けたらしい。そりゃあ相手が悪い。思い起こせばセルジュ君と戦ったことなんてないんだよな。魔法が多彩で魔力がアレク並みに高いことは十分知っているのだが。戦ってみないと分からないこともあるだろう。少し気になってきたな。


医務室を出て武舞台に戻ってみると、既に対戦は終わっていた。さすがに遅すぎたか……


「いいわ、カース。降ろしてくれる? もうすぐ出番よね……」


「う、うん……立てる?」


「ええ、大丈夫よ。スティード君は強いけど、私はカースが勝つって思ってるわ。間違いなくね……」


「うん。僕は勝つよ。先に決勝に行ってるからね。」


アレクの期待に応えるためにも、容赦せず勝つ。フェルナンド先生を相手にするつもりで……速攻で決めてやる。







「おおカース、ヒイズルのあいつらだけどよぉ…….」


「おう、どうだった?」


ダミアンのやつ、きっちり仕事してやがったか。偉い!


「白だったわ。マジで食い詰めてローランド王国に来たみてぇだわ。なんか逃げてきたんだとよ。」


「ほう? それならそれでいいか。また詳しく話を聞かせてもらうとするか。特にバンダルゴウの情報を持ってないかをな。」


王国の南東、港湾都市バンダルゴウ。どの程度ヒイズルの手が入ってんのか知らないが……ローランド王国舐めてやがったらブッ潰してやるぜ。


「とりあえず魔法尋問は終わったことだし、しばらくは目が覚めねぇだろうよ。これが終わったらじっくり聞いてみろや。」


「おう、手間をかけたな。そんじゃあいよいよ準決勝だ。アプルの実、落とすなよ?」


「おお、任せとけ。じっとしとくからよぉ。」


スティード君とは余計なことを考えずに魔法なし、一対一でやりたかったが……まあそれはまた今度でいいか。

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