表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

939/1075

ヒイズルからの刺客!?

「おんどれらだけの控え室じゃねえんどぉ! マナーを守らんかいやワレぇ! 殺しぁげたるどぉコラおぉ!?」


言っていることは間違ってないんだよな。


「すまん。俺達が悪かった。静かにするから勘弁してくれ。これは詫びの気持ちだ。」


分厚い肉の塊をプレゼントする。


「お、おお、分かりゃあええんじゃいや。おんしゃあ魔王じゃろうが? えろう物分かりがええ奴じゃのお、おぅ?」


「ああ。そう呼ばれてる。お前こそ、その剣。ちょっと見せてくれよ。業物だな?」


「おっ? 分かるんかぁ? 仕方ねぇのぉ! 見せちゃろぉいや! バレちまっちゃあ仕方ねぇのぉ!」


やはりか……ローランド王国にあまりいない言葉遣い。そして見慣れない拵えの剣、いや刀。そいつが見せた抜き身の刀身は……紫だった……


「その剣、いや刀の材質……ムラサキメタリックだよな? どこで手に入れた?」


「おお? ムラサキメタリックを知っちょるんか!? ローランドもんもやるもんじゃのぉ! 魔法しか使えんヒョロガリどもかぁ思うちょったがよぉ! こいつぁヒイズルの名工センゴムラの作じゃあ! こいつにかかりゃあのぉ、おんどれらのオリハルコンなんぞぁ目じゃねえけぇのぉ!」


「ほおぅ? オリハルコンが目じゃないのか? そいつはいいな。欲しくなったぞ。 お前、名前は? 俺のことは知ってるんだよな? 魔王ことカースってんだ。」


「ヒイズルの勇者セキヤ・ゴコウじゃあ! 欲しけりゃとってみろやぁ!」


「いいのかい? 僕も欲しくなったよ。セキヤ君との対戦を楽しみにしておくからね?」


おっと、スティード君まで燃えているではないか。それにしても勇者だと? 大ホラ吹きやがって。スティード君にコテンパンにやられてしまえ。


「そんでこいつが勇者の相棒クワナ・フクナガじゃあ! 舐めとったら殺されんぞぉ!?」

「どうも。クワナ・フクナガと発します。みなさんお察しの通りこいつが勇者ってのは自称ですので、お気になさらないでくださいな。」


「どっちにしてもセキヤよぉ。お前との対戦が楽しみだぜ。その刀、銘は何て言うんだ?」


絶対奪ってやる。合法的に。


「こいつか? ムラマサってんだ。俺もてめぇとの対戦が楽しみじゃあ魔王よぉ!」

「実際のところナマクラですよ。数打ちの安物ですからねぇ。」


むしろムラサキメタリックが数打ちとは贅沢な話だよな。ヒイズルの民か……情報収集しないとな……


「それにしても、ヒイズルからよく来たもんだよな。長旅で大変だったろう? 酒でも飲むか? アレク、酌をしてあげてよ。」


魔力庫から酒を取り出す。ディノ・スペチアーレの二十年物は出さないけど。


「セキヤさんとおっしゃるの? 私、強い男の方って好きだわ。さあさ、お飲みになって?」


「お、おお、おっう、こ、こいつぁかっちけねぇ、ね、ねぇさん、えらく美人じゃあ……えへへ……」


こ、こいつ童貞かよ。一瞬でアレクの色香に血迷ってやがる。


「うわぁ男らしい飲みっぷりですわ! さあどうぞ。好きなだけお飲みください。クワナさんもどうぞ。」


「えへっ、うへ、そ、そうか? 俺ぁヒイズルでも随一の酒飲みじゃけぇのぉ! かはぁーうめぇ! ローランドの酒も捨てたもんじゃねぇのぉ!」

「僕はお酒が飲めないんで。残念だなぁ。アレクサンドリーネさんとおっしゃいましたね。やはりあのアレクサンドル家なんでしょう?」


「私は分家ですわ。本家とはあまりいい関係ではありせんの。クワナさんって落ち着いた渋い方なんですのね。」


おやおや、お互い情報の取り合いかよ。面白いな。


「なあクワナちゃんよぉ。ヒイズルはバンダルゴウをどうしたいんだ? ずいぶん力を入れてるよなぁ?」


ローランド王国の南東バンダルゴウ。ヒイズルが橋頭堡として獲りにきてるんだよな。そんな奴らがなぜフランティアまで来てるんだか。


「バンダルゴウじゃあ!? そんなん知るかいやぁ! そんなことぁ役人どもに任せちょきゃあええんじゃあ! 俺ぁそねぇなことよりローランドの強者と戦いたいんじゃあ!」

「僕らはバンダルゴウの港に上陸したんです。そこから武者修行を兼ねてここまで来たんです。やっぱり修行するなら魔境ですからねぇ。」


「まあ! なんて素敵なの! 遠く国を離れて単身武者修行だなんて! 流浪の騎士ね! 憧れるわぁ……」


アレクの芸達者ぶりもすごい。でもあんまりセキヤへのボディータッチが多いのも嫌だな。


「へへ、そうじゃろう? 俺らぁローランドで一旗上げてのぉ! ヒイズルへ錦を飾るんじゃけぇのお!」

「食い詰めてヒイズルを飛び出しただけなんです。どうかお仕事ください……」


うーん、怪しい。とりあえずもっと飲ませておこう。酔い潰れやがれ。




さて、そろそろ決勝トーナメントが始まる頃だな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i00000
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ