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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

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買い物デート

所変わってマーキーブランダに来てみた。同じ領都であってもここらの一流店が軒を連ねるエリアにはあんまり来ないんだよな。

高級飲食店のベイルリパースやヘイズクラッセもこの辺りにあるが、やはり最近は来てないな。マーリンの料理が美味しいせいか?


それはまあいいや。カムイにちょうどいいブラシはあるかな?




「いらっしゃいませ」


挨拶からして丁寧さが違うね。そこらの店なら、良くても「らっしゃ〜い」だもんな。


「ペット用のブラシを探している。この子に合うようなのはあるかい?」


「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」


やはり有るのか。さすがだな。


「お待たせいたしました。マーティン様のカムイちゃんにはこちらのスリッカーブラシがお勧めでございます」


すごいな……一度しか来てないのに私の名前にカムイのことまで知ってるのか。そしてこれはスリッカーブラシというのか。T字の剃刀を大きくしたような形状だな。


「ソフトなものからハードなものまでございますが、ご希望はございますか?」


あー、櫛の歯の硬さが違うんだな。それに密集具合も違うし。カムイ、どれがいい?


「ガウガウ」


なるほど。


「すまないが試させてもらえないかな。こいつが確かめたいと言うものでな。」


「もちろんよろしゅうございますとも」



さわさわ……



しゃくしゃく……



がしゅがしゅ……



すっすっ……



しゅりしゅり……



どうだカムイ、気に入ったのはあるか?


「ガウガウ」


何だって?

目の粗いハードなやつで大まかに梳かして、目の細かいソフトなやつで仕上げをしろって? まったく……贅沢なやつだなー。


「これと、これを頼むよ。それからアレク、何か欲しいものはない? 好きなだけ買い放題だよ。」


「あらそう? ならありがたく買わせてもらうわね。」


今思えばマーリンとリリスも連れてくればよかったな。適当にお土産でも買ってやるか。私も何か買おう。




自分用にもお土産用にもスカーフを買ってみた。もっとも私はバンダナとして利用しようかと思っているが。例えば正体を隠したい時なんかに。


「カース、お待たせ。これにしたわ。」


アレクが選んだのはブラシ。だいぶ髪が長くなってきたからかな。それが色違いで四つ?


「マーリン達へのお土産よ。」


「さすがアレク。似たようなことを考えるね。」


「じゃあカースも?」


「うん、スカーフを選んでみた。ラグナの分は忘れてたけど。」


いささか買い足りない気もするが、特に欲しい物もないし、いいだろう。


「支払いはこれで頼む。」


「はい。手形でのお支払いですね。ではこちらに金額と署名をご記入くださいませ。しめて金貨五枚と銀貨四枚でございます」


「分かった。」


こんな時はイェンで記入しないといけないか。540,000イェンか。銀貨一枚が一万イェンだもんな。そしてサインっと。なんだかあんまり得した気がしないな。もっとごっそり高額な品を買うつもりだったのに。欲しいものがないってのも寂しいものだな。




「それじゃあコーヒーでも飲んでいかない?」


「いいわね。じゃあ私が出すわ。たまにはいいでしょ?」


「うん、ありがとね。ご馳走になるよ。」




カース達がのんびりお茶などしている頃、クタナツでは……

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