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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

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ドナハマナの騎士達

朝、宿にて目を覚ました私。今日はサラスヴァの日か。全然予定のない日って久々かも知れない。明後日の放課後まで完全にフリーだ。

ならば、慌てて帰る必要もない。アレクにラフォートのお土産を買うのもいいだろう。


まずは朝食だな。どんなメニューなんだろう。たまに、ひどく味噌汁が飲みたくなることがあるのだが、ヒイズルにはあるのだろうか。小国のくせにローランド王国を侵略しようとしているようだが、味噌汁や醤油があったら許してやってもいい。訪れる日が楽しみだ。


さて、料理だが……朝から豪華だった。なんで昨夜の夕食より豪華なんだよ。魚介の旨味がふんだんに活かされているスープが特に気に入った。コーちゃんには朝からワインが出されている。


その後は部屋に戻り二度寝を楽しんでから出発。すると、なんと宿の出入口に従業員がズラッと整列しているではないか。大物でも来るのか? なんて思ってたら亭主らしき奴が私の方へ。


「魔王様! この度は私ども『湖畔の水神亭』にご宿泊いただきまして、ありがとうございます!」

『ありがとうございます!』


びっくりした。私に気付いたのか。


「美味しかったよ。また寄るかも知れない。」

「ピュイピュイ」

「ガウガウ」


「ありがとうございます! 従業員一同お待ち申しております!」

『またお越しくださいませ!』


「あ、ああ、じゃあまた。」


『ありがとうございました!』


驚きだ。まさかこんな待遇を受けるとは。夕食の時に冒険者に魔王だとバレたから、それで宿側も気付いたってとこかな。結局夕食や朝食の割増料金を請求されてないし。コーちゃんやカムイの分は後から払うつもりだったのに。



さてと、何かお土産を探そう。適当に雑貨屋なんかを見て回るとしようかな。ラフォート饅頭とかノノヤフク湖ペナントとかはさすがにないだろうな。何かアレクに似合いそうな宝石でもあれば……




一軒目。陶器や染物がある店だった。

陶器は論外として、ハンカチやスカーフもアリかとは考えたが、サヌミチアニやホユミチカほど品質が良くない。よって何も買わずに出た。


二軒目。木工などの民芸品がある店だった。

領都でも楽園でも私の家は飾り気がない。大抵の貴族の邸宅は廊下や壁はおろか、天井まで豪華に装飾されていると言うのに。

だから何か買ってもいいかと思ったが……カッコいいのがないからやめた。


三軒目。画廊だろうか。

入るなり店員が、あれは誰それの作だ、それは誰それが何をモチーフに描いた逸品だ、など聞いてもいないことを喋ってくるのですぐに出た。



そして四軒目で事件が起こった。

その店は酒屋らしく、コーちゃんが寄りたいと言うから寄ってみたのだが。

店内では酔っ払った三名の騎士が女性店員の服を斬っていた。ロクな腕もない上に酔っ払いである。店員は致命傷ではないものの、それなりに怪我をしているではないか。


「お前ら穀潰しのヤコビニのガキ共か?」


「ああ!? どなたの名を呼び捨てにしてやがる!」

「我らは誇り高きドナハマナ騎士団なるぞ!」

「日夜城塞都市を守るため身を粉にして務める我らに生意気な口をききおって!」


「つまりお前らは役立たずのヤコビニの残党なんだな?」


「おのれ! もう許せん! 二度までもヤコビニ様を呼び捨てにしおって!」

「表に出るまでもない! この場で斬り捨ててくれる!」

「おお! 貴様の血を酒に混ぜて飲んでくれるわ!」


確定だな。こんなに簡単に出くわすってことは、結構たくさんいるんだろうな。嫌な街だ。伯爵も苦労するなぁ。


狙撃(スナイプ)

『乾燥』


まず二人ほど額に穴を開けた。瞬時に乾燥の魔法も使ったので血で汚れることもない。


「なっ、グレヒテ! ノメユコ! 貴様何をした!?」


『水壁』


頭までしっかり浸かって暖まるといい。


「おねーさん、これあげる。」


「こ、これは……ポーション……ですか?」


「結構いいやつだよ。半分飲んで、半分は傷にかけるといい。」


「あ、ありがとうございます! で、でも騎士団に手を出してしまったら……」


「ああ、大丈夫。伯爵に話はしてある。ヤコビニ派の残党は皆殺しにしてもいいってね。」


厳密には違うけど構いはしない。


「じゃあお大事に。」


二つの死体は収納し、一人を浮かせて外に出る。


水壁一部解除。


「お前らのようなヤコビニ派の残党は何人いる?」


「ぐはぅど、し、知るかぁ!」


「それは残念。」


また水壁で頭を覆う。そしてまたてくてく歩く。市民は奇異の目で私を見る。当然か。


時々水壁を解除しては呼吸をさせてやっているが、中々素直になってくれない。


そうこうしているうちに城門に到着してしまった。大勢の騎士が待ち構えているではないか。

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