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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

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戦い終わって

カムイ。見事だったぞ。最後はどうやったんだ?


「ガウガウ」


ほうほう。稲光を切り裂くように飛び降りて潰されない位置まで逃げたと。そこからすぐ反転して奴の無防備な喉元を通り過ぎ様に噛み切ったと。とても噛み切るってレベルじゃなかったが、お見事。傷だらけだけど力勝ちと言ったところか。風呂入るか?


「ガウガウ」


よしよし、こいつを片付けてからな。大き過ぎて私の魔力庫にも入らない。助っ人を呼んでくるから好きに食べてていいからな。コーちゃんも。


「ピュイピュイ」

「ガウガウ」


とても一人で解体なんかできるわけないしな。楽園に戻って来よう。





「ただいま。」


「お、おう魔王! さっきのルフロックどうなった!」

「心配してたんだぞ! ちっとだけな!」

「見た感じ無傷だよな?」


そりゃあ私は何もしてないからな。


「うちの狼が仕止めたぜ。そこで相談。解体するから手伝ってくんねーか? 肉と魔石以外の素材は各自の魔力庫に入るだけ持って行っていいから。」


「マジかよ!」

「あの白い狼が!?」

「どうやってだよ!」

「そんなのはいいんだよ! やるぜ!」

「おお! いくぜおめーら!」

「太っ腹すぎんだろ!」


全員をミスリルボードに乗せて現場へゴー。さっきまで食べるのに使ってたミスリルボードに乗るのは妙な気分だが、人数が多いからしょうがないよな。


「改めて見ると……やっぱデケぇな……」

「どっから手ぇつけるよ?」

「いつも通りやるしかねぇだろ……」

「毛ぇむしって、肛門から切って、内臓を処理して……だな」

「じゃあ魔王よぉ、一旦丸焼きにしてくれよ。そしたらいらねー毛がなくなるからよー」


「なるほど。分かった。」


コーちゃん、カムイ、避けておいてねー。


『浮身』

『燎原の火』

『風操』


全身をしっかりと炎で覆う。しっかり空気も送って焼きムラがないように。しかし、見た目には全く変化がない。死んでるくせに魔法が効いてないんだよな。どこまでもしぶとい奴だわ。


一分後、それぐらいでいいと言われたので火を止め地面に降ろす。気持ち程度は毛が少なくなったかな。


「おーし、んじゃあ地道にやるかよ」

「おお、こんなの初めてだわ」

「くぁー、見てみろよこれ! 一本抜くのにどんだけ力ぁ使わせてくれんだよ!」

「しかしこいつぁ高く売れっぜ? 魔王様々だぜぇ!」


彼らは強靭なルフロックの羽根を一本ずつ手作業で抜いている。一本抜くのに巨大な大根でも引っこ抜くかのようなポーズと力で当たっている。私は魔法にしよう。『金操』


魔力の無駄遣いが半端ないが現在は満タンだから気にしない。結局、羽根をむしるだけでもう日が暮れてしまった。大き過ぎる!


「おう魔王、このまま続行すんぞ?」

「他の魔物に食われちゃあたまんねぇからよ?」

「おめーは疲れたんなら休んでいいからよ?」

「俺らは朝までぶっ通しってこともよくあるからなー」


私は魔法しか使ってないからあんまり疲れてないんだよな。それにしてもこいつら、やはりここを主戦場とするだけあって屈強さが違うな。やはり私がタメ口をきいていい相手ではないが、今さら直す気もないしな。別にいいや。


「なら明るくしとくわ。」


『光源』


光に惹かれて魔物が来そうだけど、それならそれで稼ぎが増えるってことで。


「おおー明るいじゃねぇか!」

「これならいけるぜ!」

「手元の明かりも欲しくねぇか?」

「なら自前で光源使やぁいいだろー」


しかし獲物が大きいとやはり時間がかかるよな。ここからは内臓の処理だし、血に寄ってくる魔物も増えそうだ。虫がいないのはありがたいが。


「じゃあ肛門から腹を裂くぞー。内臓を傷付けんじゃねーぞ?」

「分かってるぜー。しっかしデケーよな。感覚が狂っちまうぜー」

「おー魔王、そこらに穴掘っといてくれよ。大きいやつな」


「おう、任せな。」


穴掘りは得意だ。腹を裂くと捨てる物がたくさん出てくるもんな。フェアウェル村の村長から消臭の魔法を習っておけばよかったな。まあ私の周囲は浄化をし続けてくれよう。




結局朝までかかって全ての解体を終えた。あれから帰ってきた冒険者達もどんどん参加してくれたおかげで、早く終わってしまった。

ちなみにルフロックの肉はそこそこ旨いらしいが、上手に処理をしたコカトリスやトビクラーほどではないらしい。そんな肉で私の魔力庫が三割ぐらい埋まってしまった。魔石もそのうち使い道があることだろう。冒険者に人気だったのは嘴と爪だな。売っても加工しても美味しいらしい。

おかげで朝までかかりはしたが、みんな相当嬉しそうだった。かなりの臨時収入だろうしな。予定を前倒ししてクタナツに帰る奴もいるらしい。


私は眠気が限界だが、あいつらは今から宴会をするらしい。コーちゃんとカムイも参加するようだ。みんな元気だよな。私からは気持ち程度にルフロックの肉を提供しておいた。




「なんだよ魔王は寝たんかよー」

「まだまだ子供だよなー」

「昨日で十五歳っつったか? 俺らの頃と大違いだよな」

「だよなー、あれで八等星になりたてかよ。さっさと四等星にでもなっちまえって話だぜ」

「全くなー。勘弁して欲しいぜ」

「カムイっつったな。オメーもやるよな。よくルフロックなんかに勝てたもんだよな」

「ガウガウ」

「蛇ちゃんも食え食え。お、酒が好きなんだったな」

「ピュイピュイ」

「いい飲みっぷりだぜ!」

「おーし! 魔王とカムイに乾杯だー!」


『かんぱーい!』


そんな冒険者達も二時間もすれば一人、また一人と倒れていった。徹夜明けで朝から酒、そこに焼肉で満腹になれば当然かも知れない。

肉を焼く人間が居なくなったためコーネリアスとカムイはそこらにある生肉を全て食い尽くしてから家に帰った。


なお、カムイは無理矢理カースを起こして自分を洗えと催促した。

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