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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

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おもてなしとおつとめ

それから三十分。見える範囲の新芽は取り尽くした。あぁ楽しみだなぁ。私に料理は難しいが天ぷらで食べたいなぁ。塩でもいいし、天つゆでもいい。


「たくさん採れたわね。これだけあればこの夏どころか数年は楽しめそうだわ。」


「そうだね! 少しぐらいおすそ分けするのもいいかもね。さあ、次行ってみよう!」


もしかしてこの台地は当たりなのか?





そろそろ日が暮れる。暗くなる前に帰らないとな。この台地は最高だった。

ゲットした獲物は……タケノコ、自然薯、ヤマブドウ、ワラビ。おまけに山ワサビまで。色味が足りない気もするが、これだけ採れればこの夏はもういいだろう。珍しく魔物も全然出てこなかったし。きっとここは植物の楽園なのかも知れない。


そう思っていたら私達の上空を巨大な鳥が飛び去っていった。あれって確か……


「ルフロックだっけ? やっぱり大きいね。」


「え……ええ……すごく大きいわね……」


さすがに地上にいる私達には気付くまい。もう去っていったことだし。


「オーガやトロルを雛の餌にするらしいね。さすがに相手にしたくないから、見つからないうちにさっさと帰ろうね。」


「ええ、それがいいわ。いくら何でも大き過ぎるわ……」


翼を広げた両翼幅は軽く百メイルを超えているし、全長だってそのぐらいはある。負ける気はしないけど、敢えて戦うこともないだろう。


さあて、帰ったら山菜の下処理かな。アク抜きが大変そうだけど、案外アレクの魔法ならサクッと終わるのではないかな?




やっぱりそうだった。


到着して一緒に下処理などをしようとしたら「カースは休んでて。料理は私に任せてもらう約束よ?」

なんて言われてしまった。妙に嬉しい。


ならばその間は型の稽古だな。虎徹が折れて以来、全然やってなかったからな。今夜は鍛錬棒を木刀代わりに使ってやろう。




わずか一時間後、外で鍛錬棒を振っていた私をコーちゃんが呼びに来てくれた。もうできたの!?


「お待たせ。色々と作ってみたわ。口に合うといいんだけど。」


「うわぁ美味しそう! たった一時間でよくこんなにたくさん作れるね! アク抜きだって大変だったろうに。」


「うふふ。さあ食べましょう。」


「ピュイピュイ」

「ガウガウ」


「うん! いただきます!」


めちゃくちゃ美味しい。タラの芽、いやタラコッドの新芽は素揚げにされてたり、ヒュドラの肉やタケノコと一緒に炒めてあったり。そこに山ワサビの味わいがアクセントとなり食欲を増進させてくれる。ヤマブドウは絞ってハチミツと混ぜてジュースになっているし、自然薯は短冊状に切られてカラっと揚げてある。どれもこれも旨すぎる!

ちなみに揚げ物に使われた油はシーオークの脂肪をそのまま使ったらしい。上手いことカラっと揚がるもんだなぁ。


「はい、これが今夜のメインディッシュよ。」


「うわぁこれも美味しそうだね。何のステーキ?」


「ホウアワビとヒュドラのキューブステーキよ。山ワサビと魚醤で味付けしてあるわ。」


旨い! しかも柔らかい! アワビもヒュドラも肉が硬いはずなのに! アレクは何をやったんだ! 旨いぞー!


「美味しいよ! 美味しすぎるよ! どうやったらこんなに柔らかくなるの!? すごいよアレクさん!」


「もぅ、何言ってるのよ。昨日カースが土の中でヒュドラを蒸し焼きにしてたじゃない? 私も似たような方法でやってみたの。上手くいってよかったわ。」


どんな方法なんだろう? まあ私は美味しければそれでいい。最高だ。


「ピュイピュイ!」

「ガウガウ!」


コーちゃんにカムイもかなりご機嫌なようだ。当然だよな。旨すぎるもんな。


「ちなみにキノコは明日の夕食で使うわ。楽しみにしててね。」


「かなり楽しみだよ。アレクって本当に料理が上手だよね。」


上級貴族の嗜みってレベルを超えてるのではないか? 絶対ベレンガリアさんより上手だよな。つくづく私は幸せ者だ。





「ご馳走様。最高だったよ。ありがとね。」


「食べてくれてありがとう。美味しそうに食べるカースを見ていると私も嬉しいわ。」


へへ、照れるな。


「じゃあ片付けは僕がやるよ。アレクは座ってて。」


「ダメよ。料理って片付けまでのことなのよ? 全部私がやるの。お茶を淹れるから飲みながら待ってて。」


何というおもてなしの心。ならば私は夜のお務めを頑張ろう!

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