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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

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復活の夜

マリーからの手紙には一言『解呪していいですよ』とだけ書いてあった。


何だそりゃ!

私の覚悟は何だったんだ!

いや、まあ、喜んで解呪するけどさ。あ、だからマリーママは楽園で読めと言ったのか。村、もしあの場で読んでいたら……


ふふふ、まあいい。ありがたく解呪させてもらうさ!


「アレク、マリーが解呪していいって。」


「本当!? わ、私お風呂の準備してくるわ!」


ふふ、アレクったら正直なんだから。かわいいやつめ。ではやるか。


『解呪』


ふふ、ふふふふ、ふふはははは!

戻った! 戻ったぞ! 青臭い衝動が私の中から見る見る湧き上がってくるぞ! とても寝室まで我慢できない! 今行くぞー! いざ浴室!




いやー、アレクにはたくさん我慢させてしまったもんな。今夜は……フィーバーだな。




結局湯船に浸かったのは一時間半後だった。アレクは私にしな垂れかかっている。かわいい……


「はぁ……カースが元気になって……よかったわ……」


おっ、ダブルミーニングかな?


「僕もよかったよ。まるで魔力を取り戻した時のように最高の気分だよ。ありがとう。」


「私の方こそ……天にも昇る気持ちって……きっとこのことだわ……」


濡れた髪のアレクは美しい。乱れ髪、乱れ吐息。全て美しい。




そんな時、浴室のドアが開いた。入って来たのはコーちゃんとカムイ。この二人はどちらもドアを器用に開けるんだよな。


「ガウガウ」

「ピュイピュイ」


カムイは洗ってくれって? コーちゃんは来ただけね。よーし。それならキアラ方式だ。水で人形を作ってそいつに洗わせてみよう。


カムイは大人しくこちらに背中を向けてお座りをしている。それを両側から二体の水人形でわしゃわしゃと洗ってやる。ここにはちょいとお高い石鹸だって置いてあるからな。これで洗えば毛並みがキシキシすることもない。当然安っぽい残り香すらないのだ。


それにしても水人形を二体同時に動かすのはやはり難しい。キアラは簡単にやっていたし、おじいちゃんだって何体もコミカルに動かしていた。私にセンスがないと言うのはこの辺りのことなのだろうか。まあいいや。よし、きれいになったぞ。


「ガウガウ」


さあ、カムイも浸かるといい。コーちゃんにはいつも通りタライに水を入れてあげようね。


「ピュイピュイ」


はーっ、幸せだ。全員で揃って入浴、幸せだ。お風呂サイコー。


少しお腹が空いてきたかな。昼は少ししか食べてないもんな。しかし私の魔力庫にはロクな食材が入ってない。二、三日食いつなぐ程度はあるが、ここでそんなショボい飯など食いたくもない。


「アレク、前回みたいな料理って作れる?」


あの深い味わいのスープなんか絶品だったもんな。


「ごめんなさい……王都があの調子だったから。食材がないの……」


あー、そりゃそうか。私の場合は香辛料だから買うこともできたけど、食材は真っ先に食べられてるよな。


「オッケー。じゃあ今夜は軽くクタナツギルドのお弁当にしようか。みんなで一個ずつ食べようね!」


悪いが普段食べてるバーベキューや一流店の食事に比べると数段劣る。冒険者の強い味方ではあるのだが。数十個はあるから今夜と明日の朝はこれを食べて、それから狩りだな。ロボ達に大盤振る舞いし過ぎてしまったか。


「ごめんねカース。また元気の出るスープを飲んで欲しかったんだけど……」


「大丈夫だよ。僕は元気だから。元気になったから!」


「カース!」


湯船で勢いのまま次の戦いが始まりそうになったが、コーちゃんからタライが揺れるから外に出てよーと言いたそうに見られてしまった。カムイからもお湯がバシャバシャして落ち着かないと……ふふふ……


私とアレクはかき込むように弁当を食べた。そして私は、アレクの手を引き……さあ……


寝室へ行こう。


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