表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

722/1075

カースと国王

私が目を覚ましたのは朝の遅い時間だった。よく寝ていたらしい。キアラはまだ寝ているし、母上とマリーは帰ってきているらしい。よかった。


「おはよう。調子はどう? 今日は私がカースの寝顔を見ていたわ。」


「おはよ。バッチリだよ。マッサージありがとね。でもお腹が空いたかな。」


結局昨日は晩飯を食べずに寝てしまったもんな。それにしてもアレクめ。えらく可愛らしいことを言うじゃないか。照れるな。




さて、朝食をいただくとしよう。


「カース、昨日は大変だったようね。」


「母上こそ。大物とか出なかったの?」


「ええ。問題なかったわ。」


いや、そもそも母上なら大物が出たって問題ないに決まってる。愚問だったな。


「ちなみに今夜の夕食はワイバーンよ。楽しみにしてなさい。」


「あら、そっちにもワイバーンが出たんだね。何匹?」


「十匹ぐらいかと。奥様の前にはワイバーンなど空飛ぶトカゲです。」


「さすが母上。こっちにも一匹来たんだけど、全然回収できなかったんだよ。」


何にしても今夜が楽しみだな。ワイバーンって美味いんだよな。さて、王城に行ってこよう。昨日の報告をしておかねばなるまい。もう入れるかな?




王城に来てみると、結界魔方陣は解除されていた。正門周辺の死体もきれいに処分されたようだ。


「ようやく終わりが見えてきたわね。」


「そうだね。やっと僕らの夏休みが始まるね。」


今日は危険もないだろうからアレクも連れてきた。別行動が多かったもんな。コーちゃんだって一緒だもんね。「ピュイピュイ」


正門は依然として壊れたままだが、門番さんはいる。日常が戻ってきたな。


「おはようございます。カース・ド・マーティンと申します。陛下へご報告に参りました。」


「少々お待ちください」


今気付いたけど、わざわざ報告なんて必要なかったんじゃないか? 宮廷魔導士さん達から行ってるはずだよな?


「どうぞ。こちらです」


えらく普通に案内してくれるんだな。忙しいとかで断ってくれてもよかったのに。




通されたのは国王の自室、ではなく執務室かな? 今日は宰相の奴いないのか。側近らしいのが二人だけか。


「カースよ。わざわざ報告に来たらしいな。律儀な奴よ。さあ、聞かせてくれ!」


「申し上げます。まずヴェスチュア海ですが………….」


昨日の出来事と結果を報告する。特にキアラのグッドアイデアをしっかりアピールしておいた。キアラはできる子なんだぜ?


「そのキアラは来ておらぬのか?」


「申し訳ありません。昨日の疲れのためでしょう。まだ寝ております。」


「そうか。会えるのを楽しみにしておるからな?」


「はい、クタナツに帰る前には連れて参ります。」


「それからアレクサンドリーネよ。そなたもよくやったようだ。褒めてつかわす。」


「恐悦至極に存じます。」


「カースや当主のいないゼマティス家をよくぞ守った。天晴である。今月末を楽しみにしておくがよい。」


「かしこまりました。ありがたき幸せにございます。」


おお、アレクを連れてきてよかった。


「カースもだ。そちの手柄は絶大だ。魔王を倒した(いにしえ)の勇者に匹敵すると考えておる。王都を滅亡から救ったのだからな。金、地位、領地、進路。何でも言うがいい。」


「ありがとうございます。月末までに考えておきます。」


今一番欲しいのはアレクとのんびり過ごす時間なんだがな。


「ところで先ほどの妹の話に関係するが、クタナツに帰る前には一家で来てもらおうか。アステロイド達を含む全員でな。」


「はい、かしこまりました。」


あー、母上もオディ兄も活躍したもんな。喜ぶかな。そういえばアステロイドさんとオディ兄はどこにいるんだ? まだ王城にいるのかな?


「残った問題としては盗賊の件だ。普通に考えれば盗賊の百や二百など宮廷魔導士が一人いれば容易い話だ。だが今回は何かが引っかかるのだ。そこでカースよ。今しばらく王都に滞在していてくれぬか?」


マジかよ……

まあ命令じゃなくて頼んでくるところに好感が持てるから構わんが。私ってお人好しだなぁ。


「かしこまりました。もう二、三日ぐらいなら大丈夫だと思います。」


むしろ帰り道に上空から探して全滅させるって方法もあるぞ? 発見できるかが怪しいけど。まあ国王が言うように盗賊なんて何百人いても敵じゃないよな。


それより事後処理が絶対大変だよな。首謀者は何も考えてないバカだし、幹部はたぶん全滅だろうし。引っ掻き回すだけ引っ掻き回して終わりとか……あんまりだろう。マジで投げっぱなしかよ……

捕まえたエルフなんか幹部の名前どころか人数すら知らないってんだから。私の奴隷にしようかと思ったが、気分が悪いから国王に丸投げしようかな……そうしよう。


「それから先日ご報告したエルフの件ですが、王宮側でも取り調べとかされませんか? ロクな情報はないでしょうが、奴隷として使う分には役に立つかも知れません。」


「捕らえたそちがそう言うのであれば、こちらとしては助かる。ありがたく受け取るとしよう。」


「今朝の時点ではまだ生きてましたので、大丈夫だと思います。後で連れて参ります。」


よし、厄介払い成功。あいつらを見てるとムカついてくるからな。せいぜい鉱山かどっかで死ぬまで働きやがれ。


まあ普通は何をおいても確保したい証人のはずだが、あまりにも価値がないよな。せいぜい私の報告の裏を取ることぐらいしか使えない。質問の仕方によってはまだまだ新事実も出てくるだろうから全くの無価値ではない、か?


さて、昼までまだ時間があることだし辺境伯家に行ってみるか。お兄さんやパスカル君、ベレンガリアさんが心配だからな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i00000
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ