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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

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濡れ衣あるある

私は早朝から数人の男の子に囲まれていた。


「僕は見たぞ! エイミーがこの小屋から泣きながら飛び出してきたのを!」


「よく見えたね。小屋の中は明るかったから飛び出した一瞬を捉えたんだね。つまりずっと入口を見てたんだね? 話は聞いてないの?」


「ち、違う! たまたま見えたんだ! エイミーがトイレでもない方に行くから!」


それって簡易ハウスに入る前からずっと見てたんじゃん。


「事情なら彼女に聞いた方がいいよ。悪いけど僕の口からは言えない。」


そろそろソルダーヌちゃんかエイミーちゃんが起きてこないかな?


「聞けるわけないだろう!」

「お前は心まで魔王なのか!」

「恥じ入る気持ちはないのか!」


「もちろんないよ。なぜなら偉大な両親に顔向けできないようなことは一切してないから。君は彼女が好きなんだろう? それならこんなことしてないで、支えてあげた方がいいよ?」


「な、ななっ! 別にそんな! 違っ、いや違わない! いや違うんだ! 今の違うは違うんだ!」


何言ってんだ? 落ち着け。

おっ、みんなも起きてきたな。ならばソルダーヌちゃんも間もなく来ると見た。


「朝から何をされているのですか? またあなたですか……」


エイミーちゃんが来ちゃったよ。別にいいけど。


「やあおはよう。昨夜の出来事を彼に教えてあげてくれないかな? 僕が暴行したことになってるみたいでね。困ってるよ?」


「それは申し訳ありませんでした。私の迂闊な行動がご迷惑をおかけしました。さて皆さん、昨夜私は魔王の寝所を訪れ、迫りました。しかし魔王は私に指一本触れることなく……私に恥をかかせてくれました。それでタンカレノ君、仇をとってくれるのですか?」


「そ、そんな、エイミー、君がそんなことをする……はっ!? さては魔王に弱味を握られているんだな!? 言ってくれ! 僕一人では魔王に勝てないかも知れない! でもみんなで力を合わせれば! 魔王にだってきっと勝てる!」


何とまあ……

これは恋する男あるあるか?

それともストーカーあるある?


「いいえ、弱味など握られておりません。アレクサンドリーネ様以外の女性に興味がないそうです。タンカレノ君も私に恥をかかせてくれるのですか?」


「そ、そんなバカな! 君のようなレディが見ず知らずの魔王に迫るなんて天地の法則的にあり得ない! はっ! まさか禁術!?」


天地の法則的、いわゆる物理的ってことだな。それにしても暴走し始めたな。禁術なんて使えないぞ?

それより見ず知らずの魔王って何だよ。


「じゃあこうしよう。僕は帰る。それで一件落着としない?」


今からの作業を考えると、むしろ帰りたいんだけどね。


「いいだろう! さすがの魔王も僕らの結束の前には恐れをなしたと見える。さっさと帰るがいい!」


よし! 帰ろう。


「じゃあソルダーヌちゃんによろしく。また夕方に来るかも知れないから。」


「あっ、待っ……」


エイミーちゃんが何か言ってたが、聞こえない。聞く前に飛び立ったのだから。もう伯母さんも大丈夫だろうから、アレクを連れて王城に行ってみよう。黒幕エルフのことを伝えないといけないしな。まずはゼマティス家で朝食だな。まだ眠いな。




到着。空から眺めてみたが、街は荒れ放題だし死体もあちこちに転がっている。世紀末かよ。城壁の意味がないじゃないか。あれだけの狂信者が第三城壁内にまで入り込んでるだなんて。


さて、ゼマティス家の正門前に到着。正門は変わりなく氷壁で閉ざされていた。ひと安心だな。氷壁解除。門を通って再び氷壁。


伯母さんはすでに起きていた。


「ただいま帰りました。調子はどうですか?」


「おかえり。迷惑をかけたわね。もう大丈夫だから好きにしていいわよ。」


なるほど。王都を離れてもいいってことだな。さすが伯母さん、ゼマティス家の女だな。覚悟が違う。しかし私はまだ滞在するぞ。本当は領都に帰りたいのだが。母上の実家の苦難を見捨てられるはずがない。


「じゃあ王城に行ってみようと思います。騎士団の援護が全然ないのが気になりますので。」


セロニアス騎士長はおじいちゃんの友人らしいし、助けられるものなら助けたいしね。




そして朝食後、アレクとサンドラちゃんに事実を説明した。


「という訳で朝から帰ってきたんだよ。いやー参ったよ。」


「へぇ、エイミーがね。よほどソルをカースに渡したくないのね。」


「カース君ってヘタレなの? その状況で何もしないなんて。」


「いやいやサンドラちゃん、僕だってやる時はやるよ? ただアレク以外に興味がないだけなんだよ。」


「もう……カースったら。もちろん分かってるわ。夕方は私も連れて行ってくれる? ソルが心配だわ。」


「もちろんいいよ。じゃあ王城へ行こうか。悪いけどサンドラちゃんはここを頼むね。もう安全だとは思うけどコーちゃんもね。」


「ええ、分かったわ。」

「ピュイピュイ」


さて、王城の様子はどうなってるんだろうか。王妃が無事だといいんだが。まあ宮廷魔導士も近衛騎士もいるんだから問題ないとは思うが……


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