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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

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カースとエイミーの攻防

ゼマティス家での夕食を終えたら再び貴族学校へと舞い戻る。アレクとサンドラちゃんにはもう寝るように言って出てきた。


「ただいま。アレクもゼマティス家も無事だったよ。」


「おかえりなさい。戻ってきてくれたのね。ありがとう。」


おやおや、そんなに心配だったのか。


「いいよいいよ。じゃあ僕はあっちで寝るから。何かあったら起こしてくれていいからね。」


「うん、ありがとう。アレックスが無事で何よりよ。」




こうして私はパスカル君達とはまた別の隅に来た。今気付いたが、彼女たちに風呂を提供すればよかったな。かなり疲れているだろうからな。まあいいや。寝よう。







う……


何やらゴソゴソする音で目が覚めた。まあ自動防御だけでなく、範囲警戒(はんいけいかい)の魔法も使っていたから当然なのだが。あー眠い……


「誰?」


簡易ハウスの入口から奥に入れず困っているような動きだ。自動防御に弾かれて入れないだろう?


「エイミーです……入れていただけませんか……」


これはまた珍しい。ソルダーヌちゃんが夜這いに来るぐらいはあるかと思ったら。まさかのエイミーちゃんか。さすがに夜這いではなさそうだ。


「いいよ。何事?」『光源』


「失礼します。」


身をかがめて入ってきた。寝るだけのカプセルホテルのような簡易ハウスだもんな。


エイミーちゃんは私の目の前に座ると、いきなり服を一枚脱いだ。


「で、何事?」


「私の体を見てもどうも思わないのですか? 男性はこのような体がお好きらしいですが?」


この歳にしてはいい方だろう。アレクほどではないが。


「嫌いじゃないよ? もしかして僕を誘惑しに来たの? それなら悪いけどダメだよ。」


「くっ……女に恥をかかせるのですか!?」


「この際だからはっきりさせよう。僕はアレク以外に興味がない。だから君はもちろんソルダーヌちゃんを側室にする話もできれば無くなって欲しい。君はどう思ってる?」


「私は……あなたのような天才が嫌いです……絶大な魔力、恵まれた血筋、頼りになる先達……何でも持っているあなたが……」


ほう、そのアプローチで来たか。本当の天才はキアラなんだけどな。


「天才と言ってくれてありがとう。嬉しいよ。ところで王族がなぜあんなにも魔力が高いか知ってる? 勇者の子孫だから?」


「そんなこと知ってます! 幼少期からの過酷な訓練の賜物です! もちろん勇者様の血筋であることは当然ですが!」


「だよね。僕はその王族と同じ訓練をしたらこうなった。信じる? 頭の中に蛇が這い回るような感覚って分かる? 結構地獄だよ?」


「なっ!? それだってどうせ魔女様のお力で……」


「正解。母上は凄いよ。先日だって手も足も出ずに負けたんだから。母上の魔力は僕の一割もないのにね。」


「……どうしてあなたを……ソルダーヌ様はなぜ……」


「どうしてだろうね? もちろん僕には分からないよ。 いつもトップで気を張ってるから、たまには誰かの所でのんびりしたいのかもね。」


「ソルダーヌ様は、辺境出身者が、肩身の狭い思いを、しないように……」


「そうだね。偉いと思うよ。本当にダミアンの妹とは思えないよ。卒業までに婚約者ができなかったら僕が検討する約束だけど、本当に検討するだけだからね? 前も言ったけど。僕が嫌なら君がいいと思う男性を紹介してあげるべきだね。」


「私に心当たりなんか……」


昔辺境伯の屋敷で同じような話をしたなぁ。あの時は誰も思いつかなかったけど、今なら一人候補がいるぞ。


フェルナンド先生だ。


たぶん王国最強。そして独身。隠し子とかいそうな気もするが、どうでもいいだろう。でも先生って好きで独身なんだろうな……

剣以外に興味がないって聞いてるし。


「まあ、難しい話はやめよう。僕のことが嫌いだということは分かった。それならソルダーヌちゃんを違う方向に誘導してあげるといい。そろそろ服を着たらどうだい?」


「はっ、そ、そろそろ着ようと思っていた! 私の肌に触れる機会を永久に失ったんだ! せいぜい後悔するがいい!」


エイミーちゃんはそう言って簡易ハウスから飛び出した。うーん、服は半脱ぎ、這々の体。誰かに見られたら私が悪役だな。真っ暗だから大丈夫とは思うが……まあいいか。寝よう。




そして朝、簡易ハウスをガンガンと叩かれて目を覚ました。日の出と共に起こされたのか……眠いのに。


「魔王! 出てこい!」

「何の役にも立ってないくせにエイミーに手を出したのか!」

「それでも男か! 恥を知れ!」


マジかよ……

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