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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

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王子と魔王

昼食会も終わる頃。知らせておくことがあるのを思い出した。


「そういえば王妃様。昨日ですね、聖白絶神教団の司教を騎士団に突き出したんです。魔蠍や偽勇者との関わりが判明したからなんですが。」


「まあ! そうなの? カースちゃんってすごいのね! うまく収まるといいわね。」


「そこで聞いたのですが、騎士長のセロニアス様はもう引退されるのですか?」


「ああ、彼はあなたのおじいちゃん、アントニウスさんと同級生よ。少し早いけど引退してもおかしくない歳ね。」


「気になったんですけど、教団に強制捜査とかしないものなんですか? ローランド王国にない製法で鎧とか作ってるらしいんです。絶対魔法防御がどうとか。」


「そうなの? それはすごいわね。捜査とかの話は私は分からないわ。王妃ってね、そういった話には口を出さないものなの。陛下から命じられた政務をこなすのみなのよ。」


おお、そうなのか。きっちりしてるね。


「そうなんですね。まあ気になっただけですので。平和が一番ですよね。」


まあこれで国王にも伝わることは伝わるだろう。どう転ぶことやら。


「殿下、お時間です」


おっと、執事の登場だ。


「分かったわ。じゃあカースちゃん、アレックスちゃん、コーちゃん。私は行くけど、ゆっくりしていってね。今日はありがとう。」


「はい。本日はありがとうございました。」

「王妃殿下のお心遣いに感謝いたします。」

「ピュイピュイ」


そして王妃は出て行った。料理はまだ残っていることだし、もう少し食べたら私達も帰るとしよう。




十五分後。お茶までご馳走になったので、そろそろ帰ろうかという時。入室者が……


「お前がカースか。恐るべき魔力を持っているそうだな。勝負しろ。」


誰? アレクに目で助けを求める。伝言の魔法を使うまでもない。


「お初にお目にかかります。フランツウッド王子。辺境フランティアはクタナツ騎士長アドリアン・ド・アレクサンドルが長女、アレクサンドリーネと申します。王子におかれましてはご機嫌麗しいご様子、祝着至極に存じます。」


王子? てことは王太子の息子? 私達と同年代に見えるな。おや、アレクを見て顔を赤くしている。無理もない、さすがはアレクだ。


「フランツウッド・ヒイロ・ローランドだ。王太子クレナウッド殿下の二男だ。姉上を第二夫人にするほどの男の弟なら、この勝負受けてみろ!」


あの二女の弟ね。大好きなお姉さんを兄上にとられて寂しいのかな? 王族ともなると気軽に遊びにも行けないだろうしな。


「カース・ド・マーティンです。何で勝負しましょうか? できれば決闘とかは避けたいと思います。」


「ふん、いいだろう! ならば王国共通ルールの魔法対戦だ。受けるか?」


「受けましょう。円から出た方が負けってことで。」


アレクをチラチラ見ながら言ってもダメだぞ。いいところを見せればアレクが自分にドッカーンだなんて思っていないよな?




移動した先、ここは訓練場かな。


「王子、こちらでしたか。午後の授業が始まりますぞ?」


また新たな人物が。何かの指南役とか教育係ってとこか? うちの伯父さんだって魔法の指南役だよな? 王族を放っておいて修行なんかしてていいのか?


「今からこのカースと魔法対戦を行う。見ておけ。」


「おや、これはこれは噂に名高い魔王様ではないですか。私、フランツウッド王子の教育係エドケイト・ド・チューターと申します。」


エリートって感じの見た目だな。


「カース・ド・マーティンです。手加減しますので、ご心配なく。」


「何を!? 全力で来い!」


「王子はお黙りください。ではまずは私が王子と対戦するに相応しいか確かめさせていただきます。いいですね?」


「エドケイト!? ちっ、早くしろよ!」


「いいですよ。では位置に着きますね。」


おや、背中を見せて歩いたのに撃ってこなかったな。紳士なのか余裕なのか。


「魔法対戦なんですから開始までは攻撃しませんよ。」


はは、バレてた。さすが教育係。子供の心を読むのは得意ってか。私はおっさんなのに。


「では王子。合図をお願いしますね。」


「双方構え! 始め!」




「どうしました? 撃ってこないのですか?」


先手を譲ろうとしたのだが。まあいいや。


『水球』


普通に正面から撃ってみた。それを氷壁で防御され、衝撃が貫通して教育係は円から出た。いくら何でも手抜きすぎないか? もう少し粘れよな。


「お見事です。私の負けですね。さて王子? 見ましたね? これでも魔王様と対戦されますか?」


「いや、やめておこう。勝ち目が見えない。カースよ、次はいつ来る?」


「王妃様には八月末に参るとお答えしました。」


「そうか。ならばその時こそ勝負だ。よいな?」


「はい。かしこまりました。」


やっぱ王族って一味違うんだな。ムキになってるかと思ったら意外と冷静なのね。教育係もそれを見越していたと。やるもんだ。


さて、帰ろ帰ろ。昼からは何をしようかな。

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